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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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「立川忍びより」仁木英之(角川書店)

最近の仁木作品はちょっと重苦しい感が多いような気がしていましたが、本作は、忍者、アイドル、ヴァンパイア、料理…歴史的な味付けも多少あって、舞台も作者の地元である立川と、作者自身の趣味を全開に楽しんで書いたように思える小説でした。

主人公は僕僕先生の王弁くん的な人の良さが印象的、ヒロインは謎の多い美少女で、お義母さんはもっと怪しいけれど妖しい可愛さがあり、そんなマンガ的なキャラの立った人物たちが、お互いの情や家とのつながりとか、自分らしい生き方とか、鬱屈した特殊な状況の中でもひとり一人の想いがあると、元気づけてくれる物語です。

いくつか辻褄のわからないところもありましたが、そこは流れで気にせずに読んでおくとして。生死をかけて闘うような緊迫感は望みませんが、忍者という設定からすれば、もう少しアクションシーンが厚く描かれていると、もっと面白くなったようには思います。この続編はないでしょうが、また作者の忍者アクションものは読みたいものです。

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「FUSE」(2017年5月3日 DOLPHY)

2017年は29日が土曜日と残念な日取り、ゴールデンウィークの休みは実質3日〜5日だけで、唯一の予定がこの日です。母の命日なのでまずは朝から墓参り、関内に出てギリシア料理店でランチ、みなと祭のパレードもやっていましたがそれはちらっと見ただけで、野毛山動物園でレッサーパンダやきりんなどを見て楽しみ、市民ギャラリーで県展をざっと観覧して、野毛のJazz Spot DOLPHYへ向かいました。

ドルフィーは2度目、数年前の前回はちょっと出遅れて悪い席でしたので、早くにいったら誰もいなくて、開場時間でもわずか数人待ちでした。開演までには超満員になり狭かったですが…このあたり、何度か足を運んでみないとわからないところ。

横濱ジャズプロムナードでいろいろと聴いて好きになった田中信正に惹かれて行きましたが、FUSEはサックスの故・井上淑彦中心に結成されたユニットとのこと、田中正信(P)、坂井紅介(b)、つの犬(ds)のメンバーが井上氏亡き後も続けられているそうです。そして初めてゲストとして参加したトランペットの類家心平を加えた編成で、熱く刺激的な曲からしみじみとした曲まで、2ステージたっぷりと聴かせてくれました。

信正さんピアノは没入感がハンパなく心に迫り、紅介さんベースはドッシリとみんなをまとめ上げて。ここにつの犬さんドラムが切れ味すごく主張してくるので盛り上がります。ここに類家さんトランペットが自由な感情を乗せてくる感じ…あぁ、やっぱりジャズっていいなぁと実感できるセッションでした。井上淑彦の曲を愛して大切に、プレイヤー一人一人の想いを込めて演奏している、そんな温かさも感じられて余計に素晴らしいのだと思います。

連休初日、疲れたけれど大きな創作のパワーをもらい受けた感の強い1日でした。もう少し長く見れば2週間で3回のライヴを聴いて、自分の創作意欲も高まったところで…いろいろがんばれそうです!

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谷山浩子コンサート〜デビュー45周年大収穫祭〜(於:2017年4月29日 東京国際フォーラム ホールC)を聴いてきました。
40周年記念コンサートを同じ会場で聴いてから、もう5年も経ったのかという感じですが、その間にも毎年なにかしらのコンサートに行っているせいかもしれません。歳をとって、時の経つのが早く感じられるようになったとは思いたくないですね。

今回の記念コンサートは、音楽的に実に贅沢な趣向でした。第1部、オープニングは意表を突いた感じですが、その後4曲はソロでわりと代表的な歌を。次に栗 コーダーカルテットとともに、軽快な感じの曲を。第2部はギターの岡崎倫典とシンセの石井AQとともに、森の深みにはまっていくような重暗い曲集、そして 斉藤ネコカルテットとともに重厚・華麗な感じの曲。最後は全員登場でアンサンブルの醍醐味を…。
アンコールではコーラスも加わって賑やかに、2度めのアンコールはソロで静かに。いつもよりもおしゃべりが少なく、いろんなタイプの歌をふさわしい編成とアレンジで、じっくりと聴かせてくれました。
栗カルとネコカルが競演するなど、45年も独自路線で活躍してきた谷山さんならではのステージです。多彩な世界観を表現する歌の力は衰えることなく、客席を 見るとけっこう若い人たちも混じってきているようで、ヒット曲はなくても伝わって拡がっているんだろうなと思いました。


開場前からグッズ 販売をしていたので、早めに行って出たばかりのシングルアルバムと、記念マグカップを購入しました。CDにはミニサイン色紙とファイルのおまけ付き。ふつ うのアーティストだと、シングル版を集めたのがベストアルバムになるのが、谷山さんはかえってマイナー曲のアルバムになるというようなことをご自身で言わ れてましたが、アルバムごとに世界観を構築してきた音楽家ならでは。
それはコンサートのプログラム構成にも表れていて、特に大きな記念公演は想いがあふれていると思います。長年のファンにとって、そして初めての人にとっても、実に聴き応えのある3時間近い幸せな時間でした。

【PROGRAM】

■第1部
<谷山浩子ソロ>
1「偉大なる作曲家」
2「窓」
3「カントリーガール」
4「銀河通信」
5「風になれ 〜みどりのために〜」
<栗コーダーカルテット>
6「そっくりハウス」
7「恋するニワトリ」
8「意味なしアリス」
9「ピヨの恩返し」
<栗コーダー&石井AQ アコーディオン>
10「猫のみた夢」

■第2部
<岡崎倫典&石井AQ>
11「まっくら森の歌」
12「森へおいで」
13「Elfin」
14「王国」
15「真夜中の太陽」
<斎藤ネコカルテット>
16「骨の駅」
17「満月ポトフー」
18「きみの時計がここにあるよ」
19「SAKANA-GIRL」
<全員>
20「向こう側の王国」
21「キャンディーヌ」
22「海の時間」

■アンコール1
<コーラス・乗客の皆さん>
23「終電座」

■アンコール2
<谷山浩子ソロ>
24「おやすみ」

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
40周辺記念の時の(35周年記念も掲載)の感想ブログはこちら。
同じこと書いていましたw
http://tubam.kamakurablog.com/Entry/50/

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「横浜駅SF」柞刈湯葉(カドカワBOOKS)


本屋の棚で見かけて、カバーに書かれたプロットを読んで、どうにも気になって3分悩んで買った本。読みはじめは体調のせいもあり眠くなってなかなか捗りませんでしたが、話が進むにつれて(女性キャラも出たあたりからか…)どんどん面白くなっていき、読後はこの本に出会えて良かったと思っています。

鉄道パロディ的なもっと軽いノリの話かと想像していたのとは違い、かなり本格的な味わいの小説です。日本の本州全体が横浜駅に飲み込まれているとか、突拍子もないストーリーでも、SFならもっととんでもない設定はあるでしょう。しかし私にとっては、身近な横浜駅が…なんとも妙な気分になるのでした。

不条理な体制へのレジスタンスとか、生き方を見つけるひとり旅とか、いろいろとテーマは見つかりますが、構築されている世界観が緻密で、その中で生きてきた人物たちならではの考え方が興味深く、科学的なバックボーンも感じられる物語自体の面白さが秀逸です。作者は生物学者とか、怪物のような横浜駅のどこかリアルな生態の不気味さになるほどと。主人公たちに感情移入しにくいのも、今の私たちとまったく違う世界に生きているのだから当然と、むしろ納得できたのでした。
 
紅二点、ケイハは天才科学者だけど背負ってきたものが大きい女性、ハイクンテレケはアンドロイドだけど無垢な心がかわいい少女。ふたりの存在が色気とは離れているけれど、無機的な話に彩りを添えていて印象に残ります。 田中達之氏による表紙と各章トビラの精密なイラストもこの作品に合っていて、このあたりはさすがカドカワ、なのかも…。ネットで見ましたが、コミカライズも感じでした。第1回カクヨムSF部門大賞受賞作として個性が強く、良い方向性ができたのではないかと思います。

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松田昌40周年記念コンサート(2017年4月23日・江東区豊洲シビックセンター)を聴いてきました。


もともとエレクトーン奏者で、今やピアニカ演奏家としての活躍が大きな松田昌さん、ライヴを聴くのは十数年ぶり2度めです。妻が知り合いということでなければ、きっと聴く機会のない音楽家だったでしょう。デビュー40年、御年70歳という方ですが、ピアノの倉沢大樹さん(エレクトーンとピアニカも)、パーカッションの岡部洋一さんとのトリオ演奏で、心身からエネルギーがあふれ出るような熱いステージでした。

特に、ここ十年くらい独自の演奏を追求しているというピアニカでは、小学生が吹いているのと同じ楽器とは思えない、卓越した技術と深い表現力でぐいぐいと引き込んでいきます。ご自身で作られたエレクトーンの曲も良いですが、クラシックからジャズやタンゴなどの名曲までアドリブ豊かに吹きまくる様は、ジャズメンの姿。ヘタなサックスやトランペット以上に奔放に奏でられる音色が、とても素晴らしいのでした。この手軽な楽器の知らなかった可能性を見せられると、当然のごとく、私もしばらく手に取ってなかった自分のピアニカが吹きたくなってしまいます。海外のいろんな場所でピアニカを吹けばそこの人たちと交流が生まれる、そんな話も良かった。

とは言いながらもラスト2曲はエレクトーンでオリジナル曲を、ピアノとパーカッションもあるせいか、電子音だけれど生き生きとして聴こえて心にしみてきました。さすがはこの楽器の第一人者。MCも面白く、アンコールでは自分の人生を詞にした歌も飛び出したり、最初から最後まで楽しく演出されたコンサートでした。


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長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
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