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「ビブリア古書堂の事件手帖7〜栞子さんと果てない舞台〜」三上 延(メディアワークス文庫)

ついに最終巻です。私にとってはド地元が舞台で、魅力的なヒロインで、本にまつわるミステリアスでインテリジェンスな物語ということから、楽しみに読み始めたシリーズでした。昨秋に鎌倉文学館の特別展を見て最初からの記憶も少しよみがえっていたのは良かったです。

登場するのが異常な人物ばかりというような作品、この巻で出てきた古物商のじいさんも極めつけな性悪でした。それ以上に異常なのがヒロインの母親ですが…その血を引いている栞子さんもまた同様。私はだんだん惹かれなくなって(逆に引いて)いきましたが、美しいけれど大きな欠点のある彼女に、いつもそばにいる主人公大輔くんが魅かれてしまうのはわかります。二人であることに救いと希望があるのでしょう。

最後に取り上げられた古書がシェイクスピアだったのは、有無を言わせないラスボス感がある選択でした。これ以上に有名な外国の作家は…思いつきません。長い年月の中でたくさんの人生が絡み合い、大金までも絡み、シェイクスピアの書いたセリフとともに明かされていくドラマ、すべての物語がこの古書に帰結していくのも、読んでいてスリルのある感覚でした。これまでの古書にまつわるいくつもの事件を凌駕する、本人たちのラストエピソードです。

それにしても、本の虜になってしまった人たちですが、好きなものを集めるコレクターでなく、商材として取り引きする対象であることが、最終巻では強く示されていました。何十年も追いかけてやっと手に入れた稀覯本をすぐさま売ってしまうのは、単純に本好きという私たち読書家にとって、少し理解し難いところがあるような。なのに本への知識と執着でいっぱいの栞子一族に感じる不気味な違和感は、そこから来るのでしょう。

けれど最後は、恋人たちの想いが結ばれて、母娘の確執も少しだけ解けたようで、読後感は悪くない充足した終わり方でした。フラワーセンターや大船観音など、身近な場所が出てくると嬉しいものです。本編は終わりですが番外編が書かれるようで、この一族の中でまっとうな妹メインの話を待ちたいなと思います。

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