忍者ブログ
つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
[91]  [90]  [89]  [88]  [87]  [86]  [85]  [84]  [83]  [82]  [81
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「仙丹の契り 僕僕先生-8」仁木英之(新潮社)

間に外伝(童子の輪舞曲)が入っていたせいでしょうか、ずいぶんと久し振りな気がするシリーズ新作です。旅路はついに吐蕃(チベット)へとたどり着き、その前に薄妃と蒼芽香が抜けたので僕僕が紅一点となって、物語の終わりも近くなってきたのかもと思わせます。
このシリーズも初期はのんびりした冒険コメディの風情でしたが、次第に世界の理へと近づいて、この巻ではかなり骨太な展開が繰り広げられました。それも主人公・王弁君のひそかな成長とともに世界の在り様も変化してきたという感じです。
他の仁木作品も大半を読んできましたが、歴史物でもファンタジーでも現代の若者たちを描いていても、常に今を生きる人へのメッセージが込められている、しっかりとした作家だと思いますが、やはり僕僕先生シリーズはその原点であり、集大成にもなりそうな気がします。

本巻は帯や広告でも煽っていた、王弁と僕僕がついに交わるということよりも、王弁が一国の危機を救えるかという大きな話でした。そうした緊張感が高まった中でついに…となるわけですが、どうにも僕僕にツンデレ美少女仙人の魅力が薄れてしまっていて、いまひと昂まれないのが残念なところです。しょせんは神仙、元から人間とは次元が違うのだから仕方ないところですが。
その分、人間たちのストレートな感情が絡み合うストーリーの面白さに引き込まれ、楽しめたのは良かったのです。のんびりとしていて騙されやすい王弁が、人の良さで周囲に影響を与えていくのは、素直に喜ばしく感じられます。それを利用する人や騙す人がいても、自分の想いに忠実に生きられるのは素晴らしい人間性だと思います。これまでの巻では、王弁がもう少し魅力的ならと思っていましたが、評価が逆転しました。
また新たに強烈なキャラクターの道連れもできて、旅路は長安へと向かいます。やがては別れた仲間たちとも合流し、オールスターキャストでの最終決戦になるでしょうか。楽しみです。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新CM
[06/01 WaxJelia]
[01/25 本が好き!運営担当]
[03/27 うらたじゅん]
[10/28 のりこ]
[08/04 つばめろま〜な]
最新TB
プロフィール
HN:
つばめろま〜な
性別:
男性
趣味:
絵・音・文・歩
自己紹介:
長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
■マンガ作品  COMEE
http://www.comee.jp/userinfo.php?userid=1142
■イラスト作品 pixiv
https://www.pixiv.net/users/31011494
■音楽作品   YouTube
https://www.youtube.com/channel/UChawsZUdPAQh-g4WeYvkhcA
■近況感想雑記 Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100005202256040
バーコード
ブログ内検索
P R
忍者アナライズ
忍者アナライズ
忍者アナライズ
忍者アナライズ
忍者ブログ [PR]