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「きみを守るためにぼくは夢をみる(3)」白倉由美(星海社文庫)
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2巻からあまり間を置かず、3巻めの発刊となりました。
白倉由美の作品には常に死の気配が色濃くつきまとっていますが、先日自分の母を亡くし葬式を済ませたばかりで読むこととなり、いつも以上に哀しみの念を痛切に感じてしまいました。

2巻の最後で唐突に思わぬ行動に出た主人公・大江朔でしたが、大切なものを手放し喪って、迷宮に踏み入ってしまったような感じです。その迷宮は思春期の象徴のようでもあり、けれど誰にでも訪れるような青春の苦悩とは異なる、重い責任感と深い痛酷さと甘美な幻想を伴った彼だけの世界として現れてきます。

各巻でヒロインの少女たちがミステリアスな存在感を魅せながら朔に関わってきますが、この巻で登場してきたまだ小学生の空音は、まさに白倉由美ならではの残酷なまでの無垢さを湛えた美少女。全体のヒロイン砂緒も、前巻のヒロイン雨花も登場してきますが、設定自体が何重にも特殊なので、誰も太刀打ちできないほど朔を自分のものにしてしまいます。これはツンデレとかヤンデレとかの萌え属性とは異質な、毒や麻薬のように蝕まれかねない危険な存在でありましょう。
青臭いほどに真面目な朔が、この先3人のヒロインズに対してどんな責任感をもって当たっていこうとするのか、先を予想できない‥‥。雨花はもう出番終わりかもしれませんが、空音とは簡単に縁を切ることはできないでしょうから、果たしてどう結末を付けることができるのだろう?というところで、物語はまた次の巻へと続いていくのでした。
親友の塔太もヒロインズかと思っていたのですが、そっちの展開はなく彼女ができたので一安心でした。その後に大変なことになってしまいますが‥‥このくらい書いてもネタバレになってしまうのかな。

ジャンルに縛られることには意味がないけれど、1巻で児童文学、2巻で青春文学、3巻では幻想文学的にもなってきて、この先どこに向かってしまうのか。白倉由美の作品は漫画家時代からずっと読んできただけに、ちょっとした怖さを感じながらも、大いに期待し4巻を楽しみにしております。

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