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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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「オウリィと呼ばれたころ」(理論社)
「コロボックルに出会うまで」(偕成社)

コロボックルシリーズで知らない人のいないであろう童話作家、佐藤さとるの自伝的小説。「オウリィと呼ばれたころ」は戦中から戦後すぐの少年期、「コロボックルに出会うまで」は戦後復興期の青年時代について書かれていて、この2作の前に読んでいた、作者の父親についての評伝「海の志願兵(偕成社)」も合わせて3連作ととらえました。ただし、出版社も主人公の人称表現も違い、それぞれのコンセプトも異なる別作品でもあります。

小学4年生でコロボックルシリーズに出会い、強く影響を受けた私にとって、作者は雲の上のあこがれの人なのですが、実は子どもの頃に会える機会があったのです。同じ戸塚区に住んでいて、教師をしていたこともあり(その頃のことがコロボックル〜に書かれています)、やはり中学校教師だった私の父の同僚から会いたければ紹介するよと言われ…でも内向的な子どもだった私は尻込みしてしまったのでした。もしかすると、生涯最初で最大の失敗だったかも…。

戦争が人の生き方にどれほどの影響を与えるかということを、いろいろな書物を通じて知らされるのですが、この2作は、少年時代の思い出として描かれていて、ことさら鮮やかな印象を与えてくれました。「オウリィ」での、戸塚から北海道まで疎開する道程の過酷さなどは、はじめて聞くような話。疎開も各人が勝手にして良いわけではなかったのだと、その中で生き延びていくことの大変さ。そうした中で、自分(と家族)を支えていた少年の姿が印象的でした。

「コロボックル〜」では、童話作家となるまでの紆余曲折がかかれています。師や仲間、伴侶との出会い、その中で長いことかけてコロボックルの物語を生み出すに至るまでの経緯が書かれています。今とは違う時代背景の中ですが、書くことへの想いというのは普遍のもの、想いの継続が名作を創り出したのだと思い知らされます。

戦争をはさんで厳しくも可能性の大きかった時代でもありますが、書きたいという気持ちが日々の暮らしで開くまでの物語は、作家を志す者の心に深く刺さるのでした。

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