つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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ロシアのピアニスト、ユリアンナ・アヴデーエワのピアノリサイタルを聴きました。家から徒歩で行ける、鎌倉芸術館の大ホールでやると知って、これは聴かねばと思った次第です。
ぜひ行きたいと思った理由、ひとつには、私の大好きなロシアの若い音楽家であること。もうひとつは、前回2010年ショパン国際コンクールで、45年ぶりの女性優勝者となったアヴデーエワ、かつてはブーニンが優勝したときのNHKのドキュメンタリー番組で、その後は漫画「ピアノの森』や小説「いつまでもショパン」などで描かれてきたショパン・コンクールの優勝者ということで興味がありました。
前情報はそんなところ、実際の演奏を録音でも映像でも聴いていなかったので、チケットを買ってからネット検索してみれば、素晴らしいという人と期待はずれという人の感想が出てきますので、期待と不安の両方が渦巻きます。前日にNHKテレビのクラシック番組でモーツァルトのコンチェルトが放映されていましたが、演奏はあえて見ずにインタビュー部分だけ少し見て、容姿と音楽への姿勢だけは確認。期待が上回ったところで開演を待つことになりました。
○1曲目はモーツァルト、【ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 K.284「デュルニッツ」】。
私はこの作曲家が苦手で退屈に思ってしまうのですが、アヴデーエワは実に軽やかで楽しそうに弾きます。彼がどうして天才と言われたのか、このあとの演目となっているリストやショパンも大きな影響を受けたというのがどうしてなのか、感じることのできる素晴らしい演奏でした。
○2曲目、3曲目はリスト。この作曲家は好きです。ピアノの超絶技巧で知られますが、叙情的な曲が多くて心に広がってくる気がするのです。
【ヴェルディ《アイーダ》より 神前の踊りと終幕の二重唱 S.436】は、きらびやかな音で満たされる荘厳な感じ、ともすれば色彩に目が眩むようになりそうなところ、一音一音を大切に弾くアヴデーエワは曲の輪郭をくっきりと描いている、と思いました。(この曲の他の人の演奏を聴いたことがないので比較ではなく、あくまで主観です。)
【巡礼の年 第2年「イタリア」から ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲】は、打って変わって重く激しい曲。これは圧巻でした。低音部をパワフルに打鍵しながら、その奥の深慮が感じられます。楽譜と向き合い、作曲家の意図を感じ取るのが好きだというアヴデーエワだからこその演奏かもしれません。感性や個性が際だった演奏も好きですが、この人が理知的なピアニストと言われて評価されている優れたところでしょう。
休憩をはさんで、後半はショパン。ショパンコンクール優勝者だけに、やはり大きな楽しみです。
【24の前奏曲 作品28】、短くてエッセンスが凝縮された曲が次々と、時には間を開けずに演奏されていきます。前のリストのように派手さはないけれど、作曲家の発想の原点が見れるようで興味深く、きっと弾いている人はもっと楽しいのだろうと思いました。一曲ごとに異なる個性を明確に繊細に弾き分けていきながら、全体として一つの曲にまとめあげ、フィニッシュには爽快感がある好演でありました。
アンコールは3曲、ショパンの【ノクターン 第4番 ヘ長調 op.15-1】【マズルカ 第20番 変ニ長調 op.30-3】【マズルカ 第23番 ニ長調 op.33-2 】。万雷の拍手に対してはにかみながらもニコニコと、嬉しそうに応えてくれるアヴデーエワさんが温かくステキでした。
29歳の女性ピアニストですが、モノトーンの光沢のあるスーツに黒のパンツスタイル、決して美人ではないけれど笑顔が素敵な、派手ではないけれど音楽家としての真摯さが全身に現れているような、そして音楽にもそうした魅力があふれている、素晴らしいピアニストです。ロシアらしい泥臭さがあまりなく洗練された演奏で、ただ感動に震えさせられるだけではない、幸せな気持ちにしてくれるコンサートでした。
販売されていたCDの中で、「第16回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ」を買ってきましたが、ショパンのピアノ協奏曲1・2番も欲しかった…またそのうち。サイン会は行列が長いので諦めて、身近でお顔を拝見するだけで帰ってきました。今後、どんな曲を弾かれるのか…今回の来日の別プログラムにあったプロコフィエフや、バッハなども聴いてみたいと思ってしまう、すっかりファンになった私でありました。
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ぜひ行きたいと思った理由、ひとつには、私の大好きなロシアの若い音楽家であること。もうひとつは、前回2010年ショパン国際コンクールで、45年ぶりの女性優勝者となったアヴデーエワ、かつてはブーニンが優勝したときのNHKのドキュメンタリー番組で、その後は漫画「ピアノの森』や小説「いつまでもショパン」などで描かれてきたショパン・コンクールの優勝者ということで興味がありました。
前情報はそんなところ、実際の演奏を録音でも映像でも聴いていなかったので、チケットを買ってからネット検索してみれば、素晴らしいという人と期待はずれという人の感想が出てきますので、期待と不安の両方が渦巻きます。前日にNHKテレビのクラシック番組でモーツァルトのコンチェルトが放映されていましたが、演奏はあえて見ずにインタビュー部分だけ少し見て、容姿と音楽への姿勢だけは確認。期待が上回ったところで開演を待つことになりました。
○1曲目はモーツァルト、【ピアノ・ソナタ 第6番 ニ長調 K.284「デュルニッツ」】。
私はこの作曲家が苦手で退屈に思ってしまうのですが、アヴデーエワは実に軽やかで楽しそうに弾きます。彼がどうして天才と言われたのか、このあとの演目となっているリストやショパンも大きな影響を受けたというのがどうしてなのか、感じることのできる素晴らしい演奏でした。
○2曲目、3曲目はリスト。この作曲家は好きです。ピアノの超絶技巧で知られますが、叙情的な曲が多くて心に広がってくる気がするのです。
【ヴェルディ《アイーダ》より 神前の踊りと終幕の二重唱 S.436】は、きらびやかな音で満たされる荘厳な感じ、ともすれば色彩に目が眩むようになりそうなところ、一音一音を大切に弾くアヴデーエワは曲の輪郭をくっきりと描いている、と思いました。(この曲の他の人の演奏を聴いたことがないので比較ではなく、あくまで主観です。)
【巡礼の年 第2年「イタリア」から ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲】は、打って変わって重く激しい曲。これは圧巻でした。低音部をパワフルに打鍵しながら、その奥の深慮が感じられます。楽譜と向き合い、作曲家の意図を感じ取るのが好きだというアヴデーエワだからこその演奏かもしれません。感性や個性が際だった演奏も好きですが、この人が理知的なピアニストと言われて評価されている優れたところでしょう。
休憩をはさんで、後半はショパン。ショパンコンクール優勝者だけに、やはり大きな楽しみです。
【24の前奏曲 作品28】、短くてエッセンスが凝縮された曲が次々と、時には間を開けずに演奏されていきます。前のリストのように派手さはないけれど、作曲家の発想の原点が見れるようで興味深く、きっと弾いている人はもっと楽しいのだろうと思いました。一曲ごとに異なる個性を明確に繊細に弾き分けていきながら、全体として一つの曲にまとめあげ、フィニッシュには爽快感がある好演でありました。
アンコールは3曲、ショパンの【ノクターン 第4番 ヘ長調 op.15-1】【マズルカ 第20番 変ニ長調 op.30-3】【マズルカ 第23番 ニ長調 op.33-2 】。万雷の拍手に対してはにかみながらもニコニコと、嬉しそうに応えてくれるアヴデーエワさんが温かくステキでした。
29歳の女性ピアニストですが、モノトーンの光沢のあるスーツに黒のパンツスタイル、決して美人ではないけれど笑顔が素敵な、派手ではないけれど音楽家としての真摯さが全身に現れているような、そして音楽にもそうした魅力があふれている、素晴らしいピアニストです。ロシアらしい泥臭さがあまりなく洗練された演奏で、ただ感動に震えさせられるだけではない、幸せな気持ちにしてくれるコンサートでした。
販売されていたCDの中で、「第16回ショパン国際ピアノ・コンクール・ライヴ」を買ってきましたが、ショパンのピアノ協奏曲1・2番も欲しかった…またそのうち。サイン会は行列が長いので諦めて、身近でお顔を拝見するだけで帰ってきました。今後、どんな曲を弾かれるのか…今回の来日の別プログラムにあったプロコフィエフや、バッハなども聴いてみたいと思ってしまう、すっかりファンになった私でありました。
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自己紹介:
長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
■マンガ作品 COMEE
http://www.comee.jp/userinfo.php?userid=1142
■イラスト作品 pixiv
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