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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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谷山浩子「猫森集会2017 Aプログラム〜魔女のいる風景〜」
2017年9月18日 スペース・ゼロ

毎年この時期恒例の猫森集会、今年は橋本一子さんがゲスト出演するAプログラム「
魔女のいる風景」を選んで行きました。橋本さんは梅津和時さんの「DIVA」でれいちさんと共に知り、古いCDを何枚か持っていますが、生で聴くのは初めてです。5年前の浩子さん40周年記念コンサートの時、その昔よく知らずに自分の曲のアレンジをお願いし、数枚のアルバムをプロデュースしてもらったというエピソードを聴いていたので、期待もふくらんでいました。
そんな昔話も豊富にされて面白かったのですが、演奏はといえば、これまで何十回も聴いてきた浩子さんのコンサートの中でも、いちばん美しい音楽だったと思います。

それは、橋本さんが浩子さんの歌を奥まで理解していること、ジャズピアニストとしての自由な演奏力、ボーカリストとしての透明な声によるコーラスが、浩子さんの歌を昇華していったからです。浩子さんが弾き語るシンガーソングライターのピアノと、ジャズプレイヤーのピアノでは質が違っていて、橋本さんがプロデュースしたアルバムからの曲が中心になっていたのも、オールドファンとしては懐かしい曲が新鮮に聴こえたのです。そして、弾かずに歌う浩子さんの歌は、のびのびとしていました。

6年ぶりにオリジナルアルバムが出たばかり、そのCDは会場で買ったので、サイン色紙とボックスティッシュのおまけ付きでした。その中からも何曲か演奏されたので、コンサートの場で初めて聴くドキドキ感も楽しめました。
谷山さんの歌った特に印象的だった曲、「きつね」はニューアルバムからで面白い曲調、「街」は昔聴いた頃を思い出して涙もの、「SEAGULL」は美しい歌がピアノで極限まで高められ、「地上の星座」は名曲がアバンギャルドにアレンジされて素晴らしかった。そして橋本さんのソロ「すこしときどき」はピアノも歌も心に沁み入る曲でした。
今回はパンフレットも購入、ロケ写真やインタビューもたっぷりで、これから読むのが楽しみです。


【PROGRAM】

谷山浩子ソロ
01 旅立ちの歌

谷山浩子+石井AQ
02 パラソル天動説
03 さよならDINO
04 空からマリカが

05 きつね
06 白雪姫と七人のダイジョーブ

橋本一子ソロ
07 Planet
08 すこしときどき

谷山浩子+橋本一子+石井AQ
09 街
10 ポンピィ・クラウンの片想い

11 ガラスの子馬

12 パセリパセリ
13 SEAGULL

14 放課後
15 タイタニア恋をしよう

16 地上の星座

アンコール
谷山浩子&橋本一子デュエット+石井AQ
17 秘密の花園

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「板橋文夫&梅津和時ジャズコンサート」2017年8月19日(鎌倉女子大学二階堂学舎)

アップが遅れましたが、今年も鎌倉での板橋文夫&梅津和時コンサートに行ってきました。チケットナンバーが私の好きな数字「9」のゾロ目だったのが嬉しい!
会場は昨年と同じ鎌倉女子大学二階堂学舎、季節はひとつ早いけれど涼しい日で、鎌倉駅から少し離れていても歩いていて辛くなく。コンサート前に少し先にある竹庭で有名な報国寺や、フランス式庭園が美しい旧華頂宮邸に立ち寄ってから向かいました。


板橋さん、梅津さんの演奏はこれまで何十回と聴いてきましたが、3年連続となるこの鎌倉コンサートはひと味違います。ふだんは狭いライヴハウスでもマイクを使うので、生音で聴ける貴重な機会が素晴らしい。昨年より少し後ろの席で聴いたせいか、ホールの音響の良さが際立って、特にサックスの音が迫力も繊細さも圧巻でした。
板橋さん、梅津さんお2人のミュージシャンとしての力量と人間としての魅力にあふれた、素晴らしい演奏。会場の雰囲気もとても温かいところから熱く盛り上がっていき、私としてはどの曲も良かったですが「アイ ライク ユア ナーヴ〜あなたの繊細さが好き」がジャズとしての自由さがいっぱいで良かったなぁ。


打ち上げにも参加させていただいて、憧れの音楽家2人と同じ空間にいるだけで幸せ。そして一人ひとりの自己紹介で本当にいろんな人が来ていて、それぞれの思いでコンサートを聴き、生きる糧にしていくんだなと知れたのが面白かったです。
私もプライベートでいろんなことをしてはいますが、公的なプロフィールとして語れないのがちょっと残念な気もしました。自己顕示したいわけではないけれど…作家ですとか絵を描いてますとか即興音楽してますとか言えるように頑張りたいと思ったり。

この夏はいろんなコンサートを聴いてきて、この日が最後になりました。心に蓄積された想いが、また自分を衝き動かすエナジーとなって、明日に続いていくのです。

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「綺譚集」津原泰水(集英社)

2004年発刊とだいぶ前の本ですが、津原作品を読むのは「ブラバン」、「たまさか人形堂」シリーズ、「バレエ・メカニック」に続き5冊目、このタイトルと帯などの紹介宣伝文を見て、これはやばい方向そうだなぁと警戒しながらも、短編集なので少しは軽いかもと買ってしまったのでした。

短編集だから、それぞれの物語のエッセンスが凝縮されていて、軽いなんてものではなく、1作目からかなり胸が悪くなるようなグロ…後悔しながらも、けれど恐怖ではないので読み進めていけたのでしょう。全作品で殺したり殺されたりと人の死が描かれているのが徹底しています。
でもその中に、エロティックだったり暴力的だったりノスタルジックだったり美しかったり、いろんな人間の生き様や感情が描かれていて、文学的な遊びもあって面白かったし、読後感も決して悪くありませんでした。世界の見方や文章の感覚が合う作家なのだと思います。

15作も掲載されているので、それぞれに好き嫌いが大きく分かれながらも印象に残っていますが、好きなのは「赤假面傳」「頸骨」「約束」「ドービニィの庭で」というところでしょうか。どちらかと言えばソフト路線の作品になってしまいますが…ハードな中にあるので、余計に美しさや切なさのようなものが際だって感じられたということもあります。

死は、誰にでも等しく訪れるもので、早かろうが遅かろうが、穏やかだろうが凄絶だろうが、死んだらそこでおしまいと思っている(思うようにしている)のですが、もちろん死ぬ人の数だけドラマがある、だからどんなに極端な物語でも自分に関係のないことだとは思えない。個性的な死に様になにかしらの共感や嫌悪や、感情が渦巻いてしまうと、そういうことなのでしょう。図らずも、心に残る本になりました。

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「音楽のつどい」2017年9月16日、スタジオSK

台風の足音も近づいてくる3連休の初日、妹と2人の息子たちが弾く発表会「音楽のつどい」を聴きに行きました。新高円寺の小さなホールに来たのは3度目くらいですが、一面はガラス張りで高い天井に天窓付きの開放感がステキです。台風が近づいていて雨が降っている中というのも風情があります。
特定の教室の発表会ではなく、音楽仲間が集まって企画する場なので、演奏レベルは高くなくても(皆さん上手いですが)音楽への心がこもっていて聴き応えがあります。プログラムもバッハからベートーヴェン、ショパン、ラベルなどバラエティ豊か、ピアノだけでなくバイオリンにフルート、バロックハープ、声楽もあって飽きさせませんでした。

妹のピアノはフルートとバイオリンそれぞれの伴奏に、ソロでバッハの平均律。とても安定した演奏で、静かに想いを込めている感じが良かった。私はロシアの自己主張の強い音楽家が好きですが、妹はしばらく住んでいたこともあってドイツ音楽に傾倒している、その意味がわかった気がします。質実剛健という言葉だと面白味が感じられませんですが、緻密に構築された音楽表現の奥深さがおりました。
次男のピアノは、ブラームスのソナタ3番。大曲の第一楽章を力強く弾きました。東大で学んでいる最中なのに、いつ練習するのだろうと不思議ですが、楽譜を覚えたり理解するのは理数系の頭を持つ人には苦でないのかもしれません。こどもの頃から音楽にはよく接しているし、あとは反復練習で身につける技術だけ。そんな器用さも持っていて、自分の音を出そうとする意欲も強く感じられる、若々しい清々しさのあるピアノでした。
長男のバイオリンは発表会のトリで、プロコフィエフの協奏曲2番。ロシアの作曲家らしい暗い激情のある聴くからに難曲ですが、確かなテクニックと情感あふれる表情で途中まで弾いたところ、パンッと弦が切れるハプニング。演奏中では初めてということですが、あまり慌てず一度引っ込んで弦を張り替え、最初から弾き直しです。さらに集中して弾けていた感じがしました。今まで聴いてきた彼の演奏の中でも特に良かったと思います。
最後にみんなで合唱して、温かな気持ちと熱い演奏でいっぱいの音楽会は終了、とても楽しい時間を過ごすことができました。

天気は良くないけれどせっかく来た高円寺ですので、ホールに行く前にペルシア料理店でランチを食べ、猫作品専門のギャラリーを見て、充実感いっぱいの休日となりました。

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夏休み期間中、バラエティ豊かな公演が比較的安価で聴ける「サマーミューザ」、この日はオーケストラ・アンサンブル・金沢による「パイプオルガンとオーケストラの饗宴」(2017.7.23 ミューザ川崎)、指揮は本オーケストラの音楽監督も務めているマエストロ、井上道義です。指揮者のおしゃべりが入ったり、自ら拍手して盛り上げるなど、井上さんならではの演出が楽しめました。

前半1曲目は、フランス人オルガニストティエリー・エスキシュさんの即興ソロ。井上さんから与えられたテーマはゴジラ、あのおなじみの旋律が随所に顔を出しながら、繊細に美しく大胆に迫力ある、パイプオルガンの魅力を存分に引き出す演奏でした。

2曲目はシューベルトの交響曲「未完成」。楽器編成の少ない地方オーケストラ、低音で始まるこの曲の聴き所を押さえて、真ん中にコントラバスとチェロ、左側にその他弦楽器、右側に管楽器を配しています。とにかく音色が美しいオーケストラだと思いました。その優美さは、まさに金沢のイメージにぴったりだと…まだ行ったことのない街ですが。オケの音が良ければ、あとは巨匠の指揮する名曲を深く味わうだけです。心に染み入る演奏でした。

3曲目の前に通常の配置へ戻すため、少し時間がありましたが、スタッフの鮮やかな手際も見所とする演出。
そしてサン・サーンスのチェロ協奏曲第1番、独奏のルドヴィート・カンタさんはスロバキア出身の同楽団主席チェリストで、堅実な演奏がこのオケのレベルの高さを知らしめてくれます。フランスらしい洗練された美しさの曲でした。アンコールに応えてバッハの無伴奏チェロ組曲第2番から、温かい印象の演奏で、心地よく前半は終了です。

後半はエスケシュさん作曲・自演のオルガン協奏曲第3番「時の4つの顔」。音楽の歴史をたどるように作曲したという大作です。全4楽章でバロック以前の雰囲気からロマン派、現代へと近づいていく曲調の変遷を、荘厳なパイプオルガンと、管弦楽のハーモニーと、3人の奏者による打楽器群を使ってダイナミックに描いた、素晴らしく聴き応えのある演奏でした。嘱託で書かれたという曲は、流麗だった前半とはまた別の、このオーケストラの魅力を引き出していたと思います。もちろん、指揮者の腕の見せ所ですが…井上さんはかっこよかった。

個人的には3日連続の(または8日で4回の)ライヴ・コンサート、身体は疲れましたが心が満たされた、真夏の音楽旅行となりました。
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長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
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