つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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「世界フリージャズ記」副島輝人(青土社)を読みました。
前著「日本フリージャズ史」の発刊からもう11年経ちますが、またも凄く貴重な本を出してくれました。ジャズにとどまらず、音楽、さらには人間の表現や創造といったことの根源に迫る記録本です。
ドイツのメールスやロシアのアルハンゲリスクなど、新しい音楽が創造される現場に自ら足を運び体感し続けてきた筆者の、40年近い活動には敬服いたします。どこぞの、マイルスの音盤だけ聴いていればすべてOKというようなジャズ本とは大違い。ジャズはいつでも新しい創造性の中にあるのだということです。
そして読んでいて意外だったのは、私自身がここに登場するミュージシャンのうち、日本人以外でも結構の人数の生演奏を実際に聴いていたのに気付いたこと。フリージャズはたまにしか聴いてなかったつもりなのに。日本でその機会が持てたのにも副島氏の功績が大きいのだろうと思います。
本書にも何度か登場しますが、ソ連・日本・米国の10人がフリーセッションした歴史的なコンサート「ひらかれた地平」から、20年以上皆勤で毎年聴きに行っている「横濱ジャズプロムナード」、「エアジン」や「新宿ピットイン」といったライヴハウスまで、たとえばセルゲイ・クリョーヒンやペーター・ブロッツマン、姜泰煥、ブッチ・モリスなどの演奏を聴いた時を思い出しながら読むのは楽しいものでした。心残りは、副島氏が尽力していたアルハンゲリスクの初来日ツアー、チケットを買いながらも行けなかったこと…本を読んであらためて残念さがこみ上げてきました。
聴いた当時の自分の記録を読み返してみると、副島氏が凄いと書かれている人の演奏が、必ずしも私にとっては刺さってなかったというのも興味深いところです。それもまたライヴで体験しての感想、当然に感性の違いや音楽的素養のレベル、聴いた場所なども影響してくることでありますので、それこそジャズは先ず生で聴かなければ意味がない、ということです。
やっぱり、創造性豊かな音楽を生で聴きたいという想いが共通しているから、この本がとても興味深く感じられるのだとは思います。けれど、フリージャズは敬遠しているが音楽は好きという人も、この本を読めば興味が湧いてライヴハウスなりに行きたくなると思います。私は、メールスに行きたくなりました。
もちろん、自分が聴いたことのないミュージシャンの方が多いわけですが、文章を読むだけでも興味深い演奏スタイルが書かれていて、聴いてみたくなります。そして今の時代の良いところ、動画サイトで検索すれば映像を見ることができたりします。生で聴くのが一番ですが過去の者や遠い場所のものはどうしようもない、しばらくは本を読み返しながらネット検索して、気に入ればCDを買ったりしていくことになるでしょう。
最後の方には、「日本フリージャズ史」以後の日本の前衛シーンのことが書かれた記事も掲載されていて、今も身近で音楽が進化し続けていることがわるのも良かったです。年に一度行けるかどうかのエアジン恒例国際インプロ祭くらいでしか聴くことがないのですが、もう少し通えたらと思います。ジャズに限らず、凄いものを生で見て感動した記憶は、人生の宝物となりますから。
副島氏はもう80過ぎという御歳ですが、まだまだ新しいものを求める気持ちが変わらないのは素晴らしいことです。何年前になるでしょうか、一度「横濱ジャズプロムナード」のロシア人ステージでこのフェスティバルと出演者について熱く語られている姿をお見かけしました。専門誌などは読むことのない多くの人にも「生きている本当のジャズ」を独自の情熱で広め続けてほしいと思います。
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前著「日本フリージャズ史」の発刊からもう11年経ちますが、またも凄く貴重な本を出してくれました。ジャズにとどまらず、音楽、さらには人間の表現や創造といったことの根源に迫る記録本です。
ドイツのメールスやロシアのアルハンゲリスクなど、新しい音楽が創造される現場に自ら足を運び体感し続けてきた筆者の、40年近い活動には敬服いたします。どこぞの、マイルスの音盤だけ聴いていればすべてOKというようなジャズ本とは大違い。ジャズはいつでも新しい創造性の中にあるのだということです。
そして読んでいて意外だったのは、私自身がここに登場するミュージシャンのうち、日本人以外でも結構の人数の生演奏を実際に聴いていたのに気付いたこと。フリージャズはたまにしか聴いてなかったつもりなのに。日本でその機会が持てたのにも副島氏の功績が大きいのだろうと思います。
本書にも何度か登場しますが、ソ連・日本・米国の10人がフリーセッションした歴史的なコンサート「ひらかれた地平」から、20年以上皆勤で毎年聴きに行っている「横濱ジャズプロムナード」、「エアジン」や「新宿ピットイン」といったライヴハウスまで、たとえばセルゲイ・クリョーヒンやペーター・ブロッツマン、姜泰煥、ブッチ・モリスなどの演奏を聴いた時を思い出しながら読むのは楽しいものでした。心残りは、副島氏が尽力していたアルハンゲリスクの初来日ツアー、チケットを買いながらも行けなかったこと…本を読んであらためて残念さがこみ上げてきました。
聴いた当時の自分の記録を読み返してみると、副島氏が凄いと書かれている人の演奏が、必ずしも私にとっては刺さってなかったというのも興味深いところです。それもまたライヴで体験しての感想、当然に感性の違いや音楽的素養のレベル、聴いた場所なども影響してくることでありますので、それこそジャズは先ず生で聴かなければ意味がない、ということです。
やっぱり、創造性豊かな音楽を生で聴きたいという想いが共通しているから、この本がとても興味深く感じられるのだとは思います。けれど、フリージャズは敬遠しているが音楽は好きという人も、この本を読めば興味が湧いてライヴハウスなりに行きたくなると思います。私は、メールスに行きたくなりました。
もちろん、自分が聴いたことのないミュージシャンの方が多いわけですが、文章を読むだけでも興味深い演奏スタイルが書かれていて、聴いてみたくなります。そして今の時代の良いところ、動画サイトで検索すれば映像を見ることができたりします。生で聴くのが一番ですが過去の者や遠い場所のものはどうしようもない、しばらくは本を読み返しながらネット検索して、気に入ればCDを買ったりしていくことになるでしょう。
最後の方には、「日本フリージャズ史」以後の日本の前衛シーンのことが書かれた記事も掲載されていて、今も身近で音楽が進化し続けていることがわるのも良かったです。年に一度行けるかどうかのエアジン恒例国際インプロ祭くらいでしか聴くことがないのですが、もう少し通えたらと思います。ジャズに限らず、凄いものを生で見て感動した記憶は、人生の宝物となりますから。
副島氏はもう80過ぎという御歳ですが、まだまだ新しいものを求める気持ちが変わらないのは素晴らしいことです。何年前になるでしょうか、一度「横濱ジャズプロムナード」のロシア人ステージでこのフェスティバルと出演者について熱く語られている姿をお見かけしました。専門誌などは読むことのない多くの人にも「生きている本当のジャズ」を独自の情熱で広め続けてほしいと思います。
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今年の個人的できごとを振り返りたいと思います。
平日は毎日遅くまで働き疲れているので、あまり楽しいこともありませんが、年間を通してみれば印象的なこともそれなりにはあったということで、記録しておきます。
■1月__
○トロンボーンを買う
プラスチック製の楽器で軽いです。でもやはり金楽器は難しい。
○脊椎管狭窄症で歩けなくなり病院に行く
まだ軽かったため薬と体操でよくなりましたが、現在は頸が痛く…
■3月__
○谷山浩子とRollyのコンサート聴きに行く(詳細は過去記事で)
この二人の世界が交錯して、とんでもないものができました。
■5月__
○母の一周忌を執り行う
なんとか段取りを整えて無事にできました。三回忌どうしよう…
■6月__
○同人誌にマンガを描き、インタビューも受ける
今年も「ひとつ」に描かせてもらい。インタビューは恥ずかしい…
■7月__
○広角レンズを買う
一眼レフの12mmレンズ、ファインダーを覗いた世界観が違います。
■8月__
○武井裕之・大槻香奈二人展「いつかまた会える夏に」を見に行く
北鎌倉小舎で。大好きな画家、大槻さんとお話しできて嬉しい。
○安曇野・黒部を旅行する
8月の終わり、大自然と人間の素晴らしさを満喫できた旅。
■9月__
○司修展を見に行く
横浜の県立文学館で。少年時代から大好きだった作家・画家で感激。
■10月__
○横濱ジャズプロムナードを聴きに行く(詳細は過去記事で)
今年も2日間、全10ステージを存分に楽しみました。
○アルトサックスを買う
安物ですが、ついに買ってしまいました。演奏するのが楽しい。
■12月__
○プリンプリン物語展を見に行く
横浜人形の家で。プリンプリンに会うのは3回目ですが愛しい。
■6月・9月・12月__
◯伊藤正道、南夏生、川猫めぐみさんの各個展を見に行く
知り合いの展覧会、伊藤先生ともうお話しできないのは本当に哀しい。
■電車の中では本を読む__
今年読んだ本!(マンガや絵本は除く)それぞれの本について詳しくは過去記事で。
あえて一番のお気に入りを上げるなら、「たまさか それから」かな。
・千里伝 乾坤の児 仁木英之
・くるすの残光(3)いえす再臨 仁木英之
・童子の輪舞曲 僕僕先生 仁木英之
・魔神航路(2)伝説の巨人 仁木英之
・本の魔法 司修
・絵本の魔法 司修
・撲撲少年 仁木英之
・たまさか人形堂物語 津原泰水
・たまさか人形堂それから 津原泰水
・いつまでもショパン 中山七里
・ビブリア古書堂の事件手帖(4)~栞子さんと二つの顔~ 三上延
・きみを守るためにぼくは夢をみる(4) 白倉由美
・弦と響 小池昌代
・しゃべれどもしゃべれども 橋本多佳子
■テレビアニメもたくさん見る__
今年見た作品リスト、まだ見終わってない作品もありますが、さてベスト1を選ぶなら…!?
まずは、今年発のアニメで、特におもしろく見たものが●、普通におもしろかったものが○です。
どれもクオリティ高かったと思いますが、個人的趣味で1番をつけるなら、ヒロインたちのかわいさと話のおかしさで、「変猫」かな。
●GJ部
●ぎんぎつね
●のんのんびより
●銀の匙 Silver Spoon
●たまこまーけっと
●変態王子と笑わない猫。
●きんいろモザイク
●凪のあすから
●やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
●アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者
●恋愛ラボ
○ミス・モノクローム
○ガリレイドンナ
○ヤマノススメ
○まんがーる!
○問題児たちが異世界から来るそうですよ?
○俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる
○琴浦さん
○RDG レッドデータガール
○ゆゆ式
○はたらく魔王さま!
○デート・ア・ライブ
○幻影ヲ駆ケル太陽
○神さまのいない日曜日
○Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
○犬とハサミは使いよう
○境界の彼方
○機巧少女は傷つかない
○俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している
○ささみさん@がんばらない
○ステラ女学院高等科C3部
○ビビッドレッド・オペレーション
<順不同>
次に、シリーズもの。◆が特におもしろく、◇が普通におもしろいもの。
1番を付けるなら、「ちはや」で。
◆ドキドキ!プリキュア
◆ちはやふる2
◆神のみぞ知るセカイ 女神篇
◆とある科学の超電磁砲S
◆〈物語〉シリーズ セカンドシーズン
◆リトルバスターズ!〜Refrain〜
◆はじめの一歩 Rising
◆ロウきゅーぶ!SS
◇ハヤテのごとく!Cuties
◇這いよれ! ニャル子さんW
◇みなみけ ただいま
◇俺の妹がこんなに可愛いわけがない(第2期)
◇僕は友達が少ないNEXT
◇ローゼンメイデン
◇てーきゅう
◇マギ(第2期)
<順不同>
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
世の中がきな臭くなっていると危機感が大きくなる一方の今日この頃。
為政者の威勢の良い言葉に皆様が騙されることなく、2014年が自分らしく過ごせる平和で自由な日本でありますように。
平日は毎日遅くまで働き疲れているので、あまり楽しいこともありませんが、年間を通してみれば印象的なこともそれなりにはあったということで、記録しておきます。
■1月__
○トロンボーンを買う
プラスチック製の楽器で軽いです。でもやはり金楽器は難しい。
○脊椎管狭窄症で歩けなくなり病院に行く
まだ軽かったため薬と体操でよくなりましたが、現在は頸が痛く…
■3月__
○谷山浩子とRollyのコンサート聴きに行く(詳細は過去記事で)
この二人の世界が交錯して、とんでもないものができました。
■5月__
○母の一周忌を執り行う
なんとか段取りを整えて無事にできました。三回忌どうしよう…
■6月__
○同人誌にマンガを描き、インタビューも受ける
今年も「ひとつ」に描かせてもらい。インタビューは恥ずかしい…
■7月__
○広角レンズを買う
一眼レフの12mmレンズ、ファインダーを覗いた世界観が違います。
■8月__
○武井裕之・大槻香奈二人展「いつかまた会える夏に」を見に行く
北鎌倉小舎で。大好きな画家、大槻さんとお話しできて嬉しい。
○安曇野・黒部を旅行する
8月の終わり、大自然と人間の素晴らしさを満喫できた旅。
■9月__
○司修展を見に行く
横浜の県立文学館で。少年時代から大好きだった作家・画家で感激。
■10月__
○横濱ジャズプロムナードを聴きに行く(詳細は過去記事で)
今年も2日間、全10ステージを存分に楽しみました。
○アルトサックスを買う
安物ですが、ついに買ってしまいました。演奏するのが楽しい。
■12月__
○プリンプリン物語展を見に行く
横浜人形の家で。プリンプリンに会うのは3回目ですが愛しい。
■6月・9月・12月__
◯伊藤正道、南夏生、川猫めぐみさんの各個展を見に行く
知り合いの展覧会、伊藤先生ともうお話しできないのは本当に哀しい。
■電車の中では本を読む__
今年読んだ本!(マンガや絵本は除く)それぞれの本について詳しくは過去記事で。
あえて一番のお気に入りを上げるなら、「たまさか それから」かな。
・千里伝 乾坤の児 仁木英之
・くるすの残光(3)いえす再臨 仁木英之
・童子の輪舞曲 僕僕先生 仁木英之
・魔神航路(2)伝説の巨人 仁木英之
・本の魔法 司修
・絵本の魔法 司修
・撲撲少年 仁木英之
・たまさか人形堂物語 津原泰水
・たまさか人形堂それから 津原泰水
・いつまでもショパン 中山七里
・ビブリア古書堂の事件手帖(4)~栞子さんと二つの顔~ 三上延
・きみを守るためにぼくは夢をみる(4) 白倉由美
・弦と響 小池昌代
・しゃべれどもしゃべれども 橋本多佳子
■テレビアニメもたくさん見る__
今年見た作品リスト、まだ見終わってない作品もありますが、さてベスト1を選ぶなら…!?
まずは、今年発のアニメで、特におもしろく見たものが●、普通におもしろかったものが○です。
どれもクオリティ高かったと思いますが、個人的趣味で1番をつけるなら、ヒロインたちのかわいさと話のおかしさで、「変猫」かな。
●GJ部
●ぎんぎつね
●のんのんびより
●銀の匙 Silver Spoon
●たまこまーけっと
●変態王子と笑わない猫。
●きんいろモザイク
●凪のあすから
●やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
●アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者
●恋愛ラボ
○ミス・モノクローム
○ガリレイドンナ
○ヤマノススメ
○まんがーる!
○問題児たちが異世界から来るそうですよ?
○俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる
○琴浦さん
○RDG レッドデータガール
○ゆゆ式
○はたらく魔王さま!
○デート・ア・ライブ
○幻影ヲ駆ケル太陽
○神さまのいない日曜日
○Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
○犬とハサミは使いよう
○境界の彼方
○機巧少女は傷つかない
○俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している
○ささみさん@がんばらない
○ステラ女学院高等科C3部
○ビビッドレッド・オペレーション
<順不同>
次に、シリーズもの。◆が特におもしろく、◇が普通におもしろいもの。
1番を付けるなら、「ちはや」で。
◆ドキドキ!プリキュア
◆ちはやふる2
◆神のみぞ知るセカイ 女神篇
◆とある科学の超電磁砲S
◆〈物語〉シリーズ セカンドシーズン
◆リトルバスターズ!〜Refrain〜
◆はじめの一歩 Rising
◆ロウきゅーぶ!SS
◇ハヤテのごとく!Cuties
◇這いよれ! ニャル子さんW
◇みなみけ ただいま
◇俺の妹がこんなに可愛いわけがない(第2期)
◇僕は友達が少ないNEXT
◇ローゼンメイデン
◇てーきゅう
◇マギ(第2期)
<順不同>
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
世の中がきな臭くなっていると危機感が大きくなる一方の今日この頃。
為政者の威勢の良い言葉に皆様が騙されることなく、2014年が自分らしく過ごせる平和で自由な日本でありますように。
「しゃべれどもしゃべれども」佐藤多佳子(新潮社)の感想です。
15年前の作品ですが、家族の薦めを受けて読みました。作者の作品を読むのも久しぶりです。
落語とか、お茶とか、野球とか、日本文化のエッセンスが気取らず下世話に描かれているのが興味深く、琴線に触れてきます。囲碁漫画や茶の湯小説や将棋小説やカルタアニメなど、深いバックボーンがあると、余計に惹かれてしまう質で…。
ヒロインの黒猫さんも、現実には付き合いたくないタイプだけれど、その面倒な性格が物語の中ではとても魅力的でした。意固地な小学生である村林君も、親戚にいると困りますが愛しいキャラでした。
とはいっても、主人公のあふれる男気こそがこの小説の肝です。(映画化では国分太一が演じたようで、見てなくて申し訳ないですが随分イメージが違います)他人に対して短気にイラついたり、自分の芸のことで悩んだりもしますが、気っ風のよさが爽快で、こんな主人公にはなかなかお目にかかれないと思うのでした。
問題を抱えた面々が集い、かみ合わない関係の中で、物語的に見れば大変な事件があるわけではないけれど、自分にとっては一大事で、いつのまにか変わっていく。そうした機微が実によく書かれていて、しっかりと胸に落ちて感動させられる、お見事な小説でありました。
15年前(まだ前世紀だ)に書かれたということで、落語家もプロ野球選手も代替わりした今と雰囲気も違う気がして(枝雀も談志も亡く…スワローズ黄金期メンバーの宮本も引退し…)、この作品からは一昔前の薫りがしました。その懐かしい感じがまた良かったのかもしれません。
15年前の作品ですが、家族の薦めを受けて読みました。作者の作品を読むのも久しぶりです。
落語とか、お茶とか、野球とか、日本文化のエッセンスが気取らず下世話に描かれているのが興味深く、琴線に触れてきます。囲碁漫画や茶の湯小説や将棋小説やカルタアニメなど、深いバックボーンがあると、余計に惹かれてしまう質で…。
ヒロインの黒猫さんも、現実には付き合いたくないタイプだけれど、その面倒な性格が物語の中ではとても魅力的でした。意固地な小学生である村林君も、親戚にいると困りますが愛しいキャラでした。
とはいっても、主人公のあふれる男気こそがこの小説の肝です。(映画化では国分太一が演じたようで、見てなくて申し訳ないですが随分イメージが違います)他人に対して短気にイラついたり、自分の芸のことで悩んだりもしますが、気っ風のよさが爽快で、こんな主人公にはなかなかお目にかかれないと思うのでした。
問題を抱えた面々が集い、かみ合わない関係の中で、物語的に見れば大変な事件があるわけではないけれど、自分にとっては一大事で、いつのまにか変わっていく。そうした機微が実によく書かれていて、しっかりと胸に落ちて感動させられる、お見事な小説でありました。
15年前(まだ前世紀だ)に書かれたということで、落語家もプロ野球選手も代替わりした今と雰囲気も違う気がして(枝雀も談志も亡く…スワローズ黄金期メンバーの宮本も引退し…)、この作品からは一昔前の薫りがしました。その懐かしい感じがまた良かったのかもしれません。
「弦と響」小池昌代(光文社) を読みました。
弦楽四重奏団のラストコンサートを巡り、関わる様々な人…演奏者当人から、その妻や恋人、スタッフ、観客まで…の心模様を描いたオムニバス的な物語。と、いうような構成も知らずに、音楽小説ということに惹かれて買ってみた、初めて読む作者の小説は、いろんな面で新鮮な感じで楽しむことができました。
作者は詩人として活躍されてきた人だからでしょうか、言葉の紡ぎ方が丁寧なように思えました。そのせいか、次々に変わる主人公たちの等身大なドラマや想いも、淡々としていながらそれぞれに深く伝わってきます。
共感が強かった裏には、作者や作中の多くの人たちが、自分と近しい世代であるからだろうと思います。私もそんな歳になってしまったのだなぁと思うと、哀しさも感じながら、でもまだ先は長い、これから新しいステージが始まるんだという示唆を受けた気がして、読後感は良いものでした。
ライヴで聴くのはジャズが多くて、クラシックもたまに聴くけれど室内楽のコンサートには行ったことがなかったかもしれません。音楽自体の描写は少なかったですが、ベートーベンの弦楽四重奏曲が聴きたくなりました。ジャズでも、カルテットやトリオの演奏は、いちばん音楽家の力量や個性が際だつので、楽曲さえ好きなものならば楽しそうです。
もう一つ、劇場やライヴハウスといった場所が好きであちこち足を運んできた私にとって、カザルスホールに行くことなく今はもうないということが、とても寂しく感じられました。行ってみたい場所(特に古いところ)には、機会を作って行っておくこと。そこでなにを見たかということは忘れやすいけれど、場所の記憶というのは確かに残るのです。
弦楽四重奏団のラストコンサートを巡り、関わる様々な人…演奏者当人から、その妻や恋人、スタッフ、観客まで…の心模様を描いたオムニバス的な物語。と、いうような構成も知らずに、音楽小説ということに惹かれて買ってみた、初めて読む作者の小説は、いろんな面で新鮮な感じで楽しむことができました。
作者は詩人として活躍されてきた人だからでしょうか、言葉の紡ぎ方が丁寧なように思えました。そのせいか、次々に変わる主人公たちの等身大なドラマや想いも、淡々としていながらそれぞれに深く伝わってきます。
共感が強かった裏には、作者や作中の多くの人たちが、自分と近しい世代であるからだろうと思います。私もそんな歳になってしまったのだなぁと思うと、哀しさも感じながら、でもまだ先は長い、これから新しいステージが始まるんだという示唆を受けた気がして、読後感は良いものでした。
ライヴで聴くのはジャズが多くて、クラシックもたまに聴くけれど室内楽のコンサートには行ったことがなかったかもしれません。音楽自体の描写は少なかったですが、ベートーベンの弦楽四重奏曲が聴きたくなりました。ジャズでも、カルテットやトリオの演奏は、いちばん音楽家の力量や個性が際だつので、楽曲さえ好きなものならば楽しそうです。
もう一つ、劇場やライヴハウスといった場所が好きであちこち足を運んできた私にとって、カザルスホールに行くことなく今はもうないということが、とても寂しく感じられました。行ってみたい場所(特に古いところ)には、機会を作って行っておくこと。そこでなにを見たかということは忘れやすいけれど、場所の記憶というのは確かに残るのです。
「魔神航路 2 伝説の巨人」仁木英之(PHP文芸文庫)
現代の若者たちが、古代ギリシャに飛ばされ神々と融合しての冒険譚、第2段です。まだあと2〜3巻…は続きそう、もっと長編にもできそうな感じです。
1巻の方がインパクトはあったかもしれませんが、話としてはこの2巻の方が好きでした。現代日本に飛ばされていた魔神がすっかり楽しんでサブカルチャーを吸収してきたというのが可笑しいし、出番は少ないけれどたぶんヒロインな二十歳の子は魔法少女に変身して活躍するし…そんな展開がシリアスな物語の中に魅力的な彩りを与えていました。
クライマックスシーンがやや淡泊なのは物足りない、設定的にももっと派手な作品になっても良い感はありますが、まだ、ギリシャ神話に遠慮してるのかもしれません。融合が進むことで、少しずつリミッターがはずれていき、めちゃくちゃな展開になることを期待して待ちたいと思います。ただ、ギリシャ神話というのがもともと、かなりひどい話が多いですから…挑戦だと思います。
日本の若者たちよりもギリシャの神や英雄の方がキャラも濃いので目立ってしまっていましたが、男女比的にも、巻が進めばロマンティックなドラマだって生まれてくることでしょう。
それにしても魔法使いお姫様と魔法少女は良かった。地味だけれど双子娘も少しだけ片鱗を見せたけどそれぞれの個性が出てくるともっとステキになるでしょう。テューポーンは、少女の姿をしてるとは言いながら、どうも女の子には思えず…アニメ化でもされたら、すごく萌えるキャラになるのでしょうが。
今後の期待という観点ばかり書いてますが、巨人や王妃の悲話として読み応えのある小説でした。
現代の若者たちが、古代ギリシャに飛ばされ神々と融合しての冒険譚、第2段です。まだあと2〜3巻…は続きそう、もっと長編にもできそうな感じです。
1巻の方がインパクトはあったかもしれませんが、話としてはこの2巻の方が好きでした。現代日本に飛ばされていた魔神がすっかり楽しんでサブカルチャーを吸収してきたというのが可笑しいし、出番は少ないけれどたぶんヒロインな二十歳の子は魔法少女に変身して活躍するし…そんな展開がシリアスな物語の中に魅力的な彩りを与えていました。
クライマックスシーンがやや淡泊なのは物足りない、設定的にももっと派手な作品になっても良い感はありますが、まだ、ギリシャ神話に遠慮してるのかもしれません。融合が進むことで、少しずつリミッターがはずれていき、めちゃくちゃな展開になることを期待して待ちたいと思います。ただ、ギリシャ神話というのがもともと、かなりひどい話が多いですから…挑戦だと思います。
日本の若者たちよりもギリシャの神や英雄の方がキャラも濃いので目立ってしまっていましたが、男女比的にも、巻が進めばロマンティックなドラマだって生まれてくることでしょう。
それにしても魔法使いお姫様と魔法少女は良かった。地味だけれど双子娘も少しだけ片鱗を見せたけどそれぞれの個性が出てくるともっとステキになるでしょう。テューポーンは、少女の姿をしてるとは言いながら、どうも女の子には思えず…アニメ化でもされたら、すごく萌えるキャラになるのでしょうが。
今後の期待という観点ばかり書いてますが、巨人や王妃の悲話として読み応えのある小説でした。
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プロフィール
HN:
つばめろま〜な
性別:
男性
趣味:
絵・音・文・歩
自己紹介:
長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
■マンガ作品 COMEE
http://www.comee.jp/userinfo.php?userid=1142
■イラスト作品 pixiv
https://www.pixiv.net/users/31011494
■音楽作品 YouTube
https://www.youtube.com/channel/UChawsZUdPAQh-g4WeYvkhcA
■近況感想雑記 Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100005202256040
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
■マンガ作品 COMEE
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■イラスト作品 pixiv
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■音楽作品 YouTube
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