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「まほろばの王たち」仁木英之(講談社)

日本の大化の改新後を舞台にした伝奇小説。歴史で学んだ記憶ははるか彼方ですが、知られた人物が登場しつつ、朝廷側でなく追いやられる山の民や神の方から描かれた物語は、現代の諸問題をも想起させる読み応えのあるものでした。

日本の美しさを賛美しつつ、でも歪んだところも多いこの島国の文化・思想ということに気づかされます。そうした歴史の原点として、この時代を選んだところが面白いと思いましたし、考えさせられました。本当の純粋な愛国心って、こういうことなんだよと、問いかけているように思います。

これまでの作品での積み重ねも活きてきているのでしょう。壮大な中国史の中での英雄や神仙の世界、ギリシャの荒ぶる神々、日本の陰に生きる人たちや信仰心、あの世とこの世の狭間、格闘家の魂、などが、日本人なら誰でも知っている、大化の改新という現代に通じる日本の体制の礎となったようなできごとを背景にして様々に展開され、ダイナミックなエンタテイメントさをも持つ物語となっていました。

少女が主人公というのも仁木作品には珍しく、しかしいつでもキャラクター付けが生き生きとしている作者でもあり、ストーリー全体がより魅力的になっていたかと思います。権力を持つ者、異能力を持つ者、幼いけれど才ある少年・少女、人間を超える個性的な神々などとの関わりの中で、奥には恋心なども秘めながら、地味に活躍するところが良い感じでした。

大きな物語だけれど単巻完結なので、仁木作品初心者にもお勧めしやすい一冊と思います。

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