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「泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部」酒見賢一(文藝春秋)

酒見版三国志もついに最終刊です。600ページ超えといつにも増して分厚い本、持ち歩きは大変ですが読み応えがあって、長大な物語の締めくくりを楽しませてもらいました。前の刊で曹操、劉備、関羽、張飛と主要人物が死んでしまったので、ついに孔明の一人舞台、やっと軍師としての本領を発揮した活躍が描かれます。

とにかく強烈なキャラクター付けがされた孔明、最後まで変態性を保ったまま、しかしほかに有能な人材がいない国の事情から、政治も軍事も任されて真面目にやらざるを得ない状況となり、奇策の限りを尽くして頑張る姿がとても魅力的でした。南方遠征での孟獲とのエンドレスセブンな戦いはおかしくて印象に残るエピソードとなり、魏軍を火計で焼き殺すシーンは無慈悲な残虐さに戦慄し、主要キャラで唯一残っていた好漢・趙雲が死んだところでは涙し…そして孔明の死まで、濃いドラマがぎゅうぎゅうに詰まっています。

多くの文献をふまえて史実と虚構の解釈を加えながら、独自の孔明像を創り上げストーリーを展開していく酒見節は、三国志ビギナーにとっても非常に理解しやすく、二千年近く伝えら愛されてきた物語の魅力を存分に知らしめてくれました。酒見さんの作では、孔子の世を描いて森羅万象を明かしてくれるような「陋巷に在り」が私にとって生涯の傑作ですが、本作はエンターテイメントの味わい深さで別方向の傑作として心に残っていくことでしょう。

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長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
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