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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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2018年11月11日、地元の鎌倉芸術館で地元の半世紀の歴史を持つアマチュア・オーケストラ、鎌倉交響楽団のコンサートに行って来ました。地元ですが聴くのは初めて、どのくらいのレベルなのだろうという興味もありましたが、最近の日本人はプロでなくても演奏力が高いので楽しみ。

本演奏前にプレコンサートがあり、チャイコフスキーの弦楽セレナーデ第一楽章を演奏。美しいハーモニーで期待が高まりました。
指揮者が出てくる前に、オープニングとして鎌倉市歌の演奏。鎌倉市に住んでもうすぐ20年になりますが、初めて聴いた市歌がフルオーケストラで、いきなり感動的でした。

前半1曲目のボロディン「イーゴリ公」序曲はロシアテイストがふんだんの派手な音楽で、聴いていて楽しいもの。
つ空いてラフマニノフのピアノコンチェルト2番は、華麗なピアノだけれどちょっと迫力不足で、オケの音圧に負けてしまっていた感。リハが足りなかったでしょうか。ときおり打楽器や金管楽器の音が変に目立って、だんだんバラバラ感が出てしまって、よく知った曲なので自分の中のイメージができているせいもあるのか、少し残念でした。

休憩後のラフマニノフ交響曲2番は、ロシアらしいスケールの大きな曲で、このオーケストラの持ち味が発揮された演奏だったと思います。ピアノコンチェルトでは出すぎた感じだった各楽器の音が、こちらではアクセントになって全体の音楽を盛り上げていたのが面白いところ。オーケストラって、難しいものだと、でもそこが面白いと思いました。

アンコールにはラフマニノフのヴォカリーズ、抑えながら情感たっぷりの演奏、素敵なエンディングでした。
少し難はあってもたった1000円の入場料金で、大好きなロシアの作曲家オンリープログラム、とても楽しませてもらったコンサートでした。

■PROGRAM■
鎌倉交響楽団 第112回定期演奏会
指揮:清水史広 ピアノ:田代純子
□プレコンサート
チャイコフスキー「弦楽セレナーデ 第1楽章」
□第1部
ボロディン「イーゴリ公序曲」
ラフマニノフ「ピアノコンチェルト第2番」
□第1部
ラフマニノフ「交響曲第2番」
□アンコール
ラフマニノフ「ヴォカリーズ」

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「活版印刷三日月堂」
「活版印刷三日月堂 海からの手紙」
「活版印刷三日月堂 庭のアルバム」
「活版印刷三日月堂 雲の日記帳」
(ポプラ文庫)

活版で印刷されたものから、さまざまな人と出来事と心がつながっていく、温かさが滲み出るような物語。設定はもちろん、構成や文章が良いのでどんどん読まされ、人生についていろいろと考えさせられることも多い傑作でした。1・2巻を続けて読み、3巻も出てしまい、感想を書きかけの間に次の巻が出て…ということで、最後までまとめてのアップとなります。

私的には、2年ほど仕事で何度も訪れ、ついでにあちこちと街歩きも楽しんだ川越が舞台、一番街や菓子屋横町、大正浪漫通り、氷川神社、その周辺の町並みなど知っている風景に親しみを感じました。場所的には東京の郊外という位置ですが、小江戸と称され観光地化も進み、地元の人も誇りと愛着を持って住んでいる街という印象が強いのです。いかにも古い印刷所が残っていそうだし、本作の登場人物たちも、そうした川越の人らしさがしっくりきます。
そして、印刷関係の仕事に長く就いていたので、名刺やはがきなど活版印刷所に発注していたこともあります。当時はそれが普通だったし、まだコンピューターによる電子組版の方が珍しく可能性が広がっていた頃、活版の不便さは思っても良さなんてものには気付きもしませんでした。ちょうど印刷テクノロジーが激変する時代でした。しかし本作は、すっかりIT化が進んだ現代で古いものを再発見するのがテーマではなく、新しいものを創っていく物語だと思います。

物語は印刷所を再会するきっかけのところから始まりますが、その後も、人と人の絆を再スタートさせていくきっかけとして活版印刷が使われていく、印刷業に関わってきた人間としては少し嬉しくなるエピソードの数々。
気になるのは、ワンパターンのように活字の詰まった工場の壁に驚くところ、重暗さを持った女性たちばっかりというところ…でしたが、3巻くらいから脱却して、世界が深まったように思ったのは、主人公ほか登場する人たちの、失われた家族の関係性が掘り起こされてきたからでしょうか。
毎回、物語のつながりの中で主役がバトンタッチしていくロンド形式で面白くて、全体の主人公である三日月堂女性店主の存在感が強くなるほどに、周りの人の輪郭も際だっていきます。母の旧友も、女子高生も、岩手の印刷会社の人も、しっかりと心の重さが感じられました。

そして最終4巻。活版印刷を通じて関わってきた様々な人たちの視点による物語が、主人公のもとに帰結する見事できれいな流れでした。星座早見盤、タウン誌、フリーペーパー、そして書籍と、印刷物も多種多様で楽しく、その紙面に込められた人々の想いがとても愛しく感じられました。
ひとを繋ぐメディアとしての印刷ですが、そこに載るのは感情、思惟、思想であり、それを伝えたい気持ち、生きる姿です。形として残る物、データと違って人の手に渡ってしまえば消去できないモノだからこそ、こだわって作りたい。予算が許せばこそですが、商業印刷だけでなく同人誌活動で自分の本を何十タイトルも作ってきたのでよくわかります。歳をとって昔のようにはできなくなった今たからこそよけいに、最後の本づくりのエピソードは心に迫ってきました。

いろんな人が主人公になって、三日月堂で刷られた物を通して次の話にバトンタッチされていく構成、色々と面白いエピソードがあって楽しませてもらいました。
印刷博物館でのコラボ展示と作中に出てきた印刷物の再現も嬉しいものでした。仕事にしているので普段は身近過ぎますが、印刷って世の中に必要なものだと、改めて思い知らされた大切な全4巻です。

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2018年11月4日の日曜日、印刷博物館を見た後に銀座ヤマハホールに行って「萩原麻未&ヴォーチェ弦楽四重奏団スペシャル・コンサート」を聴きました。8年前にヤマハの銀座ビルが建て替えられ、中に素晴らしいホールができたことは知っていましたが、初めて行く機会ができました。

ピアノの萩原さんは昨年もチェロとのデュオコンサートを聴きましたので2度めです。すごい美人ではないけれどとてもかわいらしい人で、でも女性らしい繊細さだけでなく力強さもある演奏がとても魅力的、ドビュッシーの「2つのアラベスク」は彼女にピッタリな感じの音楽でした。
続いてヴォーチェ弦楽四重奏団によるドビュッシー「弦楽四重奏曲 ト短調Op.10」、このカルテットがどこの国の出身なのか情報がないのですが、女性3人に男性1人、ピッタリ息があって調和した演奏で、ホールの音響の良さもあってものすごく美しかったです。小編成の室内楽はあまり聴いてこなかったのですが、とても心地よいものですね。

第2部ではバイオリンの成田達輝がソリストで加わり、全員でのショーン作曲「協奏曲 ニ短調Op.21」。聴いたことのない作曲家ですが同じフランス人で同世代のドビュッシーと親交があったということ、共通しているところの多い美しい曲調でしたが、もう少し骨太な感じもあって、迫力ある演奏を聴くことができました。揺るぎない四重奏をバックに歌い上げるバイオリン、弦の中で存在感を現すピアノ。聴き応えがありました。
アンコールに、協奏曲の第2楽章をもう一度演奏して締めくくり、演奏者の皆さんの満ち足りた笑顔が印象的でした。


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2018年11月4日の日曜日。印刷博物館と銀座ヤマハホールに行ったので、2つに分けて書きます。
まずは印刷博物館「天文学と印刷」展、「活版印刷三日月堂」コラボ企画展

むかし仕事の打ち合わせで何度も来たことのあるトッパン印刷、そこにある印刷博物館に興味はありながら立ち寄る機会なく来ましたが、見たい企画が同時に開催ということで初めて入館しました。さすがに印刷業界ビッグ2の企業による展示は内容も見せ方も素晴らしく充実していました。

「天文学と印刷」は、グーテンベルグが発明してすぐの時代の印刷技術が、天動説の世界観を地動説の世へと導き、世界に広がっていくのに果たした役割の大きさが、たくさんんの貴重な書物の現物で見ることができ、感動的でした。天文学だけでなく地学、医学、植物・動物学など科学の発展に確かな情報発信がいかに大切かを学びました。

この展覧会のチラシが黒に金刷りの素晴らしいデザインなのですが(写真のように8種類あってつなげると全体像になるのです)、パンフレットも立派な書物だったので買ってしまいました。展示は駆け足で見たのであとでしっかり内容を読みたいものです(時間がないだろうなぁ)。


「三日月堂」は川越の活版印刷所を中心にしたとても面白い小説とのコラボ展ですが、作中に出てきた本やコースターや栞や星座早見盤というような印刷物が現実化されていて、ショップで買うこともでき、原作ファンにはたまらない内容でした。(本編とは関係ありませんが、大好きな大槻香奈さんの絵もあった!)

小説の感想をアップするより先になってしまいましたが、印刷・広告業界でずっと仕事してきた私にとって、この作品はとても尊い物語なのです。登場人物たちでなく、その登場印刷物にスポットを当てた展示が、さすが印刷博物館でした。
作者のほしおさなえさんの、活版で印刷された名詞サイズ140字小説や、番外編小説の小冊子を購入。本編はひとまず4巻で完結していますが、今後も楽しみな作家さんです。

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2018年10月14日、鎌倉芸術館大ホール

バッハの中でも最大、66曲から構成された3時間もかかる大作です。3枚組のCDは持っていたのですが、この曲を生で聴く日が来るとは思ってもいませんでした。歩いて行けるホールで料金も安かったからなのですが…演奏はイエズス会系の中高一貫校関係者からなる、栄光メサイアソサイエティ合唱団&管弦楽団、家の近くにある学校なので親近感があり、でもソロ歌手たちはプロです。

80人以上の合唱、児童合唱も加えれば100人以上の歌声と、小編成で2つに分けたオーケストラ、オルガンやヴィオラダガンバといった古楽器もあり、荘厳な音に包まれてとても心地良かったです。キリスト教徒の方にとっては、とても重苦しい内容で印象が違うのかもしれませんが…全曲の対訳歌詞が載っているパンフが貰えたので良かったです。突出した部分はない感じですが、全員のこの曲への想いが込められたとても良い演奏だったと思います。

音楽理論は素人ですが、緻密な構成、印象的なメロディ、美しいハーモニーなど、いろいろな部分でバッハの凄さが感じられました。特に、何度も出てくるメロディと、タルコフスキー映画にも使われていたメロディは、深く心に滲みて涙が出そうでした。

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