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「音楽の在りて」萩尾望都(イースト・プレス)

萩尾先生も最近は小説を書かれるのか、と思ったら70年代後半に奇想天外などに発表された作品集でした。70年代後半から80年代、24年組と呼ばれる作家たちが高い評価を得てなおも続々と意欲作を描き、その次の世代の作家たちがさらに独創的な世界を広げていた、まさに少女マンガ全盛期です。私もずいぶんと読みまくった頃です。

萩尾望都年代記でいえば、「トーマ」や「ポー」といった耽美な世界から、「レッドアイ」「銀の三角」などのSF作品が多くなっていた頃と思われますが、まさにそんな若々しいアイデアと感性にあふれた、SF中心の小説集でした。短編が11作と長編が1作、短編漫画が1作収録されています。作者による[あとがき]があると、もっと良かったのですが。

物語が面白いのは当然として、文章も瑞々しく萩尾望都の絵柄で情景が思い浮かびます。漫画はデフォルメしていく表現、小説は書き重ねていく表現だと私は考えていますが、その違いを効果的に使いながら、漫画と同レベルの作品に完成しているところが素晴らしく…やはり、萩尾望都は手塚治虫を最初に追い越した天才漫画家だとの自説を強くしました。

最後の長編「美しき神の伝え」がどうしても印象に強く残ります。人間の自我と宗教と哲学の本質を見つめた、深大な作品。美しく純粋で、哀しく残酷な物語でした。ほかの作品もそれぞれ個性的で面白いものばかりでしたが、この1作は、作者ならではの世界観にあふれていたと思うのでした。

「残酷な神が支配する」の初期で挫折して以来、もうずいぶんと新作漫画を読んでいませんが、いまだに創作意欲の衰えない萩尾先生の作品に再び接する好機と思っています。

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