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「宮沢賢治、ジャズに出会う」奥成 達(白水社)51KYe6NZp1L._SX230_.jpg

宮沢賢治が「ジャズ」という言葉をタイトルにした、ジャズのようにスイング感のある詩を残していた、というところから、日本におけるジャズがどのように始まり、世の中に受け入れられていったかを、数々の文献を引きながら考察した「日本ジャズ前史」という内容の本です。
タイトルに宮沢賢治と付けたせいか、かなり無理矢理に賢治とジャズを結びつけようとするので、読んでいても苦しさを感じたりもしましたが、1800年代末から1900年代初頭の日本の風俗を知ることができたのは、大変に興味深いものでした。
結局のところ、賢治がどこでどんなジャズに出会ったのかは、明らかになっていないのですが、でもアメリカのジャズ自体がまだ黎明期であり、それが海を渡って日本に来ていたというのは、想像するだけで楽しくなります。そんなことを知った興奮が、ジャズ評論家である著者を突き動かしたのでしょう。
古いスタンダードジャズと言えば、ちょっと退屈でBGM的な扱いになってるかもしれませんが(私の中ではそんな感じで)、当時、その新しいリズムや即興性は、いま私が板橋文夫の演奏を聴くように、とてつもなく刺激に満ちたものだったに違いありません。ましてや、長い鎖国が解けてから半世紀ほどしか経っていない日本で、西洋楽器自体が珍しい時代ですから。
しかし、100年も前のことであっても、実は現代とそっくりな風景が描かれていることに驚きます。モボ・モガのスタイル、カフェーの文化、浅草のショービジネスなど、その本質はいまと全然変わっていないようです。テクノロジーばかり急速に発達しましたが、人間が進んだわけではないのだと。

宮沢賢治のドラマを期待して読むと残念に思われるでしょうが、いかに賢治が時代の先端を行っていた表現者だったかということは知ることができましたし、いろいろと視野の広がる本でした。

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