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511YoQokKYL._SS400_.jpg「女神のタクト」塩田 武士(講談社)の感想です。

本屋に平積みされていて表紙絵と帯書きに魅かれ買いましたが、なんとなく想像していたのとは違う、パワフル(というか凶暴)な三十路ヒロインが主人公の、でも期待以上に面白い音楽小説でした。
なにより、美女のバイオレンスに引っ張られて行く男たちの姿が滑稽にして痛快。それ以上にアクの強い人物たちも多く、彼らの人生も含めて互いに絡み合うだけで物語が躍動します。

もちろん、オーケストラを舞台にした本格的な音楽の現場描写を核にした、ダイナミックなストーリー展開があってこそなのですが。オケという特殊な世界、それを一つの楽器として自分の演奏をする指揮者という存在も興味深いのですが、本作ではその裏方にスポットを当てていてさらに深く。
そういえば、大学の同じゼミの同級生でオーケストラのスタッフをやっている女性がいて、そのままそこに就職していましたが、運営が大変だということは聞いていました。彼女とこの主人公はまったく違うタイプだと思いますが、大変だけどやりがいがある、その人に合っている職業に出会えたのは幸せなことと言えるでしょう。

さて、今年読んだ中山七里「おやすみラフマニノフ」に続き、本作もクライマックスで演奏されるのはラフマニノフのピアノ協奏曲。いかにもロシアの作曲家らしい重厚にしてきらびやかな曲は、ドラマを盛り上げるのに格好の題材といえます。たとえばモーツアルトの音楽では役不足でしょうね。
最強ヒロインのキャラクターと大胆な行動に圧倒されますが、大人の物語ならではのセンチメンタルが、深く心に滲みてきます。ラストで明かされる運命的な出会いのはなしだけは蛇足にも思えましたが、全体としてとても満足感のある作品でした。


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長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
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