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「横浜駅SF」柞刈湯葉(カドカワBOOKS)


本屋の棚で見かけて、カバーに書かれたプロットを読んで、どうにも気になって3分悩んで買った本。読みはじめは体調のせいもあり眠くなってなかなか捗りませんでしたが、話が進むにつれて(女性キャラも出たあたりからか…)どんどん面白くなっていき、読後はこの本に出会えて良かったと思っています。

鉄道パロディ的なもっと軽いノリの話かと想像していたのとは違い、かなり本格的な味わいの小説です。日本の本州全体が横浜駅に飲み込まれているとか、突拍子もないストーリーでも、SFならもっととんでもない設定はあるでしょう。しかし私にとっては、身近な横浜駅が…なんとも妙な気分になるのでした。

不条理な体制へのレジスタンスとか、生き方を見つけるひとり旅とか、いろいろとテーマは見つかりますが、構築されている世界観が緻密で、その中で生きてきた人物たちならではの考え方が興味深く、科学的なバックボーンも感じられる物語自体の面白さが秀逸です。作者は生物学者とか、怪物のような横浜駅のどこかリアルな生態の不気味さになるほどと。主人公たちに感情移入しにくいのも、今の私たちとまったく違う世界に生きているのだから当然と、むしろ納得できたのでした。
 
紅二点、ケイハは天才科学者だけど背負ってきたものが大きい女性、ハイクンテレケはアンドロイドだけど無垢な心がかわいい少女。ふたりの存在が色気とは離れているけれど、無機的な話に彩りを添えていて印象に残ります。 田中達之氏による表紙と各章トビラの精密なイラストもこの作品に合っていて、このあたりはさすがカドカワ、なのかも…。ネットで見ましたが、コミカライズも感じでした。第1回カクヨムSF部門大賞受賞作として個性が強く、良い方向性ができたのではないかと思います。

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