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「ドファララ門」山下洋輔(晶文社)

ジャズピアニスト山下洋輔の父方の祖父の足跡をたどった「ドバラダ門」を読んだのは、もう20年以上前のことだったでしょうか。山下さんのエッセイは即興演奏的に面白くてよく読むのですが、長編小説もさらに面白いと思ったものでした。本作は、そんな洋輔さんの母方の系譜をたどった内容で、前作(読んだときの記憶も曖昧ですが)よりは小説っぽくない印象なれど、多岐多彩なプレイヤーが登場する大セッションという楽しさがありました。

洋輔氏はラジカルな演奏をする割に、品の良い紳士という雰囲気の人ですが、なるほど、名家のお坊ちゃまだったのだと納得させられました。ジャズマンとしては(特にフリージャズでは)、そうしたイメージがプラスにはならないと思うのですけれど、最前線で走り続けて七十を越えた今だから気にせず書けたことなのでしょう。そして、私も両親を亡くした今だから思うこと、自分のルーツである「家」のことをもっと聞いておけば良かったと、そんな想いが本作執筆の動機にもあったのではないかと思うのでした。

いろいろな分野で、特に芸術方面で才気あふれる人たちを親戚に持つ洋輔氏の血筋とともに、ジャズマンとしての自伝でもあり、聴き知っているミュージシャンたちがたくさん登場するのも、エッセイに書かれるのとは違って一段と面白く。起承転結の脈絡あるストーリーではなくいろんな方向にとっちらかっていても、人生とか旅とかって、そんなものでありましょう。

意外であったのは、洋輔氏はクラシックピアノを習っていなかったということです。音大出ということもあり、あの色彩感豊かな音はクラシック音楽の素養の上に成り立っているのだろうと勝手に思っていたので、衝撃的でした。世界もジャンルも超えて活躍するピアノ弾きになったのは、血とともに受け継がれてきた才能なのか、子どもの頃から好きだったからなのか…なんでも面白がる需要力と自由に文章も書いてしまう創造力、そんな人間性もあってこそと思わされました。

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