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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
2019年正月2日、劇場版「若おかみは小学生」を遅ればせながら横浜の映画館、ジャックアンドベティで鑑賞してきました。


口コミで評判になりロングヒット作になっていたアニメですが、テレビシリーズを見ていたので、少し間が開いたのが逆に良かった気がします。テレビ版では温泉旅館での日常エピソードに視点が置かれ、映画では感動のストーリーとして演出されていて、どちらも面白いけれど別物な感じも強かったので。

不幸な境遇を淡々と描きながら、現実世界にファンタジー部分が絡んで、主人公おっこの前向きな性格がすべてを受け入れて、ラストに感情の高まりを持ってくる、子どもも大人も感動してしまうのがよくわかる素晴らしい映画でした。
主人公だけでなく、すべての登場人物が魅力的。真月がライバルとしてきつく描かれていたのがちょっとかわいそうでしたが、最後には良い所を見せたり、大人だけど良い友人になるグローリーもステキです。

昨年見た「リズと青い鳥」やその前の「聲の形」、TVアニメでもたくさんの傑作をたがけている吉田玲子さんの脚本。原作は児童文学として評価されている作品でも、アニメ化としては派手なアクションもジブリのような知名度もなく、出だしは苦戦したようですが、しっかりと口コミで広がっていくところに、日本のアニメが文化として浸透してるのだと思えて、嬉しく思いました。

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第40回 ぴあフィルムフェスティバル
PFFスペシャル講座「映画のコツ〜吉田大八プレゼンツ『香川まさひとの世界』」
2018.9.9 会場:国立映画アーカイブ
 

脚本家の香川さんは大学漫研での1つ先輩、とても身近で影響を受けた一人です。当時から自主映画を撮っていて、83年・84年と連続で「ぴあフィルムフェスティバル」に入賞していました。当時その作品を見て才能に衝撃を受け、のちに2作の脚本を書いてもらったという吉田大八監督が、多くの人にその作品を見てもらいたいと企画された上映会に行ってきました。

吉田監督、香川さん、多くの作品に出演していた木原実さん、PFFディレクター荒木啓子さんによる壇上トークをはさみながら、今年撮った最新作まで5作品が上演されて、一人の映画作家の創作課程が解き明かされるような内容で、近しい人だからこそ、そうした話はなかなか聞くことはないので、とても興味深かったです。久しぶりに自らの映画を撮ってとても面白かったという香川さんの、斜に構えながらも前向きな言葉が印象的でした。

今も映画の脚本家や漫画の原作者として活躍中の香川さん、不肖の後輩である私はその一部しか見ていないのですが、映画では中嶋朋子がヒロインを勤めた「あさってDANCE」や忌野清志郎が怪演した「お墓と離婚」、堺雅人が結婚詐欺師を演じた「クヒオ大佐」と、いずれも印象に残る作品でしたし、連載中の漫画「ましろ日」は人の心が繊細に描かれた名作だと思います。映画も漫画も商業作品の仕事は好きじゃないんだと言いながら、だからこそ妥協なく書いている、それは私も見習わなければと思います。脚本家というのはなかなか有名になりにくい役どころですが、こうしたところで実績が知れるのは、とても喜ばしいことです。

大学時代の先輩後輩も多数観に来ていて終了後は同窓会のように、4人の漫画家さんをはじめ、いろんな人と懐かしく集うことができました。30年以上ぶりに会う人たちでも、すぐに当時の続きのように話すことができるのが嬉しく、とても楽しい一日でした。こんな人たちが周りにいた環境があったからこそ今の自分があると、再認識した次第です。

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2015.10.25、映画館に行ったのは実に何年ぶりのことか、前に何を観たのかさえ思い出せないほどで、渋谷のイメージフォーラムは初めて。足を運ぶ ことにしたきっかけは、先日の横浜ジャズプロムナードのステージで素晴らしいバイオリンを聴かせてくれた、アレクセイ・アイギが音楽を担当していると知っ たこと、そして情報量の少ないホームページを見ただけでも、この映画の美しさや新しさが伝わってきたからです。

本作を観るにおいては、事前情報は少ない方が良いかもしれません。ラストに、あまりにも衝撃的な体験が待っていますので。未見で興味がわきそうな方は、ネタバレは書かないけれど印象付いてしまうかもしれませんので、以下注意してお読みください。

 
大学生の頃からソ連の監督の映画をよく観ていた自分にとって、本作はN.ミハルコフのモンゴルの大草原を舞台にした「ウルガ」と、A.タルコフスキーの終末戦争への恐れを描いた「サクリファイス」、2作品とイメージが重ねる部分が多くありました。

ただ、両マエストロとは違う瑞々しい感覚がこの作品からは感じられて、進取の精神にあふれた若い監督の想いが、演技経験のほとんどない俳優たちを活かし、中央アジアの広大な平原を舞台にして、水平と垂直とシンメトリーにこだわった映像構成により、一部の隙もない美しさに結実したという、奇跡のような世界だと思いました。

ヒロインは東洋系の美少女ですが、ほとんど愛想や媚びを含んだ笑顔を見せることなく、気高さを感じさせます。いっさいセリフのない作品ですので、表情から感情を読みとるしかないのですが、単調な暮らしを幸福に感じているのか、諦めているのかもつかめない、それでいて生きる意思が伝わってくるのがとても印象的でした。

父親は厳めしいながらどこかユーモラスな人間性を感じさせ、二人の若い青年は情熱的だけれどいやらしさを見せることなく純粋で、一軒のボロ家しかない大平原の一部となっています。
この何もない場所で、何でもない日常が流れ、牧歌的なドラマが描かれていく…のかと言えば、昔から受け継がれてきた遊牧の民の暮らしではなくて、車や飛行機やラジオが外の文明と繋げている、危うさを感じさせる世界。やがて、有無をも言わせぬエンディングに繋がっていくのでした。

観終わった時の呆然とするしかない気持ち。客席を立って階段を上り外に出るまで、観客の誰一人として言葉を発しない静寂な行進、コアな映画ファンが集まるイメージフォーラムにしてこれなのですから、衝撃の大きさを表していたでしょう。感動でも、恐怖でも、カタルシスでもない、心を震わせ刻み込まれた体験となったように思います。


最後に、アイギの音楽は映像世界の中でムダな自己主張をすることなく、しかし無言劇の空隙を大自然の音とともに静かな存在感で埋め尽くしていきます。ジャズプロでは太田恵資とのバイオリンデュオで即興演奏を聴かせてくれましたが、ロシアでは人気の作曲家として、多くの映画音楽も手がけているという才能が存分に発揮されていました。

太田恵資は、本人はいやがるだろうけれど日本で言えば坂本龍一や久石譲のように知られた作曲家、と紹介していましたが、なるほどと思いつつ、やはりソ連・ロシアの映画音楽を数多く作ってきた巨匠E.アルテミエフとの共通が感じられる音楽だったなぁと感じました。ジャズプロでCDにサインしてもらいましたが、自分の宝物としての価値が上がってしまいました。アレクセイ、スパシーヴァ。

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