つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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第1回から通い続けてきた横浜ジャズプロムナード、ついに25年目の記念回となりました。前日までは天候も不順で肌寒かったですが、1日目、陽差し厳しく、2日目はさらに暑く真夏日…、過去最高気温のYJPだったでしょう。演奏も負けずに熱々ギラギラでした!
2018年10月6日
■田中信正トリオ作戦失敗
■だいだらぼっち
■KANKAWAトリオ
■CONTRASTE
■スガダイロートリオ
2018年10月7日
■Jose Colon Project
■デトロイトジャズフェスティバルスペシャルバンド
■板橋文夫オーケストラ
2018年10月6日
■田中信正トリオ作戦失敗(関内ホール 小ホール)
【田中信正(p) 落合康介(b) 橋本学(ds)】
大好きなピアニストでこの日は3ステージ聴くことになる田中信正、まずは自身のリーダーバンドから。
Hello Kity好きで身にまとうファッションもいつもキティな田中さんの「キティ組曲」を全曲演奏。美しいメロディも激しい展開も悲しい曲も、トータルで素晴らしい音楽でした。物語性とユーモア、そして愛に満ちあふれています。
ピッタリと息が合ったドラムとベースも実に楽しそうに演奏していて、独特の世界観を深めます。自由なスタイルでなんでも表現できるジャズの魅力を存分に堪能させてくれました。
■だいだらぼっち(横浜市開港記念会館)
【酒井俊(vo) 林栄一(a.sax) 田中信正(p)】
大人数で音を創り上げてきた昨年までのステージと違い、トリオ編成による個々の密接な関係の中で生まれてくる音が新鮮でした。同じ曲を歌っていても昂揚するポイントが違ってくるので面白いです。
酒井さんのジャズシンガーとしての特別感は、歌でなく心を歌うことかなと思いました。情感をすべて声に乗せ全身で表現する、その熱さと迫力が、オシャレなシンガーとはまったく違った深い感動を呼びます。
田中さんの2ステージ目になるピアノは、歌に寄り添いながら主張する絶妙なテクニックで、とても繊細な音が際立ちました。
サックスは久しぶりに林節を心から堪能した感じ。ナーダムほか、メロディを紡ぎ出すとかリズムを刻むというより、魂から絞り出して空気を振動させ生み出す音という気がしました。
■KANKAWAトリオ(KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ)
【KANKAWA(org) 越智巌(g) AKI(ds)】
毎 年、なにか新しいことを見せてくれてきたKANKAWAさんですが、だいぶ体調も悪いようです。最後に遺そうとするかのようなオールスタンダード曲の演 奏…それでもすごく魂がこもっていました。強く弾いても音が変わるわけではないオルガンですが、魂を込めると響きが違うようです…つまらないことなどまっ たくない、鮮やかな音楽でした。
ラストのアメイジング・グレースで10分以上にわたって自分の想いを語ったのがハイライト。刻まれてきたジャズの 歴史、でも進化が止まって面白くなくなったというのが、その歴史の中で活躍してきたKANKAWAさんの実感なのでしょう。でも私は今のジャズ、好きで す。まだ進んでいます。それぞれの認識があっていい、それこそジャズだと思います。
■CONTRASTE(KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ)
【坂井紅介(b) 会田桃子(vn,vo) 田中信正(p) 岡部洋一(per)】
今年結成されたバンドということ、なにせ実力のあるミュージシャンばかりですから、期待を大きく聴かせてもらいました。その期待をさらに上回る演奏でした。
楽曲がタンゴからコンテンポラリーまで、ハイスピードな曲もスローな曲もあってバラエティ豊か。それぞれがメンバー全員の個性と技量が活かされて聴き応えがあります。なによりも聴いていて鮮烈なイメージなのが素晴らしい。
紅 介さんのベースが安定感だけでなくソロでは切れまくっていて。3ステージ目の田中さんのピアノは緩急自在、曲ごとに表情を変えて技術の高さを見せつけま す。岡部さんのパーカッションは久しぶりですが、たくさんの楽器と超絶テクニックで曲をドラマチックに盛り上げます。会田さんは初めて聴いたと思います が、ほかのメンバーに比べ少し迫力はないけれど美しい音色と、自身の作った曲がとてもステキ。さらにラストの曲ではボーカルとして本当に見事な歌を聴かせ てくれました。
これからがものすごく期待できるユニット、ジャズプロに出続けてくれるなら、優先度高く聴かせてもらいたいと思います。
■スガダイロートリオ(関内ホール 小ホール)
【スガダイロー(p) 千葉広樹(b) 今泉総之輔(ds) ノイズ中村(司会)】
スガダイローのピアノをトリオなど小編成で聴くのは初めてかもしれません。ここまでの4ステージとはまったく方向の違う即興性の強い音楽で面白かったです。最初に登場した司会のことはあえてスルーしといて…。
ピ アノが中心ではあるけれど、メロディで曲を組み立て行くのではなくトリオでグルーヴ感を高めていく演奏、このタイプは好きだけれど生では久しぶりです。ダ イローさんの時に山下洋輔を思い起こさせるような繊細で激しい指使い(肘も使い)からあふれ出る流麗な音が、ノンストップで奏でられるドラムとベースの音 と絡み合ってどんどん熱く高まっていきます。その浮遊感に身を任せていく心地よさ。
いろいろ聴いてきた最後に、無心で心を開放できる一時になりました。
2018年10月7日
■Jose Colon Project(横浜赤レンガ倉庫1号館)
12:00〜13:00
【ホセ・コロン(ds) 島 裕介(flh,tp,fl) 堀越昭宏(p,key) 杉浦 睦(b)】
ホ セさんはスペイン人、もう長く日本で音楽活動をされているようです。この人のドラムは、スパッと切れ味鋭いのではなく、粘るタイプ…私の大好きなれいちさ んを思い起こしました。ほんの少しテンポがずれることで、情感が出るのでしょうか。センターに配置されたドラムの真ん前の最全席で聴いたので、一挙手一投 足を目に刻めて良かったです。
曲はスタンダードとオリジナルが半々くらいですが、どの曲にも独自の音楽性が感じられて楽しめました。特に島さんのフリューゲルホルンの音色が柔らかく演奏した楽曲に合っていて、心に残りました。
■デトロイトジャズフェスティバルスペシャルバンド
【Trisonique +西口明宏(sax) +浅葉裕文(g) DETROIT TRIO】
(関内ホール 大ホール)
14:10〜16:30
2つめに聴くプログラムに迷わされた今回。次の板橋さんへのつなぎも考え、こちらにしました。3年前から交流のある横浜とデトロイトのジャズフェスに出演した人たちによるステージです。
ま ず登場したのは浅葉トリオ。ギタージャズのまろやかさは、刺さってはこないけれど非常に心地よい音色でした。次がハクエイキムのTrisonique、ピ アノトリオです。途中からサックスの西口さんも加わりました。以前に聴いたハクエイさんのオシャレな感じとは違って、グルーヴ感を高めていくようなスタイ ル、面白かったです。ハクエイさんの才能が際立っていました。
デトロイトから来たバンドは、ピアノ、女性ベース、バリトンサックスとトロンボーン のカルテット。特にトロンボーンの流れるような音色が印象的でした。でも、アメリカのジャズはどうも性に合わないところがあって…メロディがよくわからな い、ピアノなど自己主張が少なくて心に来ない感じなのです。私にとってはジャズってアメリカのものではなくて、ワールドミュージックなので…どれが正解と 言うことではなく、好きなのを聴けばいいと思いますので。
■板橋文夫オーケストラ 〜FUMIO69・ロック&バラード(関内ホール 大ホール)
17:20〜20:00
【板橋文夫℗ 林栄一(as) 纐纈雅代(as) 片山広明(ts) 吉田隆一(bs)
類家心平(tp) 山田丈造(tp) 後藤篤(tb) 高岡大祐(tub) 太田惠資(vn)
レオナ(tap dance) 瀬尾高志(b) 外山明(ds) 竹村一哲(ds)
ゲスト・吉田野乃子(as)】
今 年もトリは板橋さん、69歳の69(ロック)。第1部の最初からオーケストラ全員出演で、ジャズプロムナードでもサイコーのド迫力のあるサウンドが鳴り響 きます。ニューアルバムからの曲が続く中で、2曲目だけはジャズプロ25周年祝いの曲、このイベントとともに歩み、名を上げてきた板橋さんの想いでしょう か。
思い返せば最初の頃はけっこう、板橋さんのステージですぐに席を立つお客さんも多かったです。この日も少しはいましたが…今ではたくさんの人 が、この板橋さんの音楽を目当てに集まるようになったのです。ジャズへの凝り固まったイメージをぶち壊してきた板橋さんと共演してきた多くのミュージシャ ン、このステージを用意し続けてきたジャズプロの大きな功績でしょう。でも、演奏自体がずいぶん洗練されてきた感じはします。
第2部はオーケスト ラメンバーと板橋さんによる小編成での演奏が6曲。後藤&高岡&瀬尾&外山さんとのクインテット、片山さんとのデュオ、纐纈&瀬尾&外山さんとのカルテッ ト、吉田隆一&瀬尾さんとトリオ、吉田野乃子さん、林さんとのデュオ。人が変われば音楽も変わる、とても密度が高い素晴らしいステージでした。
こ こでタイムリミットが迫ってきて、最後の2曲はいつも以上に突っ走ります。でも手は抜かない、端折らないでしっかりと演奏してくれました、FUMIO ROCKではホーンセクション全員の客席乱入もあって大盛り上がり。アンコールもすぐにはじめましたが、太田さんの叙情的なバイオリン&FIT(板橋さ ん・瀬尾さん・一哲さん)での「For You」で美しく、今年のジャズプロムナードは幕を閉じました。
今回まわった5会場・全8ステージ、ほとんどが良い席を確保できて多彩な音楽の深部にまで触れられた気がして、大満足でした。
つ いでですが、1日目の昼食は中華街でエビチリ饅を買って立ち食い、夕食は館内ホール隣のべいらっきょでスープカレー。2日目の昼食は館内ホール近くの生香 園で中華そば(周富輝さんが出迎えてくれました)、夕食は伊勢佐木町のミーフバーで本場のロシア料理と、横浜グルメも堪能…耳と舌で楽しめた2日間でした。
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9月23日 Dプログラム・ゲストRolly
『特殊音楽家が好きなことをするだけのコンサート』
今年の猫森集会、Aプログラムの後に出向いたのは、「からくり人形楽団」以来4年ぶりとなる谷山×Rollyの2日目で7日間の千秋楽です。選曲もダークサイドなものがほとんど、この二人ならではの趣味と感性で創り上げられる特別な世界、Aプロと4曲かぶっていましたがまったく違う音楽になっていて、たまりません。
Rollyのロックギターが、原曲を解体し再構築していくようなダイナミズムの快感。かき鳴らされるエレキギターの音に、いい気持ちで酔わされました。歌は過分に芝居がかっていますが、Rollyのキャラクターだから許され楽しめるのでした。Aプロではついに1曲も弾かなかった浩子さんのピアノも、ギターとの対比で美しさが際だちます。「無限マトリョーシカ」を弾く手の動きの早さは圧巻でした。
長めのトークでは、Rollyさんから谷山さんの楽曲に対する愛情や敬意、それを自分の色で塗り足して新しいものに変化させる歓びというようなことが、それぞれの曲で語られてとても印象深いものでした。ミュージシャン同士がどのように関わり合って独自の音楽を生み出すのか、その秘密の一端を知ることができた感じです。
今年はこれまでと違い、1曲目からラストまでゲストミュージシャンと一緒に演奏というスタイルになって、贅沢な気分でした。2曲めのアンコールには浩子さんのソロで応えてもらって、胸いっぱいの満足感でした。
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谷山浩子・猫森集会2018 Aプログラム(2018.9.16 スペースゼロ)
毎秋恒例、谷山浩子さんが個性的なゲストを迎えてのコンサート「猫森集会」、今年は2回のステージに行きます。まずはAプログラム「夢みるピアノ〜たとえば星でいっぱいの深海」として、ピアニスト佐山雅弘さんと、この2日目だけ参加のピアニキスト松田昌さんと贈るステージ。妻が松田さんご夫妻と面識があるので、追加出演を知って行くことになりました。
レギュラーのシンセ石井AQさんも合わせて、ステージ上に4人の鍵盤奏者が登場するというところに興味がありました。…のですが、ピアニスト・佐山さんが最初から登場し、谷山さんは1曲も弾きませんでした!前代未聞。しかし、弾かない浩子さんの歌は情念が増していて、楽器の名手たちの演奏とともに素晴らしい世界を創り上げてくれました。
ジャズピアニストとして様々なセッションを経てきた佐山さんの奏でる即興性に富んだ音楽は、単なる歌の伴奏とはまったく違う表現になります。そこに、佐山さんとは長いつきあいで、鍵盤ハーモニカの奏法を独自に極めてきた松田さんの超絶パフォーマンスが加わり、どの曲も新鮮で奥深い音楽として心に沁み通ってきました。今日だけの出会いが生み出した、幸せな時間です。
演奏された曲も、派手さはないけれどじっくりと歌い込むのに相応しい、ステキなプログラムでした。アーティストとしての知名度があり、何百曲ものオリジナル楽曲を持つ浩子さん、でもこの曲は演らなきゃファンが許さないというようなヒット曲がないのですが、それがかえって自由なプログラムを生み出します。特にゲストに合わせてテーマ性が変わる猫森集会では、何が聴けるか楽しみなのでした。
この日は45周年記念コンサートのライヴCD・初回版とプログラムを購入。初期版は演奏だけでなくトークまで収録のCD3枚&DVDの豪華仕様で、コンサート限定のサインミニ色紙と便せんのオマケ付き。プログラムには、終演後に妻が松田さんとAQさんのサインをしてもらって、またまたファンとしてのお宝が増えて嬉しいことです。
次は一週間後の日曜日、ゲストはROLLYさんです。
チラシとパンフレット CDとオマケ
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毎秋恒例、谷山浩子さんが個性的なゲストを迎えてのコンサート「猫森集会」、今年は2回のステージに行きます。まずはAプログラム「夢みるピアノ〜たとえば星でいっぱいの深海」として、ピアニスト佐山雅弘さんと、この2日目だけ参加のピアニキスト松田昌さんと贈るステージ。妻が松田さんご夫妻と面識があるので、追加出演を知って行くことになりました。
レギュラーのシンセ石井AQさんも合わせて、ステージ上に4人の鍵盤奏者が登場するというところに興味がありました。…のですが、ピアニスト・佐山さんが最初から登場し、谷山さんは1曲も弾きませんでした!前代未聞。しかし、弾かない浩子さんの歌は情念が増していて、楽器の名手たちの演奏とともに素晴らしい世界を創り上げてくれました。
ジャズピアニストとして様々なセッションを経てきた佐山さんの奏でる即興性に富んだ音楽は、単なる歌の伴奏とはまったく違う表現になります。そこに、佐山さんとは長いつきあいで、鍵盤ハーモニカの奏法を独自に極めてきた松田さんの超絶パフォーマンスが加わり、どの曲も新鮮で奥深い音楽として心に沁み通ってきました。今日だけの出会いが生み出した、幸せな時間です。
演奏された曲も、派手さはないけれどじっくりと歌い込むのに相応しい、ステキなプログラムでした。アーティストとしての知名度があり、何百曲ものオリジナル楽曲を持つ浩子さん、でもこの曲は演らなきゃファンが許さないというようなヒット曲がないのですが、それがかえって自由なプログラムを生み出します。特にゲストに合わせてテーマ性が変わる猫森集会では、何が聴けるか楽しみなのでした。
この日は45周年記念コンサートのライヴCD・初回版とプログラムを購入。初期版は演奏だけでなくトークまで収録のCD3枚&DVDの豪華仕様で、コンサート限定のサインミニ色紙と便せんのオマケ付き。プログラムには、終演後に妻が松田さんとAQさんのサインをしてもらって、またまたファンとしてのお宝が増えて嬉しいことです。
次は一週間後の日曜日、ゲストはROLLYさんです。
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1巻からも間を置かずに連続で読みましたので、2巻分の感想をまとめて。
きんいろカルテット2 遊歩新夢(オーバーラップ文庫)
いきなり四重奏でなく七重奏団になってしまいましたが、人と楽器が増えるとともに語られる音楽の幅も広くなって、ストーリーもパワーアップした第2巻です。金管楽器の音色がどれほどの練習によって作られるのか、その大変さが伝わってきますが、実際に自分が持っているトランペットやトロンボーンの音を出したくなって吹いていてみれば数分でクラクラしてきます…それこそ毎日積み重ねる努力と好きだという情熱が大切。
世界が視野に入ってきた物語は、新たな登場人物たちも加わってにぎやかに、女の子はかわいらしく、演奏は熱く進んでいきます。飛び抜けた才能への妬みや、打ち解けることの難しい心など問題があっても、音楽バカの主人公とそれを慕ってまっすぐ進んでいく少女たちの姿は、嫌みがなく気持ちよく読めていいです。いろんな感情が表れた美しい音楽を聴くかのように。
1巻・2巻合わせても、新学期から夏休みにも入っていないだけのわずかな期間に詰め込まれた話で、どんどん上達しているのがさすがにありえない感じですが、才能と指導者とやる気が満ちて実現する理想郷、ある意味ラノベならではの無理な設定も押し通してしまう異世界ファンタジーと言って良いかもしれません。
最終3巻、これ以上どんな音楽の高みを見せてくれるのか、その上でどんな結末が待っているか、楽しみになります。
きんいろカルテット3 遊歩新夢(オーバーラップ文庫)
最終巻、さてどんな結末を見せてくれるかと楽しみに。またもトラブル発生というのはストーリー上仕方のないことですが、ストレートにハーレム疑惑というのがおかしかったです。音楽と女の子、その両極を一つに混ぜ合わせた味付けのバランスが、なかなか美味しい作品でした。
4月の中旬くらいに始まった物語、8月のコンクールまでたった5ヶ月ほどにずいぶんといろんなことが起こりました。その中でみんなの演奏スキルと音楽性がどんどん高まっていく、それでもまだまだ上には上があって際限がない…少し詰め込みすぎではないかと思うけれど、そこがファンタジー的、とてもリアルな音楽に対する描写とコントラストが付いていて面白さになっていました。
最後に後年談へと飛びますが、物語(の第一部)をきれいに完結してくれて良かったと思います。この先が書かれるなら、それは少し別の作品になるのだと思います。ただ、みんながみんな美少女設定にしてしまったのは、せっかく音楽で成長する心を描いてきたのに、逆に少し醒めてしまう気もして。中で私のお気に入りは、由真かな…報われずともすごく正直に頑張る姿がステキでした。
でもこの作品の面白さは、やはり音楽の描き方です。プロ演奏家の作者が、自分の分野の知識と経験と理想をフルに書き表した文章は、とても生き生きと迫力があり、聴いたことのない曲でも心の耳に響いてくるのでした。後からその曲の音源を聴いてみると、ブリティッシュブラスの地味さもあって…それもおじさんの演奏が多いし…そこまで鮮やかな印象を持つことがないのですが、これはやはり生で聴いてみたいと思ってしまいます。
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きんいろカルテット2 遊歩新夢(オーバーラップ文庫)
いきなり四重奏でなく七重奏団になってしまいましたが、人と楽器が増えるとともに語られる音楽の幅も広くなって、ストーリーもパワーアップした第2巻です。金管楽器の音色がどれほどの練習によって作られるのか、その大変さが伝わってきますが、実際に自分が持っているトランペットやトロンボーンの音を出したくなって吹いていてみれば数分でクラクラしてきます…それこそ毎日積み重ねる努力と好きだという情熱が大切。
世界が視野に入ってきた物語は、新たな登場人物たちも加わってにぎやかに、女の子はかわいらしく、演奏は熱く進んでいきます。飛び抜けた才能への妬みや、打ち解けることの難しい心など問題があっても、音楽バカの主人公とそれを慕ってまっすぐ進んでいく少女たちの姿は、嫌みがなく気持ちよく読めていいです。いろんな感情が表れた美しい音楽を聴くかのように。
1巻・2巻合わせても、新学期から夏休みにも入っていないだけのわずかな期間に詰め込まれた話で、どんどん上達しているのがさすがにありえない感じですが、才能と指導者とやる気が満ちて実現する理想郷、ある意味ラノベならではの無理な設定も押し通してしまう異世界ファンタジーと言って良いかもしれません。
最終3巻、これ以上どんな音楽の高みを見せてくれるのか、その上でどんな結末が待っているか、楽しみになります。
きんいろカルテット3 遊歩新夢(オーバーラップ文庫)
最終巻、さてどんな結末を見せてくれるかと楽しみに。またもトラブル発生というのはストーリー上仕方のないことですが、ストレートにハーレム疑惑というのがおかしかったです。音楽と女の子、その両極を一つに混ぜ合わせた味付けのバランスが、なかなか美味しい作品でした。
4月の中旬くらいに始まった物語、8月のコンクールまでたった5ヶ月ほどにずいぶんといろんなことが起こりました。その中でみんなの演奏スキルと音楽性がどんどん高まっていく、それでもまだまだ上には上があって際限がない…少し詰め込みすぎではないかと思うけれど、そこがファンタジー的、とてもリアルな音楽に対する描写とコントラストが付いていて面白さになっていました。
最後に後年談へと飛びますが、物語(の第一部)をきれいに完結してくれて良かったと思います。この先が書かれるなら、それは少し別の作品になるのだと思います。ただ、みんながみんな美少女設定にしてしまったのは、せっかく音楽で成長する心を描いてきたのに、逆に少し醒めてしまう気もして。中で私のお気に入りは、由真かな…報われずともすごく正直に頑張る姿がステキでした。
でもこの作品の面白さは、やはり音楽の描き方です。プロ演奏家の作者が、自分の分野の知識と経験と理想をフルに書き表した文章は、とても生き生きと迫力があり、聴いたことのない曲でも心の耳に響いてくるのでした。後からその曲の音源を聴いてみると、ブリティッシュブラスの地味さもあって…それもおじさんの演奏が多いし…そこまで鮮やかな印象を持つことがないのですが、これはやはり生で聴いてみたいと思ってしまいます。
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自分的に、芸術の秋が始まっています!
2018.9.15、妹と甥の出演する発表会「音楽のつどい」を聴きに高円寺まで行ってきました。いつもながら、音楽好きな皆さんが磨いてきた成果を発揮する場として、熱のこもった演奏を聴かせてもらえます。プログラムもバラエティ豊かで楽しいです。
バッハなどドイツの音楽に傾倒してきた妹が、そろそろいいかと取り組んだショパン、ノクターン48-1。十分に仕上がらなかったと言ってましたが、なかなかに聴き応えのある出来だったと思います。私がよく聴くロシア人のショパンとは全く違う世界なのが面白かったです。ほかにフルートの伴奏でバッハ、バイオリンの伴奏でモーツァルトを弾いていましたが、大変だなぁ、でも充実してるんだろうなぁと。
甥っ子は、エストニアの作曲家ペルトの現代曲「フラトレス」。曲もすごく好みでしたが、今回はほとんど先生に見てもらったりせず、自分だけで仕上げたという演奏でしたが、とても自分らしさ、音楽性が出ていたと思いました。小さいときから弾いてる姿を見てきた身内だからかもしれませんが、感動的でした。
音楽会の前に、カメラを修理に出すのに新宿へ立ち寄り。デジタル一眼とミラーレス一眼、同じペンタックスなので一度にすんで良かったです。いろいろと不具合が出ていたのですが、古くなって修理対象機種からも外れてしまったということ、新しいのを買うべきか…でも、色も仕様も気に入ってるから使い続けたいのですが。
写真好きだった亡父も、定期的に新しいカメラに買い換えて、お古を私がもらっていたことを思い出します。アナログカメラは古くなっても使えなくなることはなかったのですが、デジタルは本当に使えなくなるから困りものです。パソコンも携帯電話もそうですが、確かに便利さは向上するけどそこまでお金を注ぎ込まなければならないものかと…音楽会で癒された心で思うのでした。
カレーの写真は、高円寺の『インド富士子』で食べた、キーマ&フィッシュカレー。とてもおいしゅうございました。
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プロフィール
HN:
つばめろま〜な
性別:
男性
趣味:
絵・音・文・歩
自己紹介:
長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
■マンガ作品 COMEE
http://www.comee.jp/userinfo.php?userid=1142
■イラスト作品 pixiv
https://www.pixiv.net/users/31011494
■音楽作品 YouTube
https://www.youtube.com/channel/UChawsZUdPAQh-g4WeYvkhcA
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