忍者ブログ
つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
[80]  [79]  [78]  [77]  [76]  [75]  [74]  [73]  [72]  [71]  [70

「ビブリア古書堂の事件手帖(5)〜栞子さんと繋がりの時〜」
三上 延(メディアワークス文庫)

物語が進み出して、不穏なミステリー色が増してきたというところ。初期のように古本への造詣と人間ドラマを気軽に楽しんでいれば良いという感じではなくなってきました。それが古本にまつわる事件にも、二人の恋にも密接に関わっているので、厚みになっているのは確かです。私があまりミステリー分野に馴染みがないので、少し戸惑っているというところです。
本巻で主に取り上げられた本は、彷書月刊は置いといて、手塚治虫と、寺山修司の作。

手塚の「ブラックジャック」をめぐる話は、10代(正確には中学3年)から様々なマンガを読みあさってきた私にとって、かなり身近なものでした。作中のコレクターは私よりも少し後輩になりますが…その世代が年輩者として描かれているのはちょっとショックが…、時代の雰囲気が懐かしさを感じさせます。
ただ、少年漫画、少女漫画、青年漫画など濫読してきた私ですが、手塚作品にはあまり触れてなくて、まともに読んだのは「三つ目がとおる」(全集版)くらい、すでに絵の古さや感性の違いで敬遠したのと、私のマイナー指向もあったのかもしれません。なので、「ブラックジャック」も子どもの頃に雑誌掲載の話をいくつか読んだ程度の記憶しかありませんでした。
この本を読んでも、漫画家としての姿勢や出版の事情などは興味深かったですが、あらためて「BJ」や手塚作品を読みたいという気にはならず。最後の謎である本を買った店のことも容易にわかってしまったので、ちょっと物足りない感はありました。栞子さんにも親友がいたんだということの方が、興味深かったという一話でした。

やはり20代の頃に小劇場演劇を観に通っていた私にとって、寺山修司というのも偉大な名前です。ですが、興味はあっても彼の著書も映画も演劇も見たことなく…。うまい出会いがなかったということでしょう。ちょっとしたタイミングが、人生を左右するものです。ビブリアでも、ちょっとしたタイミングによって事がはじまるような話が多いですね。古本屋というのは特に、その時に立ち寄った古本屋の棚にたまたまその本があったから買う、という一期一会の場所であるから当然のような気もします。
この章では、本の蘊蓄よりも寺山の作中に出てくる言葉が物語を深める印象的な道具として使われていた感じでした。はじめて、目的意識を持って本の謎解きに挑むという図式からも、転換点なのかもしれません。話も少しばかり後味の悪いものだったし、栞子お母さんの登場、そしてラストのできごと…とても不吉なムードで次巻に続いていきました。この展開で寺山修司を持ってきたというのも、計算尽くなのでしょう。

せっかくの栞子と大輔の接近も、動き出した物語の渦の中に飲み込まれてしまう、それは残念でもあり、楽しみでもあり。栞子さんがいかに母の呪縛から解かれ、自分の道を歩いて行けるかという主題が明確になってきたようです。その中で大輔くんの役割もとても大きくなるはずなので、ラブストーリーとしても展開も興味深く、見逃せないところです。
一番の謎は、お母さんがなにを考えて行動しているのかというところですが。これは最終巻までに明らかにされるのを待ちたいと思います。

にほんブログ村 本ブログへ

にほんブログ村

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
09 2017/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
フリーエリア
最新CM
[01/25 本が好き!運営担当]
[03/27 うらたじゅん]
[10/28 のりこ]
[08/04 つばめろま〜な]
[07/23 通りすがりの仮面ライd]
最新TB
プロフィール
HN:
つばめろま〜な
性別:
男性
趣味:
絵・音・文・歩
自己紹介:
長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。よろしくお願いします!
バーコード
ブログ内検索
P R
忍者アナライズ
忍者アナライズ
忍者アナライズ
忍者アナライズ
忍者ブログ [PR]