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谷山浩子ソロコンサート、江東区文化センターにて。
12月18日、2011年に聴く最後のコンサートとなります。
今年の谷山浩子は、3月のジョイントコンサート(相曽晴日、岩尾潤子、伊藤サチコとの「のほほん☆若草ひなまつり」)に続いて2回となりました。昔は年に4回とか聴いていたこともありましたが、近年にしては多い方。しかし、途中に大震災などもあったためか、今年のこととは思えなくなっていますが・・。

何十回もライヴで聴いてきた浩子さんですが、ソロでのピアノ弾き語りははじめてです。シンセやアコースティック楽器、コーラスなどによる音の演出がない、生々しいまでにアーティスト自身の姿がさらけ出されるステージで、しかしいつも通りの気さくさを見せてくれるのは、来年デビュー40周年を迎えるという経験からでしょうか。
この日の浩子さんは、あまり調子がよろしくなく、最初の曲を含め3曲ほど途中で声が出なくなったところもあり、ちょっと聴く方も不安を感じながらでしたが、一時的に痰がからんだということでしたので、ほかの曲は澄んだ歌声を聴かせてくれました。

途中、会場のある江東区内の演劇サークルと絵画サークルとコラボしての朗読劇&スライド上映という企画もあり、普段とは違うおもしろさも。マルチタレント谷山浩子の、プロデューサーの才が発揮された感じです。
とにかく今年は大震災や原発問題もあり、私自身も仕事に忙殺された時期もあり(今もですが)、心身ともに疲弊していますが、そんなことをすべて忘れさせてくれる一時を過ごさせてもらうことができました。

それは比類なき谷山浩子のやさしく包み込むような歌声であり、独自の世界観を表した詞と曲であり、ラジオで磨かれたトークが生み出すもの。この人を中心とした空間をともに共有できることの歓び、幸せなのです。
ジャズなど他のジャンルでも、大好きでリスペクトするミュージシャンは何人もいますが、やはり私にとって谷山浩子は、ただのミュージシャンではない特別な人であり、かけがえのない存在なのだと再認識したのでした。

ちなみに、はじめて行きました江東区文化センターは、けっこう古いホールみたいですが中規模の、赤い座席がなかなかに座りやすいホールでした。生のピアノと歌だけで、スピーカーからガンガン音を出すというものではないので、クラシックのリサイタルのような雰囲気で良かったです。


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511YoQokKYL._SS400_.jpg「女神のタクト」塩田 武士(講談社)の感想です。

本屋に平積みされていて表紙絵と帯書きに魅かれ買いましたが、なんとなく想像していたのとは違う、パワフル(というか凶暴)な三十路ヒロインが主人公の、でも期待以上に面白い音楽小説でした。
なにより、美女のバイオレンスに引っ張られて行く男たちの姿が滑稽にして痛快。それ以上にアクの強い人物たちも多く、彼らの人生も含めて互いに絡み合うだけで物語が躍動します。

もちろん、オーケストラを舞台にした本格的な音楽の現場描写を核にした、ダイナミックなストーリー展開があってこそなのですが。オケという特殊な世界、それを一つの楽器として自分の演奏をする指揮者という存在も興味深いのですが、本作ではその裏方にスポットを当てていてさらに深く。
そういえば、大学の同じゼミの同級生でオーケストラのスタッフをやっている女性がいて、そのままそこに就職していましたが、運営が大変だということは聞いていました。彼女とこの主人公はまったく違うタイプだと思いますが、大変だけどやりがいがある、その人に合っている職業に出会えたのは幸せなことと言えるでしょう。

さて、今年読んだ中山七里「おやすみラフマニノフ」に続き、本作もクライマックスで演奏されるのはラフマニノフのピアノ協奏曲。いかにもロシアの作曲家らしい重厚にしてきらびやかな曲は、ドラマを盛り上げるのに格好の題材といえます。たとえばモーツアルトの音楽では役不足でしょうね。
最強ヒロインのキャラクターと大胆な行動に圧倒されますが、大人の物語ならではのセンチメンタルが、深く心に滲みてきます。ラストで明かされる運命的な出会いのはなしだけは蛇足にも思えましたが、全体としてとても満足感のある作品でした。


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「君を守るために僕は夢を見る2」白倉由美(星海社文庫)を読んだ感想です。
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作者初の児童文学として書かれた「君を守るために僕は夢を見る」(講談社)が出てから8年、すっかり内容を忘れてしまっていたので、前巻の再読から続けて読みました。たしかに物語は続きが気になる感じがではありましたが、まさか時を開けて続編が出るとは思ってもみなかったという作品です。
作者としてみれば、時が経って旧作への想いが募りまた書きたくなるというのはよくわかることで、実際、続編が読めて良かったと思いました。そして、未だ終わらぬ作品は大きな転機を迎えたところで、来春に3巻が出るということでも、作者の思い入れの強さが伝わってきます。しかしこの先、児童文学の範疇ではなくなりそうです。

白倉由美というひとは、漫画家として活躍している時から読んでいましたが、小説を発表するようになり「ミルナの禁忌」のような病的なまでに耽美な作品から、私小説的な「大きくなりません」や、児童文学と自称される本作まで、とにかく子どもから大人になるということに対して非常にこだわりの強い作家だと思います。
「こだわり」と辞書を引いてみれば、決して良い言葉ではないということがわかりますが、頑固で偏執的という意味が、白倉作品にとっては中毒的な魅力になっているのです。いろいろな面で好き嫌いが別れるところではありましょうが。

確固たる美少女正ヒロインの砂緒は別として、1に登場した美少女・苺が2では活躍するかと思いきやあっさりと捨て去ったのは残念と思いましたが、雨花という死の気配を纏う美少女が2巻のヒロインとして素晴らしい存在感を見せてくれたのがなにより印象的でした。白倉由美の美少女は、アニメ化してほしくない、言葉の上で思い描きたくなる少女たちだなと思います。

と、つい女の子に目を奪われてしまいますが、主人公の少年の真っすぐなようで屈折した感情、理不尽な境遇と思春期の葛藤が交ざった心こそが本作2巻のテーマであり、ラストの思いがけない言動に至る成長の物語は、青春の痛さ切なさを思い出させてくれます。
それはあまり思い出したくないものであったり、今の自分をつくっている大切なものでもあったりします。
そんな少年少女の持つカケラを、あえて傷つきやすいように鋭く尖らせ、物語に潜ませてくるので、読んでいて気が抜けません。

物語の人物たちの想いについては、感情が鋭敏な分だけ理解し難く感情移入できない部分も多々ありますが、それは現実でも人はそれぞれに考え方も生き方も違ってわからなかったりするのと同じこと。同化するのではなく寄り添って見守っていきたいと思う作品なのでした。

ちなみに表紙の絵はずっとアニメ監督の新海誠、孤独な世界観がとても良いです。文庫版で出た1巻前の1巻とは違う絵、だからといってもう一度買うほどのマニアではないのですが。

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IMGP2280.jpgIMGP2281.jpgアルゼンチン出身のサックス奏者、ガトー・バルビエリのレコード「第三世界」(1969録音)を買って聴いたのは、高校生の時だったでしょうか。私にとってジャズへの入り口になった、大切なアルバムでした。ストイックで、静けさと情熱が共存していて、フリージャズってこんなに自由で楽しいものなのだと心震え、出会いに喜んだのです。
いま10数年ぶりに聴き直してみると、完全なフリーではなく、ある程度の枠組みの中でそれぞれのメンバーが熱く即興を闘わせる感じ、私が一番好きなスタイルでした。
次に買ったのは2枚組のライヴアルバム「亜爾然丁(アルゼンチン)万歳 !」(1981録音)で、もうフリーではなく、ラテン色の強いスピーディーでパワフルで体中が熱くなる、エキサイティングな演奏でした。これも私が最も大切にしているレコードの一つです。

ガトーが来日したら聴きに行きたいとずっと思っていましたが、もう随分前、来日した際に演奏した場所が東京ブルーノートで、当時の私には金銭的にも雰囲気的にも敷居が高く、聴くこと叶わなかったのでした。どんな演奏をしたのでしょう。
サックスの音、こぶしの効いた吹き方などは、日本でいうと梅津和時のイメージに近いかなと思います。
調べてみると、映画「ラストタンゴ・イン・パリ」の音楽で世界的な名声を得たのですね。この曲は知っているし、映画もタイトルは知っていますが、結びついていませんでした。YOU TUBEで動画が見られますが、尋常ではない哀愁の音色です。

IMGP2279.jpgガトーのレコードを買ったのは、当時ラテンとか民族音楽とかに興味がIMGP2282.jpg 大きかったため、アルゼンチン出身のジャズ奏者ということで興味を持ったからでした。同じようにして、南アフリカのジャズピアニスト&サックス奏者、ダラー・ブランドのレコード「アフリカの涙と笑い」(私訳題、1979録音)にも出会いました。もう1枚、モントルージャズフェスでのライヴ盤(1980録音)も買いました。

ジャズというと、アメリカに連れて来られた黒人たちが祖国であるアフリカの音楽をルーツに作り上げたものであるから、黒人以外のジャズは偽物だ的な人がいますが、ならばアフリカ黒人のジャズはアメリカ黒人のジャズよりも根源的である、本物であると言っても過言ではない?
そんな論議は不毛と思う私ですが、ダラーのジャズはたしかに、アメリカの黒人ジャズには観られないほど、とても長閑で土俗的で、哀切もあって心に滲みるものでした。今ちょっと調べてみると、後にアブダラー・イブラヒムという名で活動するようになって、昨年には来日していたということ…やはりブルーノートでしたが、気づいていれば行きたかった…です。

2人のレコードをはじめて聴いた当時は、本家アメリカのジャズもいろいろと聴いてみましたが、なんでしょう、アメリカのジャズは酒場の音楽という感じが強く(資本主義的な退廃の匂いとか)、音楽性の高さは面白いと思うものの心からのめり込むことはなかった気がします。
ガトーもダラーも、ともに母国でアメリカのジャズに出会いながらも、まずはヨーロッパに渡って知られるようになったということが共通のようで、アメリカのジャズの潮流とは違う自由さのある欧州ジャズの文化の中で、自分のルーツも含めた個性を伸ばしすことができたのかもしれませんね。

そんなわけで私にとってのジャズとは、アメリカの音楽…サッチモでもエリントンでもマイルスでもなく、世界中で演奏されている自由な音楽、という認識からはじまったのでした。それを邪道というなら言うが良い!私にとっては後に日本のジャズと出会うに至る正道であったのだから…。
ジャズに限らず、南米やアフリカ、東南アジアなど第三世界の音楽は、グローバル化が進んだ今でも、いや今だからこそさらに、根源的なエネルギーに満ちていて面白いと思います。

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senri3.jpgはじめは1巻で完結かと思っていた千里伝も、早3巻目。しかもこの巻のラストは「つづく」書いてあるかのようで、ただでさえ広大な古代中国を舞台にしながら、人の世と神仙の世界、魔物の住む異界、時の流れ、世界の因果律というものまで含んだ壮大な物語へとどんどん突き進んでいます。言ってみれば、ドラゴンボールをもう少し高尚にした感じなのですが、その奥には日本の文化では持ち得ない大きな思想が潜んでいて、ところどころに垣間見えるのがおもしろいのです。

これだけのスケールになってくると、主人公にもそれにふさわしい資質がいるというもの、1巻で見せた少年・千里のひどく歪んだ性格というものが、次第に強さへと変わっていく、ひどい主人公だと思っていたけれどそういうわけだったのかと、納得してきたところです。

この巻では千里にもまして、主人公格3人のうちの1人、武僧・絶海がとんでもない方向に走ってしまうのですが、それも次の物語への序章ということのようです。坊さんがある意味主人公というのは、先に刊行された「海遊記―義浄西征伝」とかぶっているというか、相乗効果でテーマが深まっている巻があります。

基本的にはアニメ的なキャッチーをも備えた作者なので、アクションも本格的、美少女の性格付けもはっきりしていて、娯楽ものとしても楽しめるところが技量でありましょう。2巻での空翼、3巻での蔑収というヒロイン描写はなかなかに愛らしく(怖い子たちでしたが)秀逸でした。

とりあえず天地がひっくり返るほどの超展開で終わりましたので、4巻が楽しみです。作者としても想像力を広げて創造力の限りを尽くさないと難しそうで、ファンとしては応援しながら期待して待ちたい、できれば早めに、と思います。

ところで、1巻が文庫本化もされましたが、表紙絵のあまりの違いに驚きました。これはありなのか?

 ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

ついでなので、1巻を読んだ時(2010年2月)の感想文も以下にコピペしておきます。2巻「千里伝 時輪の轍」の感想は書き忘れていたようです。

『千里伝 五嶽真形図』仁木英之(講談社)
作者お得意の歴史中華ファンタジーですが、「僕僕先生」のような美少女とのまったり甘味ある旅ではなく、少年たちのバトルに満ちた旅。中国という広大な大地が舞台なだけではなく、神仙とか異世界とか、千年の時とか、スケールが大きく読み応えもある物語でした。
マンガのイメージ的には、ベルセルクの世界観とドラゴンボールの戦士たちを掛け合わせたような感じ、かな。アクションシーンが格闘技大好きな者には目に浮かぶ迫力あるものになっていて、とても良かったし。作者は空手マンのようなので、痛さとかがリアルな感じです。
物語りの中でなにが最も印象的かと言えば、主人公の性格の悪さでした。高慢ちきでねじ曲がっている、生意気な成長しない子供。ひっぱたきたくなるような憎たらしさが、でも不快ということでもなく・・・それは、周りの人物たちが負けないだけの強さや大らかさを持って接するからなのでしょう。そんなさっぱりした感じが、この作品の最大の魅力なのです。いや、この作者の魅力なのでしょう。
ラストの方は、ちょっとものごとの変化が性急すぎた感じもして、あれあれ、そんな簡単に?と少し面食らったりもしましたが、それはそれでテンポ良く、爽やかな読後感につながった気がします。

それにしても、仙人という存在は本当に不思議です。僕僕先生や、南條竹則の作品でその世界観を垣間見てきましたが、やはり中国という日本の何倍もの歴史と智を持っている国の力の源なのかなぁと思わされます。そこに儒学が生まれ、地続きの外国から仏教とか、イスラムやキリスト教なども加わって、大きな文化ができあがっているわけですから、島国に住む私達が簡単に理解できるものではないのでしょう。
なんか、中国を蔑視や敵視する人達が(特にネット上では)多く見受けられますが、本当に狭い了見だと、気付くわけです。そう、中国から見れば、日本ってちっぽけな島国というだけでなく、薄っぺらな文化の国なんじゃないかな。そこを理解した上で、でも日本の文化には中国にはない素晴らしさがあるのだと、競うのではなく認識するというレベルでとらえていくべきだと思うのでした。

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