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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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51n2roX97xL._SX230_.jpgいよいよ先生も王弁君も影が薄く…。物語の中心は、僕僕道中ご一行様でもなく、訪れた先の人たちとなっています。一行の中では、殺し屋・劉欽と彼にすっかり懐いてしまった小さな女の子・蒼芽香にスポットが当たっていて微笑ましかったですね。実は前の巻の内容が今一つ思い出せなくて、その間に読んだ作者の「海遊記」や「魔神航路」の内容とも混ざってしまったからのようです。まぁ、それほど差し支えもないかな。
6巻まで重ねてきて、僕僕先生の正体をはじめいろいろな人物背景も深まり、同時に作者は他の作品で多角的に哲学的なシリアスを描いてきているので、お気楽なロードストーリーで済ませることができないようになってるのかなと思います。私的には歓迎するところですが、最初の頃のライトノベル的なテイストを求めるファンの中には離れていく人もいそうです。
とはいっても、新たに登場してくるキャラクターもアニメ的に色づけされているのは変わっていません。この巻で登場した紫蘭などは、アニメで女剣士系と言えばこんなしゃべり方のキャラクターがいたよね、というような類型を当てはめられていて、宋格子も馬銀槍も絵が浮かぶような人物像で、容易に想像が膨らむだけ素直に楽しく読みやすいと思います。

本巻では国同士の力関係など、人間界のきな臭さが強く漂っています。最後には伝説の神の復活というファンタジーが用意されてはいましたが、神の力にばかり頼っていてはいけない、という人間側の強い意志が出ていたのが、これまで神仙賛歌的だった本作において、大きく異なるところです。物語全体のターニングポイントでしょうか。
その中で、少しは逞しくなってきたかと思っていた王弁くんのダメっぷりが戻ってきていて、もう少ししっかりせいやと声をかけたくなりますが、きっとまた、後の巻で活躍する場面も用意されるのでしょうから、呆れながらも冷ややかに見守ることにしましょう。
それより、前の巻でなんとも腑に落ちない感じの行動をしていた僕僕先生が、本巻でもなんだかツンデレの覇気がなく達観した仙人っぽさもなかったのが心配です。明るく元気で少し意地の悪い美少女仙人こそが、ほかの作品にはない魅力ですから、また圧倒的な力を発揮して活躍する場面も見たいものです。
ここまできて、物語の結末に至る今後の展開がまったく想像できないのですが、ハッピーでは終わらないような気がしてきました。驚くようなエンドを期待しつつ、次を待ちたいと思います。


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長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
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