つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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はじめは1巻で完結かと思っていた千里伝も、早3巻目。しかもこの巻のラストは「つづく」書いてあるかのようで、ただでさえ広大な古代中国を舞台にしながら、人の世と神仙の世界、魔物の住む異界、時の流れ、世界の因果律というものまで含んだ壮大な物語へとどんどん突き進んでいます。言ってみれば、ドラゴンボールをもう少し高尚にした感じなのですが、その奥には日本の文化では持ち得ない大きな思想が潜んでいて、ところどころに垣間見えるのがおもしろいのです。
これだけのスケールになってくると、主人公にもそれにふさわしい資質がいるというもの、1巻で見せた少年・千里のひどく歪んだ性格というものが、次第に強さへと変わっていく、ひどい主人公だと思っていたけれどそういうわけだったのかと、納得してきたところです。
この巻では千里にもまして、主人公格3人のうちの1人、武僧・絶海がとんでもない方向に走ってしまうのですが、それも次の物語への序章ということのようです。坊さんがある意味主人公というのは、先に刊行された「海遊記―義浄西征伝」とかぶっているというか、相乗効果でテーマが深まっている巻があります。
基本的にはアニメ的なキャッチーをも備えた作者なので、アクションも本格的、美少女の性格付けもはっきりしていて、娯楽ものとしても楽しめるところが技量でありましょう。2巻での空翼、3巻での蔑収というヒロイン描写はなかなかに愛らしく(怖い子たちでしたが)秀逸でした。
とりあえず天地がひっくり返るほどの超展開で終わりましたので、4巻が楽しみです。作者としても想像力を広げて創造力の限りを尽くさないと難しそうで、ファンとしては応援しながら期待して待ちたい、できれば早めに、と思います。
ところで、1巻が文庫本化もされましたが、表紙絵のあまりの違いに驚きました。これはありなのか?
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
ついでなので、1巻を読んだ時(2010年2月)の感想文も以下にコピペしておきます。2巻「千里伝 時輪の轍」の感想は書き忘れていたようです。
『千里伝 五嶽真形図』仁木英之(講談社)
作者お得意の歴史中華ファンタジーですが、「僕僕先生」のような美少女とのまったり甘味ある旅ではなく、少年たちのバトルに満ちた旅。中国という広大な大地が舞台なだけではなく、神仙とか異世界とか、千年の時とか、スケールが大きく読み応えもある物語でした。
マンガのイメージ的には、ベルセルクの世界観とドラゴンボールの戦士たちを掛け合わせたような感じ、かな。アクションシーンが格闘技大好きな者には目に浮かぶ迫力あるものになっていて、とても良かったし。作者は空手マンのようなので、痛さとかがリアルな感じです。
物語りの中でなにが最も印象的かと言えば、主人公の性格の悪さでした。高慢ちきでねじ曲がっている、生意気な成長しない子供。ひっぱたきたくなるような憎たらしさが、でも不快ということでもなく・・・それは、周りの人物たちが負けないだけの強さや大らかさを持って接するからなのでしょう。そんなさっぱりした感じが、この作品の最大の魅力なのです。いや、この作者の魅力なのでしょう。
ラストの方は、ちょっとものごとの変化が性急すぎた感じもして、あれあれ、そんな簡単に?と少し面食らったりもしましたが、それはそれでテンポ良く、爽やかな読後感につながった気がします。
それにしても、仙人という存在は本当に不思議です。僕僕先生や、南條竹則の作品でその世界観を垣間見てきましたが、やはり中国という日本の何倍もの歴史と智を持っている国の力の源なのかなぁと思わされます。そこに儒学が生まれ、地続きの外国から仏教とか、イスラムやキリスト教なども加わって、大きな文化ができあがっているわけですから、島国に住む私達が簡単に理解できるものではないのでしょう。
なんか、中国を蔑視や敵視する人達が(特にネット上では)多く見受けられますが、本当に狭い了見だと、気付くわけです。そう、中国から見れば、日本ってちっぽけな島国というだけでなく、薄っぺらな文化の国なんじゃないかな。そこを理解した上で、でも日本の文化には中国にはない素晴らしさがあるのだと、競うのではなく認識するというレベルでとらえていくべきだと思うのでした。
これだけのスケールになってくると、主人公にもそれにふさわしい資質がいるというもの、1巻で見せた少年・千里のひどく歪んだ性格というものが、次第に強さへと変わっていく、ひどい主人公だと思っていたけれどそういうわけだったのかと、納得してきたところです。
この巻では千里にもまして、主人公格3人のうちの1人、武僧・絶海がとんでもない方向に走ってしまうのですが、それも次の物語への序章ということのようです。坊さんがある意味主人公というのは、先に刊行された「海遊記―義浄西征伝」とかぶっているというか、相乗効果でテーマが深まっている巻があります。
基本的にはアニメ的なキャッチーをも備えた作者なので、アクションも本格的、美少女の性格付けもはっきりしていて、娯楽ものとしても楽しめるところが技量でありましょう。2巻での空翼、3巻での蔑収というヒロイン描写はなかなかに愛らしく(怖い子たちでしたが)秀逸でした。
とりあえず天地がひっくり返るほどの超展開で終わりましたので、4巻が楽しみです。作者としても想像力を広げて創造力の限りを尽くさないと難しそうで、ファンとしては応援しながら期待して待ちたい、できれば早めに、と思います。
ところで、1巻が文庫本化もされましたが、表紙絵のあまりの違いに驚きました。これはありなのか?
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
ついでなので、1巻を読んだ時(2010年2月)の感想文も以下にコピペしておきます。2巻「千里伝 時輪の轍」の感想は書き忘れていたようです。
『千里伝 五嶽真形図』仁木英之(講談社)
作者お得意の歴史中華ファンタジーですが、「僕僕先生」のような美少女とのまったり甘味ある旅ではなく、少年たちのバトルに満ちた旅。中国という広大な大地が舞台なだけではなく、神仙とか異世界とか、千年の時とか、スケールが大きく読み応えもある物語でした。
マンガのイメージ的には、ベルセルクの世界観とドラゴンボールの戦士たちを掛け合わせたような感じ、かな。アクションシーンが格闘技大好きな者には目に浮かぶ迫力あるものになっていて、とても良かったし。作者は空手マンのようなので、痛さとかがリアルな感じです。
物語りの中でなにが最も印象的かと言えば、主人公の性格の悪さでした。高慢ちきでねじ曲がっている、生意気な成長しない子供。ひっぱたきたくなるような憎たらしさが、でも不快ということでもなく・・・それは、周りの人物たちが負けないだけの強さや大らかさを持って接するからなのでしょう。そんなさっぱりした感じが、この作品の最大の魅力なのです。いや、この作者の魅力なのでしょう。
ラストの方は、ちょっとものごとの変化が性急すぎた感じもして、あれあれ、そんな簡単に?と少し面食らったりもしましたが、それはそれでテンポ良く、爽やかな読後感につながった気がします。
それにしても、仙人という存在は本当に不思議です。僕僕先生や、南條竹則の作品でその世界観を垣間見てきましたが、やはり中国という日本の何倍もの歴史と智を持っている国の力の源なのかなぁと思わされます。そこに儒学が生まれ、地続きの外国から仏教とか、イスラムやキリスト教なども加わって、大きな文化ができあがっているわけですから、島国に住む私達が簡単に理解できるものではないのでしょう。
なんか、中国を蔑視や敵視する人達が(特にネット上では)多く見受けられますが、本当に狭い了見だと、気付くわけです。そう、中国から見れば、日本ってちっぽけな島国というだけでなく、薄っぺらな文化の国なんじゃないかな。そこを理解した上で、でも日本の文化には中国にはない素晴らしさがあるのだと、競うのではなく認識するというレベルでとらえていくべきだと思うのでした。
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長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
■マンガ作品 COMEE
http://www.comee.jp/userinfo.php?userid=1142
■イラスト作品 pixiv
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