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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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51iXwfNvG4L._SX230_.jpg「泣き虫弱虫諸葛孔明 第参部」酒見賢一(文藝春秋)を読了、抱腹絶倒な三国志も、第3巻となりました。
私にとっては、NHKの人形劇もほとんど見ていなかったし、横山光輝の漫画も読んでないので、本作が三国志デビューなのです。いきなりこれってどうなの、という声も聞こえそうですが、しかし酒見賢一は古今の三国志文献をしっかりと踏まえた上で書いているので、こちらもその上での楽しみ方をしているつもりです。
過日、渋谷ヒカリエ内にできた岡本喜八郎美術館に立ち寄りましたが、NHKの三国志に使われた人形がずらりと…あぁ、これが変態コウメイ、これが猿人リュウビ、これが殺人鬼チョウヒ、これが侵略者ソウソウ…と、笑いをこらえながらの鑑賞となりました。この3巻を読み終わった今、再度足を運んで美し哀しいシュウユさんを確かめてきたいと思っております。

それにしても孔明に人生までも振り回されてしまう呉の将軍周瑜の姿は、痛々しく鮮烈でありました。少しずつ狂わされていく、これが風に聞く孔明の罠というものなのですね。同じようにうまく使われても微笑ましい魯粛と違い、美しく気高い人物だけにせつなさが大きく。
対する孔明、変質さだけでなく悪質さが際だってきました。しかし挫折もせず自信満々に思い通りことを進めてしまうのは、まさに宇宙とつながっている超越者だからなのか。挫折のない人間は主人公としての資質に欠けると思いますが、むしろ彼の罠にはまる人たちが順に主人公となっていく構図ですので、胸をときめかせて読むことができるようです。
そうした群像を描く歴史小説というのも酒見賢一の「陋巷に在り」ではじめて読んだようなもので、ほかの作家とは比べられませんが、ふざけた文章にしていてもしっかりと人の姿を描く力量はすばらしいと思います。ただ、本作と陋巷を比べれば、やはり陋巷の方が格段に面白いとは思ってしまうのですが。
三国志的な楽しみということでは、趙雲だけでなく張飛や関羽が怪獣のごとく暴れ回る姿が欲しいところ。次の巻では、劉備の奥方になった美少女戦士の活躍なども描かれることを願います。

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