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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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「猫返し神社」山下洋輔(飛鳥新社)

その暴力的ともいえるほどのパワーとパッションあふれる演奏で世界のフリージャズ史に燦然と名を刻んできたピアニスト・山下洋輔の、デレデレな猫生活を綴ったブログをまとめた本。文章だけでなく写真もたくさんあるので、情景をリアルにイメージできます。
ふだんの洋輔氏はダンディーな姿、ピアノもパワーだけでなく繊細で煌びやかな演奏が同居する、二面性のある方ではありますが、ここまで猫の下僕生活を長年にわたって送られていたとは、さすがに驚愕でありました。

猫が大好き、でも自分の家で飼ったことがなく、猫との共棲に憧れ続けてきた私にとって、これほど猫の本性を教えてくれる本は貴重でした。飼いたいという気持ちが大きくなる一方、人と似て難しいものだなという不安も。生き物を飼うには、それ相応の覚悟が必要とはわかっているところですが、ただデレているだけのように見えながらも現実を突きつけてきます。
一匹ごとにまるで異なる個性、それを理解してつき合い方を変えながら、お互いの信頼関係を作り上げ維持していくのは、きっと楽しく幸せなことでありましょう。言葉や文化を共有する人間同士以上に、素直な気持ちで向き合わなければならないのでしょう。
猫とともに暮らしてきた人とそうでない人の人生には、明らかに違いがあるような気がします。それは自分の周りの人からも感じられることではありますが。

ジャズメンのことを米国では「キャッツ」と呼ぶというのははじめて知りましたが、気まぐれながらなにをやっても愛すべきこの生き物、ジャズのしなやかな即興精神にふさわしく、よくも呼んだものだと感心しました。
いかついサックスプレイヤーの林栄一もたくさんの猫たちに囲まれているということ、真剣な表情で吹く彼の時折見せる笑みが、そういえば猫っぽいと思ったり。

最後に、長年連れ添ってきた愛猫のひとりを亡くした洋輔氏が、猫本家の方に言われる言葉が印象的でした。また子猫が欲しいと考えたけれど、私たちの方が先に逝く可能性が大きいからやめた、ということ。
私も猫を飼うなら今しかないかと思うとともに、古希を超えられた洋輔氏のピアノも、今一度ライヴで聴いておかなければならないなぁと思うのでした。

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長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
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