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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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「しゃべれどもしゃべれども」佐藤多佳子(新潮社)の感想です。

15年前の作品ですが、家族の薦めを受けて読みました。作者の作品を読むのも久しぶりです。
落語とか、お茶とか、野球とか、日本文化のエッセンスが気取らず下世話に描かれているのが興味深く、琴線に触れてきます。囲碁漫画や茶の湯小説や将棋小説やカルタアニメなど、深いバックボーンがあると、余計に惹かれてしまう質で…。

ヒロインの黒猫さんも、現実には付き合いたくないタイプだけれど、その面倒な性格が物語の中ではとても魅力的でした。意固地な小学生である村林君も、親戚にいると困りますが愛しいキャラでした。

とはいっても、主人公のあふれる男気こそがこの小説の肝です。(映画化では国分太一が演じたようで、見てなくて申し訳ないですが随分イメージが違います)他人に対して短気にイラついたり、自分の芸のことで悩んだりもしますが、気っ風のよさが爽快で、こんな主人公にはなかなかお目にかかれないと思うのでした。

問題を抱えた面々が集い、かみ合わない関係の中で、物語的に見れば大変な事件があるわけではないけれど、自分にとっては一大事で、いつのまにか変わっていく。そうした機微が実によく書かれていて、しっかりと胸に落ちて感動させられる、お見事な小説でありました。

15年前(まだ前世紀だ)に書かれたということで、落語家もプロ野球選手も代替わりした今と雰囲気も違う気がして(枝雀も談志も亡く…スワローズ黄金期メンバーの宮本も引退し…)、この作品からは一昔前の薫りがしました。その懐かしい感じがまた良かったのかもしれません。

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