つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
谷山浩子コンサート40周年感謝祭
(2012年11月10日 東京国際フォーラムCホール)
15歳でシンガーソングライターとしてアルバムデビューした谷山さん、35周年の時にも行きましたが、あれからもう5年も経つのか、という感じです。かつては年に4〜5回も通った頃がありましたが、今は年に0〜2回。しかしいつまでも変わらない、いや、進化し続ける浩子さんであります。
今回は、自らの音楽人生を振り返るという自叙伝的な構成で、子供の時に作った歌から、最近の歌まで順々に21曲。王道曲が多いような気がしましたが、アンコールで2曲、さらに2度目のアンコールに応えてくれた時には、キワモノ的な「意味なしアリス」で締めて全24曲、ずっしりと聴き応えのある3時間となりました。
トークにおいては、いろいろと知らなかったこと、忘れていたことなども多く、アーティストとしての秘密にも迫る、貴重な内容を聞くことができました。作家としての側面も含めて敬愛する方ですが、常に自分の道を行くという姿勢に感銘します。それしかできないから、という言い様ではありますが、でもそれでここまで歌い続け作品を残し続けてきたのですから、常人のワガママを超越しているのだと。
1,500人収容のホールもチケット完売、年齢層はかなり高めと見受けました。なかには若い人もちらほら…ですが、このあたりはジャズのライヴ会場と似たようなものです。気になるのは、一人で来ている人が多いようなこと。私のところは夫婦ともに若い頃からの谷山ファンなので一緒に行きますが、実は万人受けする歌手ではないためでしょうか。
なぜ万人受けしないのか、それをこの日のコンサートを聴いて思えば、歌の濃密さゆえかと。1曲ずつに世界が詰まっている、どんなに軽快な曲調でも聞き流すことができない、哀しげな曲でも心地よく浸っていられない、そこがポップスの範疇からはみ出ていて、アートの分野となり感性の合わない人には居心地が悪いのかも。その濃密な音場を作るのは歌詞だけでなく、浩子さんのアルペジオで埋め尽くすピアノの弾き方にも表れているように感じます。
この日のバックはプロデューサーとしても関わってきた石井AQさんシンセ、山川恵津子さんコーラス、斉藤ネコさんバイオリン、そしてロック界から古川昌義さんギター、佐藤研二さんベース、高橋ロジャー和久さんドラムスの6人でしたが、いつも世界観をさらに深めるアレンジがされているので、人が増えても薄まることなくさらに密度を増していきます。そこが音楽好きにはたまらないのですが、音楽性の乏しい楽曲が多い世のヒットチャートの中で、耳が育っていない人にはよくわからない、のかもしれません。
一人で聴きに来ても居心地良い、感情的にも知的にも満ち足りる、ファンとしてはそんな空間を創り出し贈ってくれるのが、谷山浩子という存在であると思うのでした。
さて、この日心に残った曲を選べば、
「ほしのよる」…7歳で創った原点の歌、小さい頃からピアノをやってる子の中には、自分で作曲してみようと思う子もいます。でも、その後につながるのはごく少ない、そんな希少性。
「てんぷら☆さんらいず」…やっぱり、若き日に聴いていたオールナイトニッポンを思い出します、トークの後でしたので特に。
「ドッペル玄関」…まさに谷山浩子でしか作れない曲と詞の世界。しかしギャルゲーのテーマソングを意識して作られたとは。声優が歌ってもおもしろそうですね。
「さよならDINO」…CDで良い曲とは思っていましたが、歌詞を読み込んでなくて、恐竜の歌だったとは知らず。トークを聞いてから聴くと、また違った感触となりました。
★PRPGRAM★
<FIRST STAGE>
1.「ほしのよる」 谷山ソロ
2.「クリスマスツリー」 谷山ソロ
3.「天使のつぶやき」 谷山ソロ
4.「お早うございますの帽子屋さん」 谷山&山川
5.「カントリーガール」 谷山&山川
6.「ねこの森には帰れない」 以下、谷山&山川&AQ&斉藤
7.「たんぽぽ食べて」
8.「恋するニワトリ」
9.「まっくら森のうた」
10.「てんぷら☆さんらいず」
11.「風になれ〜みどりのために」
RECESS 15min.
<SECOND STAGE>
12.「王国」 以下、谷山&山川&AQ&斉藤&古川&佐藤&高橋
13.「海の時間」
14.「ひとりでお帰り」
15.「カイの迷宮」
16.「ドッペル玄関」
17.「さよならのかわりに」
18.「電波塔の少年」
19.「よその子」
20.「さよならDINO」
21.「NANUK」
<ENCORE>
22.「銀河通信」
23.「同じ月を見ている」
<GRATITUDE>
24.「意味なしアリス」谷山ソロ
〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜
ついでに、このブログでは公開していないので、35周年コンサートの時の感想も以下に記しておきます。もっと曲数が多かったのですね!
谷山浩子 創業三十五周年コンサート
15歳でデビューしてから35周年の浩子さん。そして私が彼女の素晴らしさを認識し、敬愛するようになってから25年。う~む。
今回のコンサートは、いつもとは違って彼女のアーティストとしての歴史を振り返るような構成と演出だったので、私のそんな25年が心に甦ってくる、そしてその時々の出来事や周囲に感じていた匂いのような感覚までが思い出される、不思議な感傷に捕らわれるステージでした。
35作以上のレコードやCDアルバムを手に入れ、初めの2年くらいはラジオ放送を毎週楽しみに聴取し、20冊近くの小説やエッセイの本を読み、30回前後のコンサートに足を運んできた…。う~む……。
毎年必ずアルバムを発表し続けている浩子さんの曲はいつも身近にあって、私の生きている時間と融合してしまっているのだとは、発表順を意識したメドレーを含めて歌われた全31曲を聴いて強く気づかされたことです。
谷山浩子抜きでは私の人生を語ることはできないと思いましたよ。尊敬する人物の一人でもあります。
コンサートとしては、浩子さんのピアノと石井AQのシンセの他に、古川昌義のギター、渡辺等のベース、山口とものドラムというバンド構成で音に生命感があふれていたし、さらにコーラスとして豪華にも岩男潤子と相曽晴日のふたりのシンガーソングライター、アンコールにはバイオリンの斎藤ネコも駆けつけて、厚みがあり楽しさが倍増するような演奏でした。
谷山浩子さんも年齢には見えないほど若々しくかわいらしいのですが(今日はけっこう遠目でした)、初めて生で見た元アイドルで人気声優の岩男潤子(遠目でしたが)、容姿も声もかわいかったです。得した気分。
場所は東京国際フォーラム、仕事関係ではよく訪れる場所ですが、コンサートでは初めて行きました。なかなか雰囲気も音も良いホールでした。

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(2012年11月10日 東京国際フォーラムCホール)
15歳でシンガーソングライターとしてアルバムデビューした谷山さん、35周年の時にも行きましたが、あれからもう5年も経つのか、という感じです。かつては年に4〜5回も通った頃がありましたが、今は年に0〜2回。しかしいつまでも変わらない、いや、進化し続ける浩子さんであります。
今回は、自らの音楽人生を振り返るという自叙伝的な構成で、子供の時に作った歌から、最近の歌まで順々に21曲。王道曲が多いような気がしましたが、アンコールで2曲、さらに2度目のアンコールに応えてくれた時には、キワモノ的な「意味なしアリス」で締めて全24曲、ずっしりと聴き応えのある3時間となりました。
トークにおいては、いろいろと知らなかったこと、忘れていたことなども多く、アーティストとしての秘密にも迫る、貴重な内容を聞くことができました。作家としての側面も含めて敬愛する方ですが、常に自分の道を行くという姿勢に感銘します。それしかできないから、という言い様ではありますが、でもそれでここまで歌い続け作品を残し続けてきたのですから、常人のワガママを超越しているのだと。
1,500人収容のホールもチケット完売、年齢層はかなり高めと見受けました。なかには若い人もちらほら…ですが、このあたりはジャズのライヴ会場と似たようなものです。気になるのは、一人で来ている人が多いようなこと。私のところは夫婦ともに若い頃からの谷山ファンなので一緒に行きますが、実は万人受けする歌手ではないためでしょうか。
なぜ万人受けしないのか、それをこの日のコンサートを聴いて思えば、歌の濃密さゆえかと。1曲ずつに世界が詰まっている、どんなに軽快な曲調でも聞き流すことができない、哀しげな曲でも心地よく浸っていられない、そこがポップスの範疇からはみ出ていて、アートの分野となり感性の合わない人には居心地が悪いのかも。その濃密な音場を作るのは歌詞だけでなく、浩子さんのアルペジオで埋め尽くすピアノの弾き方にも表れているように感じます。
この日のバックはプロデューサーとしても関わってきた石井AQさんシンセ、山川恵津子さんコーラス、斉藤ネコさんバイオリン、そしてロック界から古川昌義さんギター、佐藤研二さんベース、高橋ロジャー和久さんドラムスの6人でしたが、いつも世界観をさらに深めるアレンジがされているので、人が増えても薄まることなくさらに密度を増していきます。そこが音楽好きにはたまらないのですが、音楽性の乏しい楽曲が多い世のヒットチャートの中で、耳が育っていない人にはよくわからない、のかもしれません。
一人で聴きに来ても居心地良い、感情的にも知的にも満ち足りる、ファンとしてはそんな空間を創り出し贈ってくれるのが、谷山浩子という存在であると思うのでした。
さて、この日心に残った曲を選べば、
「ほしのよる」…7歳で創った原点の歌、小さい頃からピアノをやってる子の中には、自分で作曲してみようと思う子もいます。でも、その後につながるのはごく少ない、そんな希少性。
「てんぷら☆さんらいず」…やっぱり、若き日に聴いていたオールナイトニッポンを思い出します、トークの後でしたので特に。
「ドッペル玄関」…まさに谷山浩子でしか作れない曲と詞の世界。しかしギャルゲーのテーマソングを意識して作られたとは。声優が歌ってもおもしろそうですね。
「さよならDINO」…CDで良い曲とは思っていましたが、歌詞を読み込んでなくて、恐竜の歌だったとは知らず。トークを聞いてから聴くと、また違った感触となりました。
★PRPGRAM★
<FIRST STAGE>
1.「ほしのよる」 谷山ソロ
2.「クリスマスツリー」 谷山ソロ
3.「天使のつぶやき」 谷山ソロ
4.「お早うございますの帽子屋さん」 谷山&山川
5.「カントリーガール」 谷山&山川
6.「ねこの森には帰れない」 以下、谷山&山川&AQ&斉藤
7.「たんぽぽ食べて」
8.「恋するニワトリ」
9.「まっくら森のうた」
10.「てんぷら☆さんらいず」
11.「風になれ〜みどりのために」
RECESS 15min.
<SECOND STAGE>
12.「王国」 以下、谷山&山川&AQ&斉藤&古川&佐藤&高橋
13.「海の時間」
14.「ひとりでお帰り」
15.「カイの迷宮」
16.「ドッペル玄関」
17.「さよならのかわりに」
18.「電波塔の少年」
19.「よその子」
20.「さよならDINO」
21.「NANUK」
<ENCORE>
22.「銀河通信」
23.「同じ月を見ている」
<GRATITUDE>
24.「意味なしアリス」谷山ソロ
〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜・〜〜
ついでに、このブログでは公開していないので、35周年コンサートの時の感想も以下に記しておきます。もっと曲数が多かったのですね!
谷山浩子 創業三十五周年コンサート
15歳でデビューしてから35周年の浩子さん。そして私が彼女の素晴らしさを認識し、敬愛するようになってから25年。う~む。
今回のコンサートは、いつもとは違って彼女のアーティストとしての歴史を振り返るような構成と演出だったので、私のそんな25年が心に甦ってくる、そしてその時々の出来事や周囲に感じていた匂いのような感覚までが思い出される、不思議な感傷に捕らわれるステージでした。
35作以上のレコードやCDアルバムを手に入れ、初めの2年くらいはラジオ放送を毎週楽しみに聴取し、20冊近くの小説やエッセイの本を読み、30回前後のコンサートに足を運んできた…。う~む……。
毎年必ずアルバムを発表し続けている浩子さんの曲はいつも身近にあって、私の生きている時間と融合してしまっているのだとは、発表順を意識したメドレーを含めて歌われた全31曲を聴いて強く気づかされたことです。
谷山浩子抜きでは私の人生を語ることはできないと思いましたよ。尊敬する人物の一人でもあります。
コンサートとしては、浩子さんのピアノと石井AQのシンセの他に、古川昌義のギター、渡辺等のベース、山口とものドラムというバンド構成で音に生命感があふれていたし、さらにコーラスとして豪華にも岩男潤子と相曽晴日のふたりのシンガーソングライター、アンコールにはバイオリンの斎藤ネコも駆けつけて、厚みがあり楽しさが倍増するような演奏でした。
谷山浩子さんも年齢には見えないほど若々しくかわいらしいのですが(今日はけっこう遠目でした)、初めて生で見た元アイドルで人気声優の岩男潤子(遠目でしたが)、容姿も声もかわいかったです。得した気分。
場所は東京国際フォーラム、仕事関係ではよく訪れる場所ですが、コンサートでは初めて行きました。なかなか雰囲気も音も良いホールでした。

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「ビアンカ・オーバースタディ」筒井康隆(星海社FICTIONS)

筒井の小説を読むのは、たぶんはじめてです。「時をかける少女」はNHKの少年ドラマで、「ジャズ大名」はテレビ放映された映画で、「家族八景」は清原なつのの漫画で楽しんだ程度。「続・時をかける少女」は子供の頃に読みましたが、筒井氏の作ではなかったですから。
ですが、77歳の作者がライトのベルを書いたという興味、ついでに、いとうのいぢの萌え萌えなイラスト付きという仕様につられて買ってしまいました。
なので、これまでの筒井作品とどこがどう違うかはわからないのです。ついでにラノベもアニメ化されたものの世界観は知っていても小説自体ほとんど読んでないのですが、なるほど、筒井康隆らしい、ラノベっぽい作品だということは感じられました。
※以下、少しネタバレ含みますが…
宇宙人や未来人いらっしゃいの涼宮はるひのようなヒロインが、放課後の実験室でタイムトラベル。人類は衰退しましたな未来では、昔のドラマで見たケン・ソゴル的雰囲気がすごく感じられます。
そして、美少女3人美少年1人というラノベ的な人物配置に、大御所ならではの文学的実験性も多少織り込みながら、ハッキリしたキャラクター&エピソードで楽しく読ませる作品に仕上がっていました。
ただ、これはラノベなのかというと、実は他のラノベ作家の作品もそうなのかもしれませんが、ラノベを意識した筒井作品。執筆からは時間が経ったようですが、前年の大震災以降に出版されたということで、作品のメッセージ性が作者の狙い以上にオモテに出たように感じられます。
エロ的なところは生命観。未来の人類は文明観。美少女は現代風俗の象徴。それらの素材をあっさりと料理したら、軽食ならぬ軽小説になりました、でもカロリーは高めで少しもたれます、という感じに。
などと言っても、結局のところ一番の見所は、ヒロインのビアンカであることは間違いないでありましょう。筒井氏も、美少女を書きたいと思ってこの作品ができたのではないでしょうか。現代風の、大らかで、活動的で、好奇心が強く、自他ともに認める美しい少女像を、後期高齢者のおじいさんの目で描いたら、こうなりましたと。でも爺になっても、気持ちは思春期の頃と変わらないよと主張してるように思えて、なんか嬉しくなりました。
筒井の小説を読むのは、たぶんはじめてです。「時をかける少女」はNHKの少年ドラマで、「ジャズ大名」はテレビ放映された映画で、「家族八景」は清原なつのの漫画で楽しんだ程度。「続・時をかける少女」は子供の頃に読みましたが、筒井氏の作ではなかったですから。
ですが、77歳の作者がライトのベルを書いたという興味、ついでに、いとうのいぢの萌え萌えなイラスト付きという仕様につられて買ってしまいました。
なので、これまでの筒井作品とどこがどう違うかはわからないのです。ついでにラノベもアニメ化されたものの世界観は知っていても小説自体ほとんど読んでないのですが、なるほど、筒井康隆らしい、ラノベっぽい作品だということは感じられました。
※以下、少しネタバレ含みますが…
宇宙人や未来人いらっしゃいの涼宮はるひのようなヒロインが、放課後の実験室でタイムトラベル。人類は衰退しましたな未来では、昔のドラマで見たケン・ソゴル的雰囲気がすごく感じられます。
そして、美少女3人美少年1人というラノベ的な人物配置に、大御所ならではの文学的実験性も多少織り込みながら、ハッキリしたキャラクター&エピソードで楽しく読ませる作品に仕上がっていました。
ただ、これはラノベなのかというと、実は他のラノベ作家の作品もそうなのかもしれませんが、ラノベを意識した筒井作品。執筆からは時間が経ったようですが、前年の大震災以降に出版されたということで、作品のメッセージ性が作者の狙い以上にオモテに出たように感じられます。
エロ的なところは生命観。未来の人類は文明観。美少女は現代風俗の象徴。それらの素材をあっさりと料理したら、軽食ならぬ軽小説になりました、でもカロリーは高めで少しもたれます、という感じに。
などと言っても、結局のところ一番の見所は、ヒロインのビアンカであることは間違いないでありましょう。筒井氏も、美少女を書きたいと思ってこの作品ができたのではないでしょうか。現代風の、大らかで、活動的で、好奇心が強く、自他ともに認める美しい少女像を、後期高齢者のおじいさんの目で描いたら、こうなりましたと。でも爺になっても、気持ちは思春期の頃と変わらないよと主張してるように思えて、なんか嬉しくなりました。
前日に続いて聞きに行った横浜ジャズプロムナードの2日目。
今年も2日間で10のステージを制覇しましたが、聴いている時間の合計が12時間くらい、待ち時間入れれば17時間くらい?座っているので、きついのはお尻、そして首や腰の痛み。それでも、せっかくの機会ですしできるだけ多く聴きたくて、ついつい頑張ってしまいます。
2日目・10月7日
■ハクエイ・キム トライソニーク 横浜市開港記念会館
女性に大人気(と紹介されていた)ハクエイ・キムさん、その韓流スターのようなルックスと相まって、やさしい感じのピアノ演奏、オリジナル曲もセンスが良く、人気の出るのが頷けました。開港記念館ホールの雰囲気にもぴったり。
ピアノが繊細で優しいところを、ドラムがアグレッシブに盛り立ていて、サラっと聞き流すのではない刺激もあり、また生ピアノにエフェクターを使っているのも珍しく効果的で、良い演奏でした。
【メンバー】ハクエイ・キム(P)、杉本智和(b)、大槻KALTA英宣(ds)
■パスカル・シューマッハ カルテット 関内ホール 小ホール
ルクセンブルグから来日したカルテット、西欧らしい洗練された音楽性が光っていました。
美しい音を奏でるヴィブラホンとグロッケンですが、とても個性的で引き込まれます。そしてアンサンブルも適度な緊張感があり良い感じ。
言葉にするのは難しいのですが、よくぞ来てくれた、そして聴けて嬉しかったと思わされる異国のバンドでした。
【メンバー】パスカル・シューマッハ(vib)、フランツ・フォン・ショシー(P)、
クリストフ・デヴィシェール(b)、ジェンズ・ドゥッペ(ds)
■徳田雄一郎 RALYZZDIG ヨコハマNEWSハーバー
紹介文の疾走感に惹かれて聴きに行きましたが、割とスローな曲も多く、演奏スタイルも曲も個性的という感じではなかっとで、少し期待はずれの感もありました。自分の音楽をしっかりと聴かせるという姿勢を強く感じるので、決して悪くはありませんが、私にはちょっと合わなかったのかも。
サックスがリーダーのバンドとして、次の早坂さんと比べてしまうのですが、もう少し曲ごとにスタイルを崩した感じがあると面白くなるのかもしれません。
【メンバー】徳田雄一郎(as, vo)、鈴木直人(g)、
中村薫平(b)、今泉総之輔(ds)
■早坂紗知 Minga Special Unit ヨコハマNEWSハーバー
次のステージとの間が短くなるので、今年は聴くのを諦めようかと思ったのですが、メンバーを見て絶対聴かなくてはと。仙波師匠の盛り上げる太鼓は大好きだし、赤木さんのフルートも聴いてみたいし、バイオリンが入っているのは魅力的だし、Rioって早坂さんの息子さん?…これまで何度か聴いてきたメンバーと違ったので、興味深かったのです。
そして、期待以上に素晴らしかった。あいかわらず格好良く吹きまくる早坂さん、共演者を乗せまくる仙波さん、さらにフルートやバイオリンのようにメロディ重視の楽器が入ることで、これまで聴いてきたリズムが先に立っていた感じからさらに、音楽性が高まったように思えました。
【メンバー】早坂紗知(ts,ss)、RIO(bs)、高橋香織(vln)、
吉田桂一(p)、永田利樹(b)、仙波清彦(per)
■板橋文夫FIT! &オーケストラ 関内ホール 大ホール
前日の若手を集めたフレッシュな演奏と比べてどうだろう、と少し意地悪な見方をしましたが…さすがに百戦錬磨のメンバー揃い、そして新曲も多くて、刺激的なステージでした。
まず第1部「FIT」トリオの演奏、瀬尾さんのベースがすごく進化していて、音楽家としての底の深さに気付かせてもらいました。これまでは若手を板橋さんが育ててる的にも見えていたのですが、もうすっかり対等に井野信義さんも超えたかと思わされる演奏でした。ドラムも堂々と自分のスタイルでぶつかってきている印象。そして、板橋さんも生き生きとして「渡良瀬」を熱唱するなど、エネルギッシュでした。どちらかと言えば、オーケストラよりもソロからカルテッドくらいの編成の方が好きかな。
【メンバー】板橋文夫(p)、瀬尾高志(b)、竹村一哲(ds)
しかし第2部、横浜ジャズプロムナードならではのオーケストラになれば、これまたまったく別の味が出てくるわけで。音の迫力だけでなく、参加する人の数が増えれば個性のぶつかり合いも激しくなり、混沌の中から生み出される世界は実に創造的、そこにジャズというジャンルの可能性を感じるわけです。
特に、反原発をテーマにした忌野清志郎の「ラブミーテンダー」を熱唱した板橋さんとそれを高らかに奏であげた全員の熱い演奏は、心に響くものでした。原発に関しては、経済界とかいう人間性を無視する人たちが危機感を煽ってなんとか存続させようと働きかけていますが、もう単純に考えれば誰も責任をもてない施設の存続なんてあり得ないはずで、理屈で伝えるのではない音楽というのが、いちばん素直に表現できるのではないかと思いました。多くの人に聴いてもらいたいものです。
昨年は少しマンネリ化を避けるために他のステージを聴きに行ってしましましたが、2年ぶりの板橋ワールドは文句なしに感動的で人生の活力を入れてもらいました。
【メンバー】板橋文夫(p)、類家心平(tp)、福村博(tb)、
林栄一(as)、片山広明(ts)、吉田隆一(bs)、太田恵資(vln)、
瀬尾高志(b)、小山彰太(ds)、竹村一哲(ds)、外山明(per)、
菅原昇司(tb)、堀越千秋(ライブペインティング)
実は終わった後に、板橋さんやディレクターの柴田さんたちとお話できる幸運に恵まれ、このイベントがどれだけ熱い想いで作られているかを知ることができました。ここ数年、資金難というようなこともプログラムに書かれていたりしましたが、送り手の想いと聴きに行くファンの想いの力で、ずっと続いて行ってほしいと、強く思いました。
それには、昨年の記事にも書きましたが、もっと若い人が魅力を感じて来てもらえるようにする必要があるでしょう。ジャズ以外のジャンルからでも、若い人に人気があって、でも音楽性に優れているミュージシャンを起用して、ジャズと融合できるような企画で…初期のジャズプロムナードではありましたが、そんなアイデアもあると良いかな。
では、それって誰だろう…なんて考えてみながら、音楽会を見渡すのも楽しいなぁと思っています。
当ブログの関連記事
■横濱JAZZ PROMENADE 2012・1日目
■横濱Jazz Promenade 2011 観覧雑記
今年も2日間で10のステージを制覇しましたが、聴いている時間の合計が12時間くらい、待ち時間入れれば17時間くらい?座っているので、きついのはお尻、そして首や腰の痛み。それでも、せっかくの機会ですしできるだけ多く聴きたくて、ついつい頑張ってしまいます。
2日目・10月7日
■ハクエイ・キム トライソニーク 横浜市開港記念会館
女性に大人気(と紹介されていた)ハクエイ・キムさん、その韓流スターのようなルックスと相まって、やさしい感じのピアノ演奏、オリジナル曲もセンスが良く、人気の出るのが頷けました。開港記念館ホールの雰囲気にもぴったり。
ピアノが繊細で優しいところを、ドラムがアグレッシブに盛り立ていて、サラっと聞き流すのではない刺激もあり、また生ピアノにエフェクターを使っているのも珍しく効果的で、良い演奏でした。
【メンバー】ハクエイ・キム(P)、杉本智和(b)、大槻KALTA英宣(ds)
■パスカル・シューマッハ カルテット 関内ホール 小ホール
ルクセンブルグから来日したカルテット、西欧らしい洗練された音楽性が光っていました。
美しい音を奏でるヴィブラホンとグロッケンですが、とても個性的で引き込まれます。そしてアンサンブルも適度な緊張感があり良い感じ。
言葉にするのは難しいのですが、よくぞ来てくれた、そして聴けて嬉しかったと思わされる異国のバンドでした。
【メンバー】パスカル・シューマッハ(vib)、フランツ・フォン・ショシー(P)、
クリストフ・デヴィシェール(b)、ジェンズ・ドゥッペ(ds)
■徳田雄一郎 RALYZZDIG ヨコハマNEWSハーバー
紹介文の疾走感に惹かれて聴きに行きましたが、割とスローな曲も多く、演奏スタイルも曲も個性的という感じではなかっとで、少し期待はずれの感もありました。自分の音楽をしっかりと聴かせるという姿勢を強く感じるので、決して悪くはありませんが、私にはちょっと合わなかったのかも。
サックスがリーダーのバンドとして、次の早坂さんと比べてしまうのですが、もう少し曲ごとにスタイルを崩した感じがあると面白くなるのかもしれません。
【メンバー】徳田雄一郎(as, vo)、鈴木直人(g)、
中村薫平(b)、今泉総之輔(ds)
■早坂紗知 Minga Special Unit ヨコハマNEWSハーバー
次のステージとの間が短くなるので、今年は聴くのを諦めようかと思ったのですが、メンバーを見て絶対聴かなくてはと。仙波師匠の盛り上げる太鼓は大好きだし、赤木さんのフルートも聴いてみたいし、バイオリンが入っているのは魅力的だし、Rioって早坂さんの息子さん?…これまで何度か聴いてきたメンバーと違ったので、興味深かったのです。
そして、期待以上に素晴らしかった。あいかわらず格好良く吹きまくる早坂さん、共演者を乗せまくる仙波さん、さらにフルートやバイオリンのようにメロディ重視の楽器が入ることで、これまで聴いてきたリズムが先に立っていた感じからさらに、音楽性が高まったように思えました。
【メンバー】早坂紗知(ts,ss)、RIO(bs)、高橋香織(vln)、
吉田桂一(p)、永田利樹(b)、仙波清彦(per)
■板橋文夫FIT! &オーケストラ 関内ホール 大ホール
前日の若手を集めたフレッシュな演奏と比べてどうだろう、と少し意地悪な見方をしましたが…さすがに百戦錬磨のメンバー揃い、そして新曲も多くて、刺激的なステージでした。
まず第1部「FIT」トリオの演奏、瀬尾さんのベースがすごく進化していて、音楽家としての底の深さに気付かせてもらいました。これまでは若手を板橋さんが育ててる的にも見えていたのですが、もうすっかり対等に井野信義さんも超えたかと思わされる演奏でした。ドラムも堂々と自分のスタイルでぶつかってきている印象。そして、板橋さんも生き生きとして「渡良瀬」を熱唱するなど、エネルギッシュでした。どちらかと言えば、オーケストラよりもソロからカルテッドくらいの編成の方が好きかな。
【メンバー】板橋文夫(p)、瀬尾高志(b)、竹村一哲(ds)
しかし第2部、横浜ジャズプロムナードならではのオーケストラになれば、これまたまったく別の味が出てくるわけで。音の迫力だけでなく、参加する人の数が増えれば個性のぶつかり合いも激しくなり、混沌の中から生み出される世界は実に創造的、そこにジャズというジャンルの可能性を感じるわけです。
特に、反原発をテーマにした忌野清志郎の「ラブミーテンダー」を熱唱した板橋さんとそれを高らかに奏であげた全員の熱い演奏は、心に響くものでした。原発に関しては、経済界とかいう人間性を無視する人たちが危機感を煽ってなんとか存続させようと働きかけていますが、もう単純に考えれば誰も責任をもてない施設の存続なんてあり得ないはずで、理屈で伝えるのではない音楽というのが、いちばん素直に表現できるのではないかと思いました。多くの人に聴いてもらいたいものです。
昨年は少しマンネリ化を避けるために他のステージを聴きに行ってしましましたが、2年ぶりの板橋ワールドは文句なしに感動的で人生の活力を入れてもらいました。
【メンバー】板橋文夫(p)、類家心平(tp)、福村博(tb)、
林栄一(as)、片山広明(ts)、吉田隆一(bs)、太田恵資(vln)、
瀬尾高志(b)、小山彰太(ds)、竹村一哲(ds)、外山明(per)、
菅原昇司(tb)、堀越千秋(ライブペインティング)
実は終わった後に、板橋さんやディレクターの柴田さんたちとお話できる幸運に恵まれ、このイベントがどれだけ熱い想いで作られているかを知ることができました。ここ数年、資金難というようなこともプログラムに書かれていたりしましたが、送り手の想いと聴きに行くファンの想いの力で、ずっと続いて行ってほしいと、強く思いました。
それには、昨年の記事にも書きましたが、もっと若い人が魅力を感じて来てもらえるようにする必要があるでしょう。ジャズ以外のジャンルからでも、若い人に人気があって、でも音楽性に優れているミュージシャンを起用して、ジャズと融合できるような企画で…初期のジャズプロムナードではありましたが、そんなアイデアもあると良いかな。
では、それって誰だろう…なんて考えてみながら、音楽会を見渡すのも楽しいなぁと思っています。
当ブログの関連記事
■横濱JAZZ PROMENADE 2012・1日目
■横濱Jazz Promenade 2011 観覧雑記
今年もやって来ました横浜ジャズプロムナードの季節。
1993年より毎年開催されてきて、20回目の記念回となりましたが、
聴きに行く私も20年皆勤となります。
ちょうど日本のジャズにのめり込み始めていた時期と重なり、
とても幸運だったと思います。
1日目・10月6日
■続木ブラザーズ&太田恵資 関内ホール 小ホール
顔そっくりのご兄弟に、太田恵資がピッタリはまるルックス…美しくはありませんが(笑)良い雰囲気です。楽器編成が面白くて相性もよく、それを活かす曲のプログラムも抜群でした。エリントン、サッチモ、中東風、ピアソラ、最後はロリンズ。それを楽しそうに演奏するアンサンブルに、ステージは最後までハッピー感であふれてました。
【メンバー】続木徹(p)、続木力(hca)、太田恵資(vln)
■JATP MODERN 板橋文夫 YOUNG LIONS 関内ホール 大ホール
板橋文夫が1日目の大ホールにも登場。いつもの息のあったメンバーとのステージはもちろん素晴らしいけれど、板橋音楽は刺激が強いだけに少しマンネリ感もあり、平均年齢30歳という若手ミュージシャンを率いてのステージは、大きな期待感を持って聴きに行きました。
結果、期待以上のものを聴かせていただけました。板橋さんにポテンシャルを引き出されたフレッシュなミュージシャンたち、自由にのびのびと自分の個性を発揮します。特にチューバのソロが素晴らしかったです。
マンネリ化を打開しなければいけないのは、ジャズプロムナード自体の課題でもあると思うので、第一回からずっと中心にいた板橋さんが、こうして後輩を育てる役目を担ってくれたのは頼もしく、来年からもお願いしたいところで。しかし、今日の演奏に明日のメンバーがそれ以上のものを聴かせてくれるのか!?戦いですね。
【メンバー】板橋文夫(p)、川嶋哲郎(ts)、立花秀輝(as)、松井宏樹(as)、平山満(ts)、
石川広行(tp)、菅原昇司(tb)、高岡大祐(tub)、瀬尾高志(b)、竹村一哲(ds)
■塚原小太郎トリオ 関内ホール 小ホール
塚原小太郎って知らなくて、特に期待してなかったステージでしたが、良い意味で裏切られました。こういう、上手くて初老だけどカッコいいトリオを聴かされると本当に嬉しくなります。スピード感あふれて退屈しない演奏。
に、くるみ割り人形からの2曲は良かった!クラシックをジャズ化して聴かせるのが得意なようですが、表面的なスタイルを変えるのではなく、しっかり原曲の良さをわかってやられるような感じにしびれてしまいました。
【メンバー】塚原小太郎(p)、古里純一(b)、守新治(ds)
■鬼武みゆき with FRIENDS 関内ホール 小ホール
これまで何度か聴いてきた鬼武さんですが、今回はメンバーが違っていて、曲もオリジナルだけでなく、スタンダードやクラシックの曲でもメンバーの持ち味に合わせたアレンジとなっていて、とても新鮮でした。
フルートの赤木さん、名前はこれまでも見かけてましたが、とても力強い演奏。私もフルートを吹くのですが迫力出すのが難しい楽器なので、感動的でした。そしてスペシャルゲストの揚琴奏者。あのスピード感、エスニック感、そしてジャズにもなる幅の広さを魅せつけてくれました。
もちろん鬼武さん、細い体から力強くも繊細に美しいピアノは、オリジナル曲でなくてもこの人だけの音楽となります。最前列のピアノ前に席を取れましたので、手の動きも全部見えたので余計に感じられたことです。
【メンバー】鬼武みゆき(p)、赤木りえ(fl)、中西俊博(vln)、金亜軍(揚琴)
■田中信正/林正樹 DUO 関内ホール 小ホール
ピアノデュオというので2台のピアノかと思ったら、1台のピアノでの連弾でした!
田中さんは以前にも聴いたことがありましたが、林さんは初めて。この二人、ルックスのタイプは違いますが人の雰囲気は似ていますね。すごく仲良さそうに体をくっつけるように1台のピアノを弾く様は、腐女子の方には妙な妄想をされそうでイヤですが、高度な音楽性で緊張感を持ってしかるべき難曲が多いのにリラックスして気持よく聴くことができました。
【メンバー】田中信正(p)、林正樹(p)
さて、2日目も聴きに行きますので、明日に続く、です。
1993年より毎年開催されてきて、20回目の記念回となりましたが、
聴きに行く私も20年皆勤となります。
ちょうど日本のジャズにのめり込み始めていた時期と重なり、
とても幸運だったと思います。
1日目・10月6日
■続木ブラザーズ&太田恵資 関内ホール 小ホール
顔そっくりのご兄弟に、太田恵資がピッタリはまるルックス…美しくはありませんが(笑)良い雰囲気です。楽器編成が面白くて相性もよく、それを活かす曲のプログラムも抜群でした。エリントン、サッチモ、中東風、ピアソラ、最後はロリンズ。それを楽しそうに演奏するアンサンブルに、ステージは最後までハッピー感であふれてました。
【メンバー】続木徹(p)、続木力(hca)、太田恵資(vln)
■JATP MODERN 板橋文夫 YOUNG LIONS 関内ホール 大ホール
板橋文夫が1日目の大ホールにも登場。いつもの息のあったメンバーとのステージはもちろん素晴らしいけれど、板橋音楽は刺激が強いだけに少しマンネリ感もあり、平均年齢30歳という若手ミュージシャンを率いてのステージは、大きな期待感を持って聴きに行きました。
結果、期待以上のものを聴かせていただけました。板橋さんにポテンシャルを引き出されたフレッシュなミュージシャンたち、自由にのびのびと自分の個性を発揮します。特にチューバのソロが素晴らしかったです。
マンネリ化を打開しなければいけないのは、ジャズプロムナード自体の課題でもあると思うので、第一回からずっと中心にいた板橋さんが、こうして後輩を育てる役目を担ってくれたのは頼もしく、来年からもお願いしたいところで。しかし、今日の演奏に明日のメンバーがそれ以上のものを聴かせてくれるのか!?戦いですね。
【メンバー】板橋文夫(p)、川嶋哲郎(ts)、立花秀輝(as)、松井宏樹(as)、平山満(ts)、
石川広行(tp)、菅原昇司(tb)、高岡大祐(tub)、瀬尾高志(b)、竹村一哲(ds)
■塚原小太郎トリオ 関内ホール 小ホール
塚原小太郎って知らなくて、特に期待してなかったステージでしたが、良い意味で裏切られました。こういう、上手くて初老だけどカッコいいトリオを聴かされると本当に嬉しくなります。スピード感あふれて退屈しない演奏。
に、くるみ割り人形からの2曲は良かった!クラシックをジャズ化して聴かせるのが得意なようですが、表面的なスタイルを変えるのではなく、しっかり原曲の良さをわかってやられるような感じにしびれてしまいました。
【メンバー】塚原小太郎(p)、古里純一(b)、守新治(ds)
■鬼武みゆき with FRIENDS 関内ホール 小ホール
これまで何度か聴いてきた鬼武さんですが、今回はメンバーが違っていて、曲もオリジナルだけでなく、スタンダードやクラシックの曲でもメンバーの持ち味に合わせたアレンジとなっていて、とても新鮮でした。
フルートの赤木さん、名前はこれまでも見かけてましたが、とても力強い演奏。私もフルートを吹くのですが迫力出すのが難しい楽器なので、感動的でした。そしてスペシャルゲストの揚琴奏者。あのスピード感、エスニック感、そしてジャズにもなる幅の広さを魅せつけてくれました。
もちろん鬼武さん、細い体から力強くも繊細に美しいピアノは、オリジナル曲でなくてもこの人だけの音楽となります。最前列のピアノ前に席を取れましたので、手の動きも全部見えたので余計に感じられたことです。
【メンバー】鬼武みゆき(p)、赤木りえ(fl)、中西俊博(vln)、金亜軍(揚琴)
■田中信正/林正樹 DUO 関内ホール 小ホール
ピアノデュオというので2台のピアノかと思ったら、1台のピアノでの連弾でした!
田中さんは以前にも聴いたことがありましたが、林さんは初めて。この二人、ルックスのタイプは違いますが人の雰囲気は似ていますね。すごく仲良さそうに体をくっつけるように1台のピアノを弾く様は、腐女子の方には妙な妄想をされそうでイヤですが、高度な音楽性で緊張感を持ってしかるべき難曲が多いのにリラックスして気持よく聴くことができました。
【メンバー】田中信正(p)、林正樹(p)
さて、2日目も聴きに行きますので、明日に続く、です。
「超ジャズ入門」中山康樹(集英社新書) 
発行は10年以上前の本なので、今の時代とずれたかもしれませんが、それは置いといて…。
これまでの、一様にジャズの歴史から講釈する入門書に書かれている聴き方を否定する最初の切り口、これは共感するところが大きかったですが、それ以降は私がジャズに入っていった道程と全然違っていました。
日本のジャズは聴く必要がない、ライヴよりも音盤として遺されている名演を聴くべき、ディスクのコレクションは100枚までにすべし、というような内容にはちょっと……閉口してしまいました。日本人の感性にいちばん合うのは、やはり日本人の演奏だと思うし、(人によってはロシアだったりアフリカだったりアジアだったりもするでしょう…)聴くだけでなく生で見るということが、どれだけジャズの面白さに気付くことか、そうした視点が抜けている感じです。 それは、筆者が洋楽から音楽を聴き始めたからなのでしょうか。
同じような人にとっては、この入門書はバイブルになるかもしれませんが、最近は英米のロックばかり聴いてますという人も、あまり多くないのではないかと思われます。ヒップホップとか主流に乗ってきて、音楽を聴きたいという人を遠ざけているような…。 筆者が言いたいのは、マイルスとブルーノートさえ聴いてれば良いという結論のようですが、まぁ、私もそちらはあまり聴いてないので紹介されたディスクを聴いてみたいとは思いました。
しかし、入門書としてはジャズの間口を狭めている感じで残念です。 そして、矛盾を感じます。なぜ日本人のジャズはだめなのか?ジャズはアメリカのものだから、日本人プレイヤーにその本質はつかめないから、と言われるのでしょう。だとしたら、マイルスをわかったつもりで聴いていても、日本人は皆(筆者も含め)その本質を理解すること不可能、ということになってしまいます。 現代のジャズはだめだ、昔の名盤だけ聴いていれば良い?それも、アメリカの今のジャズを聴くと私も独創性の少なさに退屈を感じますが、しかしアメリカ以外の世界のジャズに触れれば、独創性と刺激に満ちていうことに気付くと思います。
それも、ジャズを狭いエリアでとらえているからでしょう。マイルスをリスペクトしているミュージシャンが、そのスタイルを至上のものとして踏襲している限り、本家を超えることができないというのはわかります。(絶対に超えられないとは言い切れませんが)ブルーノートには変遷してきたジャズの歴史が刻まれている、ある時代まではそうかもしれません、しかしジャズはもっと自由に広がっているのです。
ちなみに私の場合は、クラシック、現代音楽、ロック、民族音楽、日本のニューミュージックなどを幅広く聴いて育って、ジャズの入り口となったのもアメリカものではなく、ガトーやダラーといった第三世界のミュージシャンでした。最初がマイルだったら、あまり興味を惹かれなかったような気もします。 その後はアメリカものも少しは聴きましたが、日本人のフリージャズ系を音盤だけでなくライブでも聴くことが多かったので、その奔放な音楽性にすっかり魅せられたわけです。
マイルスを生で見聴きすることは不可能ですから、たぶん、どんなに素晴らしい音源でも、さらにビデオ映像があったとしても、今の時代の音楽として感動することはできないと思うのです。 筆者はジャズ誌の編集長をされていた方ですので、矛盾もなにも当然わかって書いているのでしょう。最初のCDの選び方など、真の初心者にとっては良いのではないかと思いました。
事前知識からではなく直感で選んだものは、失敗もあるけれど愛着が強くなります。 そんなわけで、この本は今までになかった、ジャズの敷居を下げる入門書として価値があるでしょうが、ある程度ジャズを理解できる素養ができた人、最初から音楽的な素養が高い人は、すぐにこの本の教えを忘れて、個々のジャズの楽しみ方を見つけるのが良いかと思います。
発行は10年以上前の本なので、今の時代とずれたかもしれませんが、それは置いといて…。
これまでの、一様にジャズの歴史から講釈する入門書に書かれている聴き方を否定する最初の切り口、これは共感するところが大きかったですが、それ以降は私がジャズに入っていった道程と全然違っていました。
日本のジャズは聴く必要がない、ライヴよりも音盤として遺されている名演を聴くべき、ディスクのコレクションは100枚までにすべし、というような内容にはちょっと……閉口してしまいました。日本人の感性にいちばん合うのは、やはり日本人の演奏だと思うし、(人によってはロシアだったりアフリカだったりアジアだったりもするでしょう…)聴くだけでなく生で見るということが、どれだけジャズの面白さに気付くことか、そうした視点が抜けている感じです。 それは、筆者が洋楽から音楽を聴き始めたからなのでしょうか。
同じような人にとっては、この入門書はバイブルになるかもしれませんが、最近は英米のロックばかり聴いてますという人も、あまり多くないのではないかと思われます。ヒップホップとか主流に乗ってきて、音楽を聴きたいという人を遠ざけているような…。 筆者が言いたいのは、マイルスとブルーノートさえ聴いてれば良いという結論のようですが、まぁ、私もそちらはあまり聴いてないので紹介されたディスクを聴いてみたいとは思いました。
しかし、入門書としてはジャズの間口を狭めている感じで残念です。 そして、矛盾を感じます。なぜ日本人のジャズはだめなのか?ジャズはアメリカのものだから、日本人プレイヤーにその本質はつかめないから、と言われるのでしょう。だとしたら、マイルスをわかったつもりで聴いていても、日本人は皆(筆者も含め)その本質を理解すること不可能、ということになってしまいます。 現代のジャズはだめだ、昔の名盤だけ聴いていれば良い?それも、アメリカの今のジャズを聴くと私も独創性の少なさに退屈を感じますが、しかしアメリカ以外の世界のジャズに触れれば、独創性と刺激に満ちていうことに気付くと思います。
それも、ジャズを狭いエリアでとらえているからでしょう。マイルスをリスペクトしているミュージシャンが、そのスタイルを至上のものとして踏襲している限り、本家を超えることができないというのはわかります。(絶対に超えられないとは言い切れませんが)ブルーノートには変遷してきたジャズの歴史が刻まれている、ある時代まではそうかもしれません、しかしジャズはもっと自由に広がっているのです。
ちなみに私の場合は、クラシック、現代音楽、ロック、民族音楽、日本のニューミュージックなどを幅広く聴いて育って、ジャズの入り口となったのもアメリカものではなく、ガトーやダラーといった第三世界のミュージシャンでした。最初がマイルだったら、あまり興味を惹かれなかったような気もします。 その後はアメリカものも少しは聴きましたが、日本人のフリージャズ系を音盤だけでなくライブでも聴くことが多かったので、その奔放な音楽性にすっかり魅せられたわけです。
マイルスを生で見聴きすることは不可能ですから、たぶん、どんなに素晴らしい音源でも、さらにビデオ映像があったとしても、今の時代の音楽として感動することはできないと思うのです。 筆者はジャズ誌の編集長をされていた方ですので、矛盾もなにも当然わかって書いているのでしょう。最初のCDの選び方など、真の初心者にとっては良いのではないかと思いました。
事前知識からではなく直感で選んだものは、失敗もあるけれど愛着が強くなります。 そんなわけで、この本は今までになかった、ジャズの敷居を下げる入門書として価値があるでしょうが、ある程度ジャズを理解できる素養ができた人、最初から音楽的な素養が高い人は、すぐにこの本の教えを忘れて、個々のジャズの楽しみ方を見つけるのが良いかと思います。
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HN:
つばめろま〜な
性別:
男性
趣味:
絵・音・文・歩
自己紹介:
長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
■マンガ作品 COMEE
http://www.comee.jp/userinfo.php?userid=1142
■イラスト作品 pixiv
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