つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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横浜ジャズプロムナード2013、第21回となりますが、今年も2日間行って来ました。21年連続となりますが、大きな病気などなく通えたということに、まずは感謝。このイベントが1年の心のエネルギー源になっていることも確かで、なくてはならないものになっております。
今年も、聴いてきたステージの感想を記録にとどめておきたいと思います。
********************************************************************
1日目(2013.10.12)
■Orquesta Libre + スガダイロー(p) + RONx2(tap)
「Plays Duke Ellington」 横浜市開港記念会館
芳垣安洋(ds) 青木タイセイ(tb) 渡辺隆雄(tp) 藤原大輔(ts) 塩谷博之(ss)
Gideon Jucks(tub) 鈴木正人(b) 椎谷求(eg) 高良久美子(vib) 岡部洋一(per)
開港記念館は、ジャズプロの中でも特に横浜らしさを感じさせる会場ですので、オープニングステージをここで聴くと、今年も始まったという気分が盛り上がります。
タップダンサーが出るということで、それはどうでもいいんだけど、と思っていましたが、ビジュアル要素のオマケとしてだけでなく、音楽の演奏としてアンサンブルを創り出していて見事でした。
スガダイローのピアノは豪放にして洗練されていて、ピリッとステキなエリントンを表現。青木タイセイのアレンジもよく、A列車などはこれまでにいろんなバンドで聴いてきた中でも傑出の出来。
メンバーも実力者揃いなのですが、1ステージという時間的制約もあって化、あまりソロパートを引っ張りすぎないことが聴きやすさになっていたのかもしれません。
■NEW5 横浜市開港記念会館
山下弘治(b) 井上淑彦(ts) 高瀬龍一(tp) 堀秀彰(p) 加納樹麻(ds)
ベーシストがリーダーのバンドは、安定感があると思います。
ベテランの井上淑彦からちょっと若手まで幅広い年代のメンバー、そこにほどよい緊張感が生まれるのもジャズならではの楽しみでしょう。
心地よい演奏に眠気を誘われ、半分くらい夢うつつの中で聴いていましたが、ビートルズのノルウエーの森とか、ステキな演奏でした。
■酒井俊(vo)オーケストラ 関内ホール/大ホール
林栄一(as) 太田朱美(fl) 土井徳浩(cl) 市尾優作(eg) 田中信正(p)
坂本弘道(Celo) 萬恭隆(b) 瀬尾高志(b) 則武諒(ds)
酒井俊は板橋さんとの競演を聴いて以来、何年経ったか…陽気なおばさんという風情から、今回は黒のドレスで大歌手の貫禄を演出。見た目に違わない自由で感情豊かな、心にしみる歌を聴かせてくれました。
大震災や今世などへの様々な想いが詰まった詞に、アーティストならではの感性が表現され、歌ならではのメッセージ性の強さに気付かされます。アメリカのスタンダード中心に歌うジャズシンガーはほとんど興味が沸かないのですが、こんなに自由な歌ならオーケー。
もちろん、バックを固めるミュージシャンたちの凄さもあります。その人たちをデュオで、トリオで、みんなでと歌ごとに使い分けて世界を作っていく音楽心が素晴らしい。
ジャズプロの2時間枠のスペシャルステージを任されるようになった酒井さん、この場ならではの贅沢なステージを堪能させていただきました。
■zephyr 関内ホール/小ホール <ラスト20分>
井上淑彦(ts) 田口悌治(ag) 天野丘(eg)
大ホールが終わってすぐに移動、ラスト20分だけ立ち見でしたが、この楽器編成でのトリオ興味があったのでどんな演奏かを聴けただけでも良かったです。
アコースティックギターとエレギギターの刻むリズムがスピーディーで切れがある格好良い演奏、とても刺激的でした。
この日2コマ目でも聴いた井上さんでしたが、打って変わって若々しいアグレッシブな雰囲気。サックスだけでなくパーカッションも手にしながら、まだまだ新しい創造性に満ちた心で挑戦を続ける音楽家の魂を感じました。
■明田川荘之(p,oca)・林栄一(as) デュオ 関内ホール/小ホール
明田川の自由な心が素晴らしい。小汚い爺さん(失礼!)のような見た目からは想像の付かない、美しい音と若々しい即興が心に響きわたります。
林栄一とのセッションということで期待も大きかったのですが、あの林さんが突っ込みどころに困っているような感じで面白く。明田川さんの、あえて隙を作らないように自分の感性で世界を埋め尽くしておいて、どうだ、切り込んでみろというような…久々にバトルなジャズを聴きました。
残り15分くらいで、突然ヘルニアの歌を歌って、急に5分休憩といって引っ込んだときには、いろんな面で心配しましたが(笑)。
********************************************************************
2日目(2013.10.13)
■ガスト・ワルツィング(tp)&ラルゴ(〜ルクセンブルグ)
横浜みなとみらいホール
Gast Waltzing(tp) David Laborier(g)
Jean Pierre Paul J.(b) Rainer Kind(ds)
ルクセンブルグから来たカルテッド。リーダーはトランペットでたぶん最年長者、次がエレキギター、ドラムとエレキベースは若手。やはり多世代が集まっているバンドは、安定感と緊張感の両方があります。
エレキ弦の音、ロックのリズムの曲もありましたが、何よりもトランペットの伸びやかで爽快な音色が印象に残ります。骨太な音ですがヨーロッパらしい洗練さを感じる演奏でした。
すっかり忘れていましたが、昨年のブログを振り返って見たら、別のルクセンブルグのバンドを聴いていたのでした。ジャズ事情はわかりませんが、なかなか魅力的な国であるようです。
■ペッカ・ピルカネン(sax〜フィンランド)・グループ
横浜みなとみらいホール
Pekka Pylkkanen(ts) Roy Assaf(p)
中村健吾(b) 嘉本信一郎(ds)
フィンランドのサックス奏者、ピカルネン。ずいぶん前ですが、ジャズプロでフィンランドのグループを聴いた覚えがあります。あれは北欧らしい透明感と、自由なアドリブが印象的だったので、ついそんな演奏を期待してしまいましたが、ちょっと違いました。
ドラムやベースが難しいリズムを刻みながらも安定した演奏というのは、上手なのでしょうが、聴き所として引っかかる部分がつかみづらく、つい眠気におそわれてしまいました。
■ヒカシュー ヨコハマNEWSハーバー
巻上公一(vo) 三田超人(g) 坂出雅海(b) 清水一登(p)
佐藤正治(ds) Alexei Aigi(vl〜ロシア)
ヒカシューのジャズプロ登場は6年目、うち4〜5回は聴いています。一度はまったらやめられない世界。巻上さんのボーカル+テルミン+尺八+コルネット、清水さんのピアノ、ほか皆さんも百戦錬磨の音の自由な戦士たちです。
今回のゲストはロシアのバイオリニストであるアイギ、モスクワ公演の際に知り合ったとのことです。ヒカシューがモスクワで人気があるのは、なんとなくわかります。
狂ったように弾きまくるアイギの姿を見れば、運命的な出会いだったのだろうと思わされます。太田恵資とのバイオリンデュオでCDを出していましたが、同じロシアの故セルゲイ・クリョーヒンとのデュオとか実現してたら、さぞや良かっただろうに…(ほんとになかったかどうかは知りませんが)。
必ず客席から途中退出者が出るヒカシューですが、それも年々減る傾向にあります。フリーな演奏こそジャズの魅力と思いますが、今のジャズプロの中で数少ない自由さを持ったバンドだけに、もっともっと受け入れられるようになって、次は大ホール進出を果たしてほしいものです。
■板橋文夫(p) FIT!&New Orchestra 関内ホール 大ホール
FIT!…竹村一哲(ds) 瀬尾高志(b)
林栄一(as) 纐纈雅代(as) 片山広明(ts) 吉田隆一(bs)
類家心平(tp) 福村博(tb) 高岡大祐(tub) 太田恵資(vl)
外山明(ds) 堀越千秋(ライブペインティング)
今年もやっぱり、トリは板橋さん。ライブハウスなど行けなかったので、1年ぶりです。
まずはFITでのトリオ演奏、瀬尾さん、竹村さんと組むようになって何年経ったか、どんどん良くなっています。最初の頃は板橋さんが引っ張っているという感が大きかったですが、すでに対等にやり合うようになってきました。昨年は瀬尾さんのベースに感動しましたが、今年は竹村さんのドラムの切れに驚かされました。
失礼を承知で書きますが、前日の酒井俊さんのステージでも思ったこと、瀬尾さんのルックスなのにすごくかっこいい!元々イケメンな竹村さんと並んで、ビジュアル的にもイケてました。もちろん、演奏のすばらしさが補正を掛けているのですが…。
板橋さんもこのメンバーでやるのが、ますます楽しくなってきたのではないかと思います。
次のオーケストラでは、少しメンバーの若返りがありました。
昨年のジャズプロで板橋さんが若手を率いてのビッグバンドにおいて、最も印象に残ったチューバの高岡さんが、今年は板橋オーケストラに加入していたのが嬉しいところでした。ブラスにおいては地味な楽器ですが、この人の演奏はとにかく凄い。あの大きな金管楽器でノンブレス奏法するというのが信じられませんし、圧倒的なテクニックの中に大きな音楽性を感じさせます。
ほかの若手では、纐纈さんが慣れないオケで戸惑っているのを同じアルトサックスの林さんがしきりと面倒見てあげているような姿が微笑ましかったし、前日も聴いた類家さんのトランペットがエネルギッシュで良かったです。
毎年聴いていた人がいなくなるのは少し寂しいですが、新風を取り入れるのは大切だとも思いました。全体の演奏としても若返ったせいか、楽曲のせいもあるでしょうが、少し洗練されて聞きやすくなった感じでした。
それにしても、板橋さんのエネルギッシュな演奏はいつになっても変わりません。もっと弾きたい、大きく激しく、という前のめりな感じが、聴く人に感動と勇気を与えてくれます。いつもいつも、音楽ってこんなに素晴らしいと再認識させてくれるステージに、感謝。
今年も、聴いてきたステージの感想を記録にとどめておきたいと思います。
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1日目(2013.10.12)
■Orquesta Libre + スガダイロー(p) + RONx2(tap)
「Plays Duke Ellington」 横浜市開港記念会館
芳垣安洋(ds) 青木タイセイ(tb) 渡辺隆雄(tp) 藤原大輔(ts) 塩谷博之(ss)
Gideon Jucks(tub) 鈴木正人(b) 椎谷求(eg) 高良久美子(vib) 岡部洋一(per)
開港記念館は、ジャズプロの中でも特に横浜らしさを感じさせる会場ですので、オープニングステージをここで聴くと、今年も始まったという気分が盛り上がります。
タップダンサーが出るということで、それはどうでもいいんだけど、と思っていましたが、ビジュアル要素のオマケとしてだけでなく、音楽の演奏としてアンサンブルを創り出していて見事でした。
スガダイローのピアノは豪放にして洗練されていて、ピリッとステキなエリントンを表現。青木タイセイのアレンジもよく、A列車などはこれまでにいろんなバンドで聴いてきた中でも傑出の出来。
メンバーも実力者揃いなのですが、1ステージという時間的制約もあって化、あまりソロパートを引っ張りすぎないことが聴きやすさになっていたのかもしれません。
■NEW5 横浜市開港記念会館
山下弘治(b) 井上淑彦(ts) 高瀬龍一(tp) 堀秀彰(p) 加納樹麻(ds)
ベーシストがリーダーのバンドは、安定感があると思います。
ベテランの井上淑彦からちょっと若手まで幅広い年代のメンバー、そこにほどよい緊張感が生まれるのもジャズならではの楽しみでしょう。
心地よい演奏に眠気を誘われ、半分くらい夢うつつの中で聴いていましたが、ビートルズのノルウエーの森とか、ステキな演奏でした。
■酒井俊(vo)オーケストラ 関内ホール/大ホール
林栄一(as) 太田朱美(fl) 土井徳浩(cl) 市尾優作(eg) 田中信正(p)
坂本弘道(Celo) 萬恭隆(b) 瀬尾高志(b) 則武諒(ds)
酒井俊は板橋さんとの競演を聴いて以来、何年経ったか…陽気なおばさんという風情から、今回は黒のドレスで大歌手の貫禄を演出。見た目に違わない自由で感情豊かな、心にしみる歌を聴かせてくれました。
大震災や今世などへの様々な想いが詰まった詞に、アーティストならではの感性が表現され、歌ならではのメッセージ性の強さに気付かされます。アメリカのスタンダード中心に歌うジャズシンガーはほとんど興味が沸かないのですが、こんなに自由な歌ならオーケー。
もちろん、バックを固めるミュージシャンたちの凄さもあります。その人たちをデュオで、トリオで、みんなでと歌ごとに使い分けて世界を作っていく音楽心が素晴らしい。
ジャズプロの2時間枠のスペシャルステージを任されるようになった酒井さん、この場ならではの贅沢なステージを堪能させていただきました。
■zephyr 関内ホール/小ホール <ラスト20分>
井上淑彦(ts) 田口悌治(ag) 天野丘(eg)
大ホールが終わってすぐに移動、ラスト20分だけ立ち見でしたが、この楽器編成でのトリオ興味があったのでどんな演奏かを聴けただけでも良かったです。
アコースティックギターとエレギギターの刻むリズムがスピーディーで切れがある格好良い演奏、とても刺激的でした。
この日2コマ目でも聴いた井上さんでしたが、打って変わって若々しいアグレッシブな雰囲気。サックスだけでなくパーカッションも手にしながら、まだまだ新しい創造性に満ちた心で挑戦を続ける音楽家の魂を感じました。
■明田川荘之(p,oca)・林栄一(as) デュオ 関内ホール/小ホール
明田川の自由な心が素晴らしい。小汚い爺さん(失礼!)のような見た目からは想像の付かない、美しい音と若々しい即興が心に響きわたります。
林栄一とのセッションということで期待も大きかったのですが、あの林さんが突っ込みどころに困っているような感じで面白く。明田川さんの、あえて隙を作らないように自分の感性で世界を埋め尽くしておいて、どうだ、切り込んでみろというような…久々にバトルなジャズを聴きました。
残り15分くらいで、突然ヘルニアの歌を歌って、急に5分休憩といって引っ込んだときには、いろんな面で心配しましたが(笑)。
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2日目(2013.10.13)
■ガスト・ワルツィング(tp)&ラルゴ(〜ルクセンブルグ)
横浜みなとみらいホール
Gast Waltzing(tp) David Laborier(g)
Jean Pierre Paul J.(b) Rainer Kind(ds)
ルクセンブルグから来たカルテッド。リーダーはトランペットでたぶん最年長者、次がエレキギター、ドラムとエレキベースは若手。やはり多世代が集まっているバンドは、安定感と緊張感の両方があります。
エレキ弦の音、ロックのリズムの曲もありましたが、何よりもトランペットの伸びやかで爽快な音色が印象に残ります。骨太な音ですがヨーロッパらしい洗練さを感じる演奏でした。
すっかり忘れていましたが、昨年のブログを振り返って見たら、別のルクセンブルグのバンドを聴いていたのでした。ジャズ事情はわかりませんが、なかなか魅力的な国であるようです。
■ペッカ・ピルカネン(sax〜フィンランド)・グループ
横浜みなとみらいホール
Pekka Pylkkanen(ts) Roy Assaf(p)
中村健吾(b) 嘉本信一郎(ds)
フィンランドのサックス奏者、ピカルネン。ずいぶん前ですが、ジャズプロでフィンランドのグループを聴いた覚えがあります。あれは北欧らしい透明感と、自由なアドリブが印象的だったので、ついそんな演奏を期待してしまいましたが、ちょっと違いました。
ドラムやベースが難しいリズムを刻みながらも安定した演奏というのは、上手なのでしょうが、聴き所として引っかかる部分がつかみづらく、つい眠気におそわれてしまいました。
■ヒカシュー ヨコハマNEWSハーバー
巻上公一(vo) 三田超人(g) 坂出雅海(b) 清水一登(p)
佐藤正治(ds) Alexei Aigi(vl〜ロシア)
ヒカシューのジャズプロ登場は6年目、うち4〜5回は聴いています。一度はまったらやめられない世界。巻上さんのボーカル+テルミン+尺八+コルネット、清水さんのピアノ、ほか皆さんも百戦錬磨の音の自由な戦士たちです。
今回のゲストはロシアのバイオリニストであるアイギ、モスクワ公演の際に知り合ったとのことです。ヒカシューがモスクワで人気があるのは、なんとなくわかります。
狂ったように弾きまくるアイギの姿を見れば、運命的な出会いだったのだろうと思わされます。太田恵資とのバイオリンデュオでCDを出していましたが、同じロシアの故セルゲイ・クリョーヒンとのデュオとか実現してたら、さぞや良かっただろうに…(ほんとになかったかどうかは知りませんが)。
必ず客席から途中退出者が出るヒカシューですが、それも年々減る傾向にあります。フリーな演奏こそジャズの魅力と思いますが、今のジャズプロの中で数少ない自由さを持ったバンドだけに、もっともっと受け入れられるようになって、次は大ホール進出を果たしてほしいものです。
■板橋文夫(p) FIT!&New Orchestra 関内ホール 大ホール
FIT!…竹村一哲(ds) 瀬尾高志(b)
林栄一(as) 纐纈雅代(as) 片山広明(ts) 吉田隆一(bs)
類家心平(tp) 福村博(tb) 高岡大祐(tub) 太田恵資(vl)
外山明(ds) 堀越千秋(ライブペインティング)
今年もやっぱり、トリは板橋さん。ライブハウスなど行けなかったので、1年ぶりです。
まずはFITでのトリオ演奏、瀬尾さん、竹村さんと組むようになって何年経ったか、どんどん良くなっています。最初の頃は板橋さんが引っ張っているという感が大きかったですが、すでに対等にやり合うようになってきました。昨年は瀬尾さんのベースに感動しましたが、今年は竹村さんのドラムの切れに驚かされました。
失礼を承知で書きますが、前日の酒井俊さんのステージでも思ったこと、瀬尾さんのルックスなのにすごくかっこいい!元々イケメンな竹村さんと並んで、ビジュアル的にもイケてました。もちろん、演奏のすばらしさが補正を掛けているのですが…。
板橋さんもこのメンバーでやるのが、ますます楽しくなってきたのではないかと思います。
次のオーケストラでは、少しメンバーの若返りがありました。
昨年のジャズプロで板橋さんが若手を率いてのビッグバンドにおいて、最も印象に残ったチューバの高岡さんが、今年は板橋オーケストラに加入していたのが嬉しいところでした。ブラスにおいては地味な楽器ですが、この人の演奏はとにかく凄い。あの大きな金管楽器でノンブレス奏法するというのが信じられませんし、圧倒的なテクニックの中に大きな音楽性を感じさせます。
ほかの若手では、纐纈さんが慣れないオケで戸惑っているのを同じアルトサックスの林さんがしきりと面倒見てあげているような姿が微笑ましかったし、前日も聴いた類家さんのトランペットがエネルギッシュで良かったです。
毎年聴いていた人がいなくなるのは少し寂しいですが、新風を取り入れるのは大切だとも思いました。全体の演奏としても若返ったせいか、楽曲のせいもあるでしょうが、少し洗練されて聞きやすくなった感じでした。
それにしても、板橋さんのエネルギッシュな演奏はいつになっても変わりません。もっと弾きたい、大きく激しく、という前のめりな感じが、聴く人に感動と勇気を与えてくれます。いつもいつも、音楽ってこんなに素晴らしいと再認識させてくれるステージに、感謝。
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「雨ニモマケズ」司修(偕成社)
司修ファンとしての贔屓目でなくとも、これは素晴らしい本だと思います。宮沢賢治の有名な詩の1行ごとにペン画を添える、その絵が言葉をじっくりと噛みしめます。
詩の時にも一文ごとが際だっている作品ですが、絵がはさまれていくことで、言葉の持っている力あ驚くほど広がっていきます。
言葉をどのように解釈して絵にするのか、それは司修の想いであって、まったく肯定できない人もいるでしょうが、しかしこの絵は不気味さもあるけれど愛らしく、洗練されていながらも泥臭く、デザインのようで絵画である、司修ならではの世界であって普遍的なものを感じさせる絵でした。
1枚ずつの絵には、人だったり猫だったり熊だったりが描かれ、言葉の想いを表情豊かに表していきます。ペン画に塗り絵をしてくださいと書かれていましたが、このまま本のページを切り取って壁一面に飾りたいと思ったりしました。
奇しくも富田勲が雨にもまけずの音楽化に取り組んだということをドキュメンタリー番組でみましたが、この詩を自分のなかで噛み砕き表現するというのは、人生を重ねないと無理ということでしょうか…
いや、30代で亡くなった賢治の作ですから、人生の積み重ねの問題ではないかもしれませんが、今回、この本で改めて読んだ詩に、人間の生き方の変わることない本質を感じたのは確かです。
司修は以前にも賢治をモチーフにしたコラージュ作品の本「賢治の手帳」を出していましたが、本作ではずっとその本質に迫った感じがしました。
簡単に読めるけれどあまりにも奥深い、これから何度も読み返すだろう本であり、値段の手軽さもあるし誰かにプレゼントしたくなる本です。
司修ファンとしての贔屓目でなくとも、これは素晴らしい本だと思います。宮沢賢治の有名な詩の1行ごとにペン画を添える、その絵が言葉をじっくりと噛みしめます。
詩の時にも一文ごとが際だっている作品ですが、絵がはさまれていくことで、言葉の持っている力あ驚くほど広がっていきます。
言葉をどのように解釈して絵にするのか、それは司修の想いであって、まったく肯定できない人もいるでしょうが、しかしこの絵は不気味さもあるけれど愛らしく、洗練されていながらも泥臭く、デザインのようで絵画である、司修ならではの世界であって普遍的なものを感じさせる絵でした。
1枚ずつの絵には、人だったり猫だったり熊だったりが描かれ、言葉の想いを表情豊かに表していきます。ペン画に塗り絵をしてくださいと書かれていましたが、このまま本のページを切り取って壁一面に飾りたいと思ったりしました。
奇しくも富田勲が雨にもまけずの音楽化に取り組んだということをドキュメンタリー番組でみましたが、この詩を自分のなかで噛み砕き表現するというのは、人生を重ねないと無理ということでしょうか…
いや、30代で亡くなった賢治の作ですから、人生の積み重ねの問題ではないかもしれませんが、今回、この本で改めて読んだ詩に、人間の生き方の変わることない本質を感じたのは確かです。
司修は以前にも賢治をモチーフにしたコラージュ作品の本「賢治の手帳」を出していましたが、本作ではずっとその本質に迫った感じがしました。
簡単に読めるけれどあまりにも奥深い、これから何度も読み返すだろう本であり、値段の手軽さもあるし誰かにプレゼントしたくなる本です。
「たまさか人形堂それから」津原泰水(文藝春秋)
前巻から間を空けずに読んだので、それまでの展開を忘れることもなく、楽しむことができました。前巻がややミステリー調だったのに比べ、本巻はもう少し日常系になった感じです。電車の中で読んでいて、笑いをこらえきれなかったところも3カ所ほどあったくらい、作品としてこなれてきた感じです。
登場する人形はリカちゃん、創作アート、蛸のぬいぐるみ、チャシャ猫のぬいぐるみ、ボルト、マリオネット、市松、マネキン、木目込みなど。髪の伸びる市松人形はミステリアスでしたが、ほかは前巻より人形の幻想性に寄った話ではなく、人間が主体の展開が多くなっていました。
とはいっても、伝統工芸品としての人形、大量生産品としての人形、表現芸術としての人形、実用品としての人形と、取り上げるのは実に多彩です。しかしどれも人形である、その奥深さと関わる人間の心が絡み合って作られる物語の妙味が見事でした。
主人公の女性が、性格も見た目も変わったわけではないのにモテていましたが、現実的な視点で見ればけっこう魅力的な人物かもしれません。前巻からの登場人物たちの内面が深まったこともありますが、表面的なキャラクター付けでなく、抱えている業というようなところで個性が強い人が多く、人間同士、人間と人形という関係の中でドラマがふくらんでいくのです。
最終章の展開にはちょっと驚きましたが、これは幻想小説作家の本領発揮というところ。しかしこのラストは、完結を意味するのでしょうか。人間たちの関係性は収まっていないし、まだまだ続編が読みたいと思うのですが、さて…。
前巻から間を空けずに読んだので、それまでの展開を忘れることもなく、楽しむことができました。前巻がややミステリー調だったのに比べ、本巻はもう少し日常系になった感じです。電車の中で読んでいて、笑いをこらえきれなかったところも3カ所ほどあったくらい、作品としてこなれてきた感じです。
登場する人形はリカちゃん、創作アート、蛸のぬいぐるみ、チャシャ猫のぬいぐるみ、ボルト、マリオネット、市松、マネキン、木目込みなど。髪の伸びる市松人形はミステリアスでしたが、ほかは前巻より人形の幻想性に寄った話ではなく、人間が主体の展開が多くなっていました。
とはいっても、伝統工芸品としての人形、大量生産品としての人形、表現芸術としての人形、実用品としての人形と、取り上げるのは実に多彩です。しかしどれも人形である、その奥深さと関わる人間の心が絡み合って作られる物語の妙味が見事でした。
主人公の女性が、性格も見た目も変わったわけではないのにモテていましたが、現実的な視点で見ればけっこう魅力的な人物かもしれません。前巻からの登場人物たちの内面が深まったこともありますが、表面的なキャラクター付けでなく、抱えている業というようなところで個性が強い人が多く、人間同士、人間と人形という関係の中でドラマがふくらんでいくのです。
最終章の展開にはちょっと驚きましたが、これは幻想小説作家の本領発揮というところ。しかしこのラストは、完結を意味するのでしょうか。人間たちの関係性は収まっていないし、まだまだ続編が読みたいと思うのですが、さて…。
「たまさか人形堂物語」津原泰水(文藝春秋)
この続巻が本屋の新刊棚に並んでいたのを見て面白そうだと思い、まずは先の巻を手に入れました。この作者を読むのは「ブラバン」「バレエ・メカニック」に続いて3作目となりますが、いちばん読みやすくストレートに面白い1冊でした。
人形というテーマが私にとってはとても魅力的で、いろいろな人形にまつわる物語というのはこたえられないものです。熊のぬいぐるみ、チェコの人形劇、ラブドール、文楽人形、村上の古雛、青い目の人形、話のなかには大好きな(一緒に写真も撮ってもらった)プリンプリンも出てきて、悦ばしいことこの上なく。
幻想小説のカテゴリーで活躍してきた津原泰水の作風は明るいものではなく、殺人がらみなど陰鬱な雰囲気もあるのですが、ラストは前向きで楽しめる小説でした。人形というものは愛らしくも不気味な、心に幻想を掻き立てるものでありましょう、あえて小説としての世界観を構築することなくとも、人形が動いたり喋ったりすることがなくても、そのまま幻想的な小説となり得るのかもしれません。
人形もさることながら、物語を面白くしているのは登場人物の魅力でもあります。祖父から老舗の人形店を受け継いだ女性、従業員の人形職人2人、ラブドール制作会社の職人社長、資産家のコレクター…、癖の強い人たちと人形が絡み合えば、いくらでも話が創れそうです。数年経ったとはいえ、2巻目が書かれ刊行されたのは必然でありましょう。
あえて主人公を三十路の独身女性にしたところが、ライトノベルと違う方向での面白さになります。物語的には「ビブリア古書堂の事件簿」な感じなのですが、古書を出汁にした若くて美しくてミステリアスなヒロインとのロマンスにならず、人形を主体にしたストーリーの中でちょっとくたびれたヒロイン?が右往左往する現実(非ロマン)という面白さです。いや、まったく魅力がないわけではなく、情の深い愛すべきヒロインではありますが。
とにかく面白かったため、この感想を書き上げる前に続巻を手に入れて読了してしまいましたので、感想の続きもそちらに記そうと思います。
この続巻が本屋の新刊棚に並んでいたのを見て面白そうだと思い、まずは先の巻を手に入れました。この作者を読むのは「ブラバン」「バレエ・メカニック」に続いて3作目となりますが、いちばん読みやすくストレートに面白い1冊でした。
人形というテーマが私にとってはとても魅力的で、いろいろな人形にまつわる物語というのはこたえられないものです。熊のぬいぐるみ、チェコの人形劇、ラブドール、文楽人形、村上の古雛、青い目の人形、話のなかには大好きな(一緒に写真も撮ってもらった)プリンプリンも出てきて、悦ばしいことこの上なく。
幻想小説のカテゴリーで活躍してきた津原泰水の作風は明るいものではなく、殺人がらみなど陰鬱な雰囲気もあるのですが、ラストは前向きで楽しめる小説でした。人形というものは愛らしくも不気味な、心に幻想を掻き立てるものでありましょう、あえて小説としての世界観を構築することなくとも、人形が動いたり喋ったりすることがなくても、そのまま幻想的な小説となり得るのかもしれません。
人形もさることながら、物語を面白くしているのは登場人物の魅力でもあります。祖父から老舗の人形店を受け継いだ女性、従業員の人形職人2人、ラブドール制作会社の職人社長、資産家のコレクター…、癖の強い人たちと人形が絡み合えば、いくらでも話が創れそうです。数年経ったとはいえ、2巻目が書かれ刊行されたのは必然でありましょう。
あえて主人公を三十路の独身女性にしたところが、ライトノベルと違う方向での面白さになります。物語的には「ビブリア古書堂の事件簿」な感じなのですが、古書を出汁にした若くて美しくてミステリアスなヒロインとのロマンスにならず、人形を主体にしたストーリーの中でちょっとくたびれたヒロイン?が右往左往する現実(非ロマン)という面白さです。いや、まったく魅力がないわけではなく、情の深い愛すべきヒロインではありますが。
とにかく面白かったため、この感想を書き上げる前に続巻を手に入れて読了してしまいましたので、感想の続きもそちらに記そうと思います。
「撲撲少年」仁木英之(角川書店)
数多く読んできた仁木作品の中でも、素直に面白かった作品です。「撲撲」ってタイトルが、「僕僕先生」シリーズをミスリードさせる釣りじゃない?と思わせますが、しっかり中身に合っています。撲るより組み系じゃん、とか、二十歳超えてるのに少年なの、とかのツッコミどころは置いといて…。
痛さ・苦しさがよく伝わる格闘技のテクニカルな描写と、それにのめりこんでいく人物の心情描写、それをまとめる時間軸を持った物語がバランスよく書かれていて面白さになっています。長編の多い作者なので、つづく、とならないか心配しましたが…しっかり1巻にまとめ上げられていました。
描かれているのは総合格闘技、ある意味で一般人にとっては理解しにくい、現代物であって歴史物にも通ずるような異世界かもしれません。私にとっては、生で見に行ってたUWF、初期の修斗(当時はシューティング)から、パンクラスやリングス、テレビ放映が楽しみだったプライドやヒーローズと追いかけてきただけに、また余興とはいえ強い人間と闘った経験もあるだけに、細かいところまで深く共感できる物語となっていました。そして、現在の挌闘技界の状況がよくわかるのも興味深いところです。
総合格闘技作品といえば、刊行中のマンガ「オールラウンダー廻」も競技をリアルに追求していて、本作と似ている部分も多いですが、撲撲のドロドロとした人間感情が渦巻くドラマは、昔のボクシング漫画的と思えます。スポーツ主題の作品を読むと思うのですが、実のところは勝敗に向けてエゴとエゴがぶつかり合う、あまり爽やかなものではない、のかもしれません。
格闘技の要素を取り去ってみたならば、岐路に立つ主人公と鬱屈した幼なじみの暗い話ですが、主人公は挫折しているようでいながらかなり恵まれた条件が与えられていて、普通の人といいながら体力や才能もそれなりにあって、ヒロインは美しくやることに理解があって、ラストの展開で主人公が逃げ出すなんてあり得ないだろ、と思ったりもしますが、そこが総合格闘技という特殊なワンダーランドにかかると、なんとなく収まってしまう気がするので不思議です。
爽やかな、とは言い難いですが、最後にはすっきりする青春小説とは言えるでしょう。格闘家だけでなく、病院から出られないアルピニストとか、カレー屋のおばちゃんたちの魅力も大きかったと思います。
作者が空手をやっていたことは知ってましたが、本作を書くにあたってどれだけ総合格闘技を取材し、実地体験したかも伺い知ることができます。かつてリングスなどでの活躍を見ていた(そして作中人物のモデルにもなっている)高阪剛が帯で推薦しているように、なかなか他にないような格闘技小説でした。
数多く読んできた仁木作品の中でも、素直に面白かった作品です。「撲撲」ってタイトルが、「僕僕先生」シリーズをミスリードさせる釣りじゃない?と思わせますが、しっかり中身に合っています。撲るより組み系じゃん、とか、二十歳超えてるのに少年なの、とかのツッコミどころは置いといて…。
痛さ・苦しさがよく伝わる格闘技のテクニカルな描写と、それにのめりこんでいく人物の心情描写、それをまとめる時間軸を持った物語がバランスよく書かれていて面白さになっています。長編の多い作者なので、つづく、とならないか心配しましたが…しっかり1巻にまとめ上げられていました。
描かれているのは総合格闘技、ある意味で一般人にとっては理解しにくい、現代物であって歴史物にも通ずるような異世界かもしれません。私にとっては、生で見に行ってたUWF、初期の修斗(当時はシューティング)から、パンクラスやリングス、テレビ放映が楽しみだったプライドやヒーローズと追いかけてきただけに、また余興とはいえ強い人間と闘った経験もあるだけに、細かいところまで深く共感できる物語となっていました。そして、現在の挌闘技界の状況がよくわかるのも興味深いところです。
総合格闘技作品といえば、刊行中のマンガ「オールラウンダー廻」も競技をリアルに追求していて、本作と似ている部分も多いですが、撲撲のドロドロとした人間感情が渦巻くドラマは、昔のボクシング漫画的と思えます。スポーツ主題の作品を読むと思うのですが、実のところは勝敗に向けてエゴとエゴがぶつかり合う、あまり爽やかなものではない、のかもしれません。
格闘技の要素を取り去ってみたならば、岐路に立つ主人公と鬱屈した幼なじみの暗い話ですが、主人公は挫折しているようでいながらかなり恵まれた条件が与えられていて、普通の人といいながら体力や才能もそれなりにあって、ヒロインは美しくやることに理解があって、ラストの展開で主人公が逃げ出すなんてあり得ないだろ、と思ったりもしますが、そこが総合格闘技という特殊なワンダーランドにかかると、なんとなく収まってしまう気がするので不思議です。
爽やかな、とは言い難いですが、最後にはすっきりする青春小説とは言えるでしょう。格闘家だけでなく、病院から出られないアルピニストとか、カレー屋のおばちゃんたちの魅力も大きかったと思います。
作者が空手をやっていたことは知ってましたが、本作を書くにあたってどれだけ総合格闘技を取材し、実地体験したかも伺い知ることができます。かつてリングスなどでの活躍を見ていた(そして作中人物のモデルにもなっている)高阪剛が帯で推薦しているように、なかなか他にないような格闘技小説でした。
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