つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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「羊と鋼の森」宮下奈都(文藝春秋)
今年の本屋大賞受賞作ということで知りましたが、期待以上に面白い作品でした。若い駆け出しのピアノ調律師がその仕事を通じて人と、音楽と、自分自信と向き合っていく姿が綴られていきます。山の中で育った地味で実直な主人公を、決して派手な事件や情熱的な恋などもなく静かに描いているのに、とても引き込まれてしまいました。
本屋大賞は、ときどきこうしたおとなしいけれど味わいある秀作を選んでくれるので、本屋さんもさすがにプロだなと思わされます。百田の本を選んでしまうという愚挙もありましたが…。
昔私の家でも何度か来てもらったことのある調律師さん、その繊細な技能への興味もあります。やさしさの感じられる文体もありましょう。双子の女子高生が魅力的というのはもちろん。でも、一筋に仕事に打ち込むことがそのまま、小説となっていることが素晴らしくて、成長していく彼の姿を作中の先輩たちと同じような視点で見守ってしまうのです。
読む前は不思議なタイトルと思いましたが、羊と鋼と森の象徴するいろいろが作品世界に奥深さをつくり出しているのだと感じます。きっと、私の心に残る1作となっていくことでしょう。そして、コンサートを聴きに行ったとき、休憩時間中にピアノを調整する調律師さんの姿に目が引きつけられるようになりました。最近、立て続けにピアノのコンサートに行っているから…めぐり合わせというものでしょうか。
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今年の本屋大賞受賞作ということで知りましたが、期待以上に面白い作品でした。若い駆け出しのピアノ調律師がその仕事を通じて人と、音楽と、自分自信と向き合っていく姿が綴られていきます。山の中で育った地味で実直な主人公を、決して派手な事件や情熱的な恋などもなく静かに描いているのに、とても引き込まれてしまいました。
本屋大賞は、ときどきこうしたおとなしいけれど味わいある秀作を選んでくれるので、本屋さんもさすがにプロだなと思わされます。百田の本を選んでしまうという愚挙もありましたが…。
昔私の家でも何度か来てもらったことのある調律師さん、その繊細な技能への興味もあります。やさしさの感じられる文体もありましょう。双子の女子高生が魅力的というのはもちろん。でも、一筋に仕事に打ち込むことがそのまま、小説となっていることが素晴らしくて、成長していく彼の姿を作中の先輩たちと同じような視点で見守ってしまうのです。
読む前は不思議なタイトルと思いましたが、羊と鋼と森の象徴するいろいろが作品世界に奥深さをつくり出しているのだと感じます。きっと、私の心に残る1作となっていくことでしょう。そして、コンサートを聴きに行ったとき、休憩時間中にピアノを調整する調律師さんの姿に目が引きつけられるようになりました。最近、立て続けにピアノのコンサートに行っているから…めぐり合わせというものでしょうか。
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アレクセイ・ヴォロディン ピアノ・リサイタル
(シリーズ<ピアニストとの出逢い>Ⅱ・横浜市栄区文化ホール リリス)
ロシア人ピアニスト4人が登場するリサイタルシリーズ<ピアニストとの出逢い>の2番手は、アレクセイ・ヴォロディン。会場は横浜市栄区文化ホール リリスです。
前回のラシュコフスキーも素晴らしかったですが、今回のヴォロディンはさらに出色の音楽を聴かせてくれました。力強く確実なタッチで繊細な表現、フォルテシモからピアニシモまですごく明瞭な音が印象的でした。
前半はシェイクスピアの戯曲にちなんだ情景的な楽曲を並べたプログラムで、映画でも見ているかのような情感豊かな演奏。プロコフィエフは悲恋に向かうそれぞれの物語場面を引き立てるロマンチックさ、メトネルの曲の力強さは圧巻でした。
後半はゲーテのファウストをモチーフにした曲ということで、1楽章の起伏に富んだ表現、2楽章の静かな表現、3楽章の終末に向かう激しくも抒情的な表現と、技巧的にも難しそうで35分ほどの長大な曲を飽きさせることなくぐいぐいと引き込んでくれました。
アンコールも3曲、ラフマニノフは力強く、プロコフィエフは難しい技術も巧みに軽々と、ショパンは泣きたくなるほどに切なく…それぞれの曲に新しい感動がある、満足感の大きな独演会でした。
終演後にはCDサイン会、前回の演奏者より長い列ができていたのも、今日の演奏が多くの人の心を捉えてということの表れでしょう。財布にお金がないのについ買ってしまいました。ネットでいつでも買えるでしょうが、せっかくだからサイン、欲しいですもの…。
【PROGRAM】
没後400年に寄せて“シェイクスピア・イン・ミュージック”
[前半]
●プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」からの10の小品Op.75
●メンデルスゾーン(ラフマニノフ編):「真夏の夜の夢」より スケルツォ
●メトネル:「4つのおとぎ話」Op.35より 第4番 嬰ハ短調 (※「リア王」による)
[後半]
●ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調 Op.28
【アンコール】
●ラフマニノフ:前奏曲Op31-32
●プロコフィエフ:10の小品Op12より第10曲スケルツォ
●ショパン:ノクターン嬰ハ短調 遺作
コンサートに先がけて、同施設内で開催中の「絵本で知る世界の国々 IFLAからのおくりもの」という展示を見ました。39の国や地域の図書館員がその国の代表的な絵本として選んだ325冊を、手に取って見ることができます。その国の言葉で書かれていますので詳しい内容はわかりませんが、ロシア・北欧や、中東の国の絵本き気に入ったものが多かった感じです。
会場の奥では読みきかせもやっていて、多くの親子が熱心に聞いていました。そんな光景も良いものです。楽しい1日でした。
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(シリーズ<ピアニストとの出逢い>Ⅱ・横浜市栄区文化ホール リリス)
ロシア人ピアニスト4人が登場するリサイタルシリーズ<ピアニストとの出逢い>の2番手は、アレクセイ・ヴォロディン。会場は横浜市栄区文化ホール リリスです。
前回のラシュコフスキーも素晴らしかったですが、今回のヴォロディンはさらに出色の音楽を聴かせてくれました。力強く確実なタッチで繊細な表現、フォルテシモからピアニシモまですごく明瞭な音が印象的でした。
前半はシェイクスピアの戯曲にちなんだ情景的な楽曲を並べたプログラムで、映画でも見ているかのような情感豊かな演奏。プロコフィエフは悲恋に向かうそれぞれの物語場面を引き立てるロマンチックさ、メトネルの曲の力強さは圧巻でした。
後半はゲーテのファウストをモチーフにした曲ということで、1楽章の起伏に富んだ表現、2楽章の静かな表現、3楽章の終末に向かう激しくも抒情的な表現と、技巧的にも難しそうで35分ほどの長大な曲を飽きさせることなくぐいぐいと引き込んでくれました。
アンコールも3曲、ラフマニノフは力強く、プロコフィエフは難しい技術も巧みに軽々と、ショパンは泣きたくなるほどに切なく…それぞれの曲に新しい感動がある、満足感の大きな独演会でした。
終演後にはCDサイン会、前回の演奏者より長い列ができていたのも、今日の演奏が多くの人の心を捉えてということの表れでしょう。財布にお金がないのについ買ってしまいました。ネットでいつでも買えるでしょうが、せっかくだからサイン、欲しいですもの…。
【PROGRAM】
没後400年に寄せて“シェイクスピア・イン・ミュージック”
[前半]
●プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」からの10の小品Op.75
●メンデルスゾーン(ラフマニノフ編):「真夏の夜の夢」より スケルツォ
●メトネル:「4つのおとぎ話」Op.35より 第4番 嬰ハ短調 (※「リア王」による)
[後半]
●ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調 Op.28
【アンコール】
●ラフマニノフ:前奏曲Op31-32
●プロコフィエフ:10の小品Op12より第10曲スケルツォ
●ショパン:ノクターン嬰ハ短調 遺作
コンサートに先がけて、同施設内で開催中の「絵本で知る世界の国々 IFLAからのおくりもの」という展示を見ました。39の国や地域の図書館員がその国の代表的な絵本として選んだ325冊を、手に取って見ることができます。その国の言葉で書かれていますので詳しい内容はわかりませんが、ロシア・北欧や、中東の国の絵本き気に入ったものが多かった感じです。
会場の奥では読みきかせもやっていて、多くの親子が熱心に聞いていました。そんな光景も良いものです。楽しい1日でした。
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第35回横浜市招待国際ピアノ演奏会【コンチェルト公演】
先日の横濱ジャズプロムナードでみなとみらいホールを訪れた際にチラシを手に入れて、これはぜひ聴きたいと思ったコンサートです。私は中学生時代にクラシックのレコード全集を聴いていた中で、ピアノ協奏曲という形式が一番好きだと気づいたのですが、これまで一度も生で聴いたことはありませんでした。それが一度に4曲も聴けるなんて…すごい贅沢、しかもチケット安いし。ソリストは4カ国の新進気鋭の演奏家、ロシア人も入っているし。
そして手に入れることのできた席は、中央の前から2列目、オーケストラを聴くにはあまり音響的によくありませんが、ピアノがすぐ目の前で会場に反響されない生音が飛んでくる位置、ピアニストの顔がすぐそこで表情どころか息遣いまで聞こえてくるという場所でした。オーケストラは第一バイオリンくらい、指揮者もピアノの陰で見えませんでしたが…今日は全曲ピアノが主役ですので。
プログラムは下記の通り。
●エフゲニ・ボジャノフ(ブルガリア)
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 K.453
●バラージュ・デメニー(ハンガリー)
バルトーク:ピアノ協奏曲 第3番 Sz.119
〈休憩〉
●小林海都(日本)
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
●ゲオルギー・チャイゼ(ロシア)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23
◯指揮:高関健
◯オーケストラ:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
プログラムも多彩でした。ロマンチックなモーツァルト、きらびやかなバルトーク、色彩豊かなラヴェル、壮大なチャイコフスキー。どのピアニストも初めて聴くので他を聴かすに決めつけはできませんが、それぞれの演奏家に合った曲だったと思いました。意外と苦手なモーツァルトも、ボジャノフの演奏ですごく楽しめました。
コンテストではありませんが、若手のピアニストが4人、それぞれに意識するところはあると思います。みんな気合が入っていたと感じました。たぶん、オケとのリハーサルなどは足りないところもあったかと思います。チャイゼのラストの突っ走りにオケがやっと付いて行ったような感じもありましたが、それもライヴ感があって良かったです。
それにしてもここ2ヶ月で、ジャンルを超えてたくさんの人のピアノを聴いてきました。谷山浩子、新居昭乃、板橋文夫、ハクエイ・キム、田中信正、佐藤允彦、鬼武みゆき、若井優也、イリヤ・ラシュコフスキー、先週の発表会、そして今日の4人。本当に表現力が高くて演奏者の特徴が出る楽器だなと思います。この後もアレクセイ・ヴォロディン、セルゲイ・カスプロフ、ルーカス・ゲニューシャスと予定が続いていますので、楽しみです!
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2016年〜2017年の秋・冬、本郷台のあーすぷらざ内・リリス(横浜市栄区民文化センター)で企画された、シリーズ<ピアニストとの出逢い>。ロシアの若手俊英ピアニスト4人が、次々にリサイタルしていくというものです。
ロシアの音楽・演奏家が好きなのでチケット発売日の朝に会場へ行って、全公演のチケットを席を選んで購入して楽しみにしていました。このホールのキャパは300席でリサイタルにちょうどよい大きさ、客席の傾斜が大きいのでどこからも見やすいのですが、4〜5列目の見やすく直接音の伝わりやすい良い席を取れました。
10/16のトップバッターはイリヤ・ラシュコフスキー。1984年生まれの32歳。写真を見るとイケメンなので、4公演で唯一、弾いている顔のよく見える右寄りの席にしました。プログラムは、以下のとおりです。
第1部
◎ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106 「ハンマークラヴィーア」
第2部
◎スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第7番 Op.64 「白ミサ」
◎ラヴェル:夜のガスパール
◎ボルコム:ピアノのための12の新しいエチュード より "愛の讃歌"
アンコール
◎ドビュッシー:月の光
若さあふれるパワフルできらびやかな演奏、落ち着いた曲調のところではじっくりと弾き込んでいく緻密さ。どれも聴くだけで難曲というのがわかりますが、これだけ弾けたらさぞ気持ち良いだろうと思います。
ベートーヴェンのソナタは45分もの大曲でしたが、そのメリハリの効いた演奏で飽きさせることなく…これぞロシアの演奏家です。スクリャービンは難解さもありますが、すごく面白く聴かせてくれました。ラヴェルはもともと色彩感豊かなので、ぴったり。ボルコムは初めて聴く作曲家でしたが、起伏の大きな聴き応えのある曲でした。アンコールは有名な曲ですが、ちょうど今日は満月、空を見上げるように弾くのがステキな姿。演奏に加えて容姿もよくて拍手に笑顔で応えるのが好感度高く、感動のステージでした。
終演後はスクリャービンのピアノソナタ全曲が入ったCDを買って、サインしてもらいました。スパシーバ、と言ったらニッコリと応えてくれて人柄も良さそうだなと…大満足です。
このシリーズはこれから、11月アレクセイ・ヴォロディン、12月セルゲイ・カスプロフ、2月ルーカス・ゲニューシャスと続きますので、ますます楽しみです。
コンサート前には本郷台駅前のカフェでゆったりとランチ、あーすぷらざ内で開催中の国際児童画展の回顧展を見て子供の絵の豊かな感性にふれ、世界遺産写真展で旅情を掻き立てられ、帰路は夕焼けが綺麗な頃。家から近い会場ならではの良い1日となりました。
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◯いよいよ四半世紀が目前の24回目を迎えたJazzPromenadeですが、1回めから連続で聴き続けている記録更新。病気や身内の不幸もこの時期には重ならない…本当に幸運なことだと思っています。今年も2日間、フルに楽しませてもらいました。
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10月8日(土)
○1日目は関内駅前で両日券をバッジに引き換えるところからスタートです。ちょうど強い雨が降ってきて、パンフを濡らしてしまったのが残念…。
■赤松敏弘meetsハクエイ・キム(関内ホール 小ホール)
赤松敏弘 vib、ハクエイ・キム p、市原ひかり tp、
生沼邦夫 b、小山太郎 ds
スケジュールさえ合えば定番で聴いている赤松さんですが、今年はNEWSハーバーでなく、じっくり聴ける関内小ホールというのが嬉しかったです。このメンバーは実力者ぞろいで本当に素晴らしくて、モダンジャズらしさあふれる音楽を楽しく奏でてくれます。
特に今回はハクエイさんのピアノの良さにやっと気づけました。近い席から手元をしっかり見ることができたこともあって、緻密に一音一音を大切に弾いていることが伝わってきます。これまで何度か聴きながら、イケメンだけどあまり迫力がないしなぁ、などと思っていたのは間違っていました…。
トランペットの市原さんがボイスで参加した曲など、心が洗われるようでしたし、スタンダードもオリジナルも洗練された美しい音を聴かせてくれるステージでした。
◯次のステージまでちょっと時間があったので、関内ホール裏のフレンチレストラン「ぼんふぁむ」でランチ。例年はラーメン屋ですが、そんなに金額も変わらず美味しい料理を食べられて満足でした。
■Shun Sakai & The Long Goodbye(関内ホール 大ホール)
酒井俊 vo、田中信正 p、土井徳浩 cl、関島岳郎 tub、
佐藤芳明 acc、須川崇志 vc、瀬尾高志 b、竹村一哲 ds
2年続いて約2時間ぶっ通しでの演奏ですが、昨年は未練ながら途中で他会場に移動したので、やはり最後まで聴けて良かったと…「海の音」がテーマの壮大なドラマを見終わったかのような感動を味わいました。
酒井さんはシンガーですが、指揮者のような全体のプロデュース能力に長けているのでしょう、この個性的なメンバーが見事に調和しながら自由な感性で演奏する世界を創り上げます。みんな本当に楽しそうに音楽している、ということが伝わってくるのです。
休みなしで何曲演奏されたかわかりませんが、ジャズのスタンダード、メンバーのオリジナル、映画音楽、クラシックの曲まで多彩なラインアップが手を変え品を変えて奏でられる様は、刺激と興奮と幸福感に満ちたものでした。ショパン別れの曲やジョーズはすごかったし、定番のナーダムはやはり酒井さんの歌が映える名曲です。
瀬尾さんのベースや一哲さんのドラムなど、板橋さんとやっているときとはまた違った魅力があふれ出ていましたし、チェロ、クラリネット、アコーディオンはとても劇的に情感豊かにメロディを奏で、チューバとピアノはしっかり土台を支えながら盛り上げている感じでした。
■森山威男カルテット(横浜市開港記念会館)
森山威男 ds、坂田明 as&vo、佐藤允彦 p、水谷浩章 b
昨年は自分より若い世代とのカルテットでしたが、今年は大御所メンバーで。森山さんの空間を隙間なく埋め尽くすようなドラムの音、佐藤さんの理知的ながら熱いピアノの旋律、坂田さんの眩しくキラキラしているサックスの音。さすがに海千山千の凄い演奏でした。
最初の森山&佐藤デュオによる童謡2曲が特に心に残ります。坂田さんのだみ声を張り上げてのボーカルも良かったです。森山さんのとぼけた味のトークはおかしいだけでなく、どこかにジャズメンの本音が入っているので奥深いですね。
森山さんの演奏は翌日も聴いたので、詳しくはそちらに回します。
■鬼武みゆきwith Friends(関内ホール 小ホール)
鬼武みゆき p、鳥越啓介 b、佐藤芳明 acc、岩瀬立飛 ds
今回も明るくメロディアスな心躍る音楽を中心に。鬼武さんは美人なだけでなく、本当にまじめで音楽をはじめ物事に真摯に向き合っている人だなぁと思います。息の合ったメンバーとの完成度の高い演奏が、それを感じさせてくれるのです。細い体でパワフルな演奏も、鍛錬と表現意欲の表れでしょう。
その創造性に人気も定着して小ホールはいつも満員、そろそろ鬼武さんあたりが大ホールでのステージを任される時ではないかと思うのですが、どうでしょうか。その時だけのスペシャルゲストを迎えたりして、いつもと違う面も見てみたいなと思っています。
◯1日目から幸せな気分で終了、CERTEのレストランフロアに行って、ベトナム料理を食べて帰りました。この駅前ビルは休日の夜ともなるとガラーンと空いているので、ゆっくりできるのです。
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10月9日(日)
◯2日目は桜木町から。みなとみらいホールは開場30分前で50人位の行列でしたでしょうか。2千席の大きな会場でも早めに着いて良い席を確保です。
■4ドラマーズ(横浜みなとみらいホール)
猪俣猛 ds、森山威男 ds、本田珠也 ds、江藤良人 ds、
田中信正 p、坂井紅介 b、井上銘 g、
大森明 sa、類家心平tp、峰厚介 ts
前日も聴いた森山さんはじめ4人・4世代のドラマーが集結、それぞれのセッションと最後にドラムバトルで技を競い合うステージ。会場はコンサートホールなので音が響きすぎ、ドラムの細かいニュアンスが伝わりにくかったのは残念でしたが…2階サイド席の最前列で観たので、ステージ全体、そしてドラマーの手元までしっかり見ることができたのは幸せでした。特に森山さんのセット側でしたので、ほぼ真上からそのドラミングテクニックの妙を俯瞰することができました。
若くてイキの良い江藤さん(with井上さん)、冷静なようで体の芯から熱さがほとばしる本田さん(with類家さん)、熱いながら愛情あふれる森山さん(with類家さん、峰さん)、長い歳月を感じさせる猪俣さん(with類家さん、大森さん)と、4人それぞれの個性が面白かったのですが、やはり森山さんの演奏が別次元で素晴らしく感じられました。
前夜のライヴで、森山さんのドラムはどうして空間を埋め尽くす音が出せるのだろうと聴いていましたが、上から見ていて、その手首の柔らかい使い方が秘密なのだと知りました。そして、体の使い方全体がしなやかで美しく、まるで猫のようだと思ったのです。心も猫のように自由気ままで、でも人から愛されることが大好き…猫ドラマーです。ドラムバトルでもひときわ奔放に輝いていました。
ところで、類家さんのトランペットは今回3ステージを聴きましたが、本田さんとのデュオで吹きまくる姿はこの日最高のビジュアル、圧巻でした。すべてのセットでピアノを弾いた田中信正さん、猪俣さんとは初共演のようでしたが、この人も猫のようにしなやかな感性で、4人それぞれの魅力を引き出していたと思いました。
■竹内直カルテット(ランドマークホール)
竹内直 ts&bcl、若井優也 p、若井俊也 b、竹村一哲 ds
熱いドラムバトルから、少し気持ちを緩めてクールダウンできる感じのラテン系、堅実な演奏で落ち着きます。竹内さんのバスクラの音が心地良かったですが、演奏としてはサックスの方が馴れてらっしゃる感じを受けました。
目当ては一哲さんのドラムでしたが、板橋さんや酒井さんと演る緊張感とは違い、心を解き放たれたような、ラストの曲などいかにも楽しそうに叩いていたのが印象的でした。
◯次は会場移動がないので、ランドマークホールのロビーにて、桜木町に到着してすぐ買っておいたパンで昼食です。
■Natural Born Killer BAND(ランドマークホール)
KANKAWA org&syn、類家心平 ele-tp、本田珠也 ds
カンカワさんの演奏もこれまで何度も聴いてきましたが、今回はエレクトリックな即興演奏、初めての感覚を体験させてもらいました。
1時間で2曲、電子オルガンとシンセを使って創りだされる音色に、類家さんのエフェクターを掛けたトランペットの音が重なり、本田さんのドラムのビートがきっちりと締める、トリオながら壮大な音の宇宙。言葉にしにくいですが、とにかく凄いものを聴いてしまったという興奮がしばらく冷めませんでした。
はじめスタッフに支えられながらステージに登場したカンカワさん、大丈夫かなと思いましたが…まだまだ創造意欲にあふれています。これから先もなにを聴かせてくれるのかと、楽しみにさせてくれる人です。
○関内大ホールに移動、まだ北村英治さんの演奏が終わっていなかったので、最後の1曲を聴くことができました。昔テレビで見た伝説のジャズマンという感じですが、自分の志向とは違うので聴こうと思ったこともなかったけれど…その1曲、とても良かったです。まだまだ張りがある煌めくようなクラリネットの音色でした。
■板橋文夫(関内ホール 大ホール)
☆第一部 板橋文夫FIT!+類家・纐纈・後藤・高岡
☆第二部 板橋文夫オーケストラ+特別ゲスト
板橋文夫 p、瀬尾高志 b、竹村一哲 ds
類家心平 tp、纐纈雅代 as、後藤篤 tb、高岡大祐 tub
林栄一 as、片山広明 ts、吉田隆一 bs、太田恵資 vl、外山明 ds
等々力政彦 トゥバ民族音楽演奏家、工藤丈輝 舞踏、山田丈造 tp
今年もトリは板橋さんの2時間半。今年は第一部から編成が大きくて、迫力のある演奏が繰り広げられました。FITのトリオは半端なく完成度が高まっているので、そこにさらなる若き強者たちが加わると、期待感を上回る演奏が生まれてくる感じです。特に怪物的な高岡さんのチューバが暴れ出すと物凄いことに…。最後の「アリゲーターダンス」で大盛り上がりのうちに、セットチェンジの休憩。
第二部のオーケストラではベテラン勢が加わり、ますますヒートアップ。片山さんも今年は元気に、パワーあふれる演奏を聴かせてくれたのが嬉しかったです。ゲストの音楽演奏家・等々力さんが加わっての「Aldan-Maadyr」は、瀬尾さんのベースとの合奏が魂に響いてくるようでした。トゥバは、ロシアの中央アジア地区の国のようですが、喉歌にフーメイ(ホーミーと同じですね)、イギルという馬頭琴に似た民族楽器がなんとも懐かしい感じ。工藤さんの舞踏も、メンバーの隙間を縫って舞台の後ろへ前へ移行し次第に衣服を脱ぎ捨てながら、静かに高揚感を煽っていて惹きつけられました。不思議な世界でしたが、板橋さんが初期のジャズプロムナードでアフリカやブラジルや和太鼓などの音楽家と一緒にやっていた時のエネルギーを思い出させてくれました。
ここから後は時間がなくなり、巻き巻きで怒涛の演奏に…それがなんともスピーディーでパワフルで曲のエッセンスが凝縮された面白さがあって、それまでじっくり聴かせていてくれたので、もうラストスパートで突っ走ってくれ!という気持ち。飛び入りで客席から上がった山田さんのトランペットも、類家さんと競い合うように熱くて盛り上げてくれました。最後は板橋さんのソロでFOR YOU、静かに今年のジャズプロムナードの幕を下ろしてくれました。
◯ライヴの後は板橋さんの打ち上げに参加させていただき、瀬尾さんの誕生したばかりの愛娘を語る嬉しそうな顔を見たり、嗜好を共にするファン同士の交流を楽しみ、帰り際にお店の外席で飲んでいたピアニストの田中信正さんと手を触れ合い、充実を極めた2日間は終わっていきました…。
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プロフィール
HN:
つばめろま〜な
性別:
男性
趣味:
絵・音・文・歩
自己紹介:
長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
■マンガ作品 COMEE
http://www.comee.jp/userinfo.php?userid=1142
■イラスト作品 pixiv
https://www.pixiv.net/users/31011494
■音楽作品 YouTube
https://www.youtube.com/channel/UChawsZUdPAQh-g4WeYvkhcA
■近況感想雑記 Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100005202256040
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