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「魔神航路3」仁木英之(PHP文芸文庫)

ギリシア神話の世界に現代日本の若者たちが迷い込んでの英雄奇譚、前の2巻で登場人物も浸透していたので、ストーリーは流麗に進むようになりました。
仁木作品では「僕僕先生」、「海遊記」、「くるすの残光」などで航海シーンが出てきて、作者は船が好きなんだろうなと思いますが、旅を描く上でも陸路だけでない、船上の様子はアクセントになります。ただ、閉塞された空間だけに航海が長くなってくると停滞感もあり、それがストーリー上必要なことだったというのは、巻末の方で英雄が離脱するところでわかるのですが、読んでいて重くスカッとしない感じもありました。
そこは、仁木作品の体裁が一見ラノベ風なので、軽く読めるような気がして騙されてしまうからかもしれません。

この巻でも冒頭から魔女姫と魔法少女のコンビが出てきて、にんまりです。この辺がラノベ感全開でキャッチーですが、魔法少女という記号によって表そうとしていることがあるように思えます。
私にとってこの作品でいちばん印象的なのが、前巻で颯爽と登場した魔法少女の姿だったので、その記号性をここで分析してみよう、などと思っていたのですが…まだ手がかりも読み込みも少なくてまとまりませんでした。
この物語の魔法少女は、借り物の魔法を操る成人女性であり、つまりはコスプレの延長ですので、まさに記号ですが、サリーからマドマギまで、セラムンやプリキュアも含め、現代に生きる者にとっては、幼い女の子、お母さん、若い男性、50過ぎのおじさんと、それぞれに異なる意味合いを持つ疑似理想の記号かもしれないと思ったり。でもこの神話世界なら、きっと記号が実に変わっていくだろうと期待しています。

本筋では、絶対の力を持つ存在と思われたゼウスにも弱点があることが見えてきて、もとよりギリシャの神々は人間らしすぎるのですが、ドロドロした感情の渦巻く展開もありそうです。あとは、もっと双子にも活躍してもらいたいと思います。そういえば「双子」も、ある時期にアニメなどでは定番の記号となっていました。
ステロタイプにはめて見せながら独自の世界を展開する仁木作品、本作もまだ先が長そうですので、楽しませてもらいたいと思っています。

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