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「超ジャズ入門」中山康樹(集英社新書) 31SHFSZKFNL._SL500_AA300_.jpg

発行は10年以上前の本なので、今の時代とずれたかもしれませんが、それは置いといて…。
これまでの、一様にジャズの歴史から講釈する入門書に書かれている聴き方を否定する最初の切り口、これは共感するところが大きかったですが、それ以降は私がジャズに入っていった道程と全然違っていました。

日本のジャズは聴く必要がない、ライヴよりも音盤として遺されている名演を聴くべき、ディスクのコレクションは100枚までにすべし、というような内容にはちょっと……閉口してしまいました。日本人の感性にいちばん合うのは、やはり日本人の演奏だと思うし、(人によってはロシアだったりアフリカだったりアジアだったりもするでしょう…)聴くだけでなく生で見るということが、どれだけジャズの面白さに気付くことか、そうした視点が抜けている感じです。 それは、筆者が洋楽から音楽を聴き始めたからなのでしょうか。

同じような人にとっては、この入門書はバイブルになるかもしれませんが、最近は英米のロックばかり聴いてますという人も、あまり多くないのではないかと思われます。ヒップホップとか主流に乗ってきて、音楽を聴きたいという人を遠ざけているような…。 筆者が言いたいのは、マイルスとブルーノートさえ聴いてれば良いという結論のようですが、まぁ、私もそちらはあまり聴いてないので紹介されたディスクを聴いてみたいとは思いました。

しかし、入門書としてはジャズの間口を狭めている感じで残念です。 そして、矛盾を感じます。なぜ日本人のジャズはだめなのか?ジャズはアメリカのものだから、日本人プレイヤーにその本質はつかめないから、と言われるのでしょう。だとしたら、マイルスをわかったつもりで聴いていても、日本人は皆(筆者も含め)その本質を理解すること不可能、ということになってしまいます。 現代のジャズはだめだ、昔の名盤だけ聴いていれば良い?それも、アメリカの今のジャズを聴くと私も独創性の少なさに退屈を感じますが、しかしアメリカ以外の世界のジャズに触れれば、独創性と刺激に満ちていうことに気付くと思います。

それも、ジャズを狭いエリアでとらえているからでしょう。マイルスをリスペクトしているミュージシャンが、そのスタイルを至上のものとして踏襲している限り、本家を超えることができないというのはわかります。(絶対に超えられないとは言い切れませんが)ブルーノートには変遷してきたジャズの歴史が刻まれている、ある時代まではそうかもしれません、しかしジャズはもっと自由に広がっているのです。

ちなみに私の場合は、クラシック、現代音楽、ロック、民族音楽、日本のニューミュージックなどを幅広く聴いて育って、ジャズの入り口となったのもアメリカものではなく、ガトーやダラーといった第三世界のミュージシャンでした。最初がマイルだったら、あまり興味を惹かれなかったような気もします。 その後はアメリカものも少しは聴きましたが、日本人のフリージャズ系を音盤だけでなくライブでも聴くことが多かったので、その奔放な音楽性にすっかり魅せられたわけです。

マイルスを生で見聴きすることは不可能ですから、たぶん、どんなに素晴らしい音源でも、さらにビデオ映像があったとしても、今の時代の音楽として感動することはできないと思うのです。 筆者はジャズ誌の編集長をされていた方ですので、矛盾もなにも当然わかって書いているのでしょう。最初のCDの選び方など、真の初心者にとっては良いのではないかと思いました。

事前知識からではなく直感で選んだものは、失敗もあるけれど愛着が強くなります。 そんなわけで、この本は今までになかった、ジャズの敷居を下げる入門書として価値があるでしょうが、ある程度ジャズを理解できる素養ができた人、最初から音楽的な素養が高い人は、すぐにこの本の教えを忘れて、個々のジャズの楽しみ方を見つけるのが良いかと思います。

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