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谷山浩子コンサート40周年感謝祭
(2012年11月10日 東京国際フォーラムCホール)

15歳でシンガーソングライターとしてアルバムデビューした谷山さん、35周年の時にも行きましたが、あれからもう5年も経つのか、という感じです。かつては年に4〜5回も通った頃がありましたが、今は年に0〜2回。しかしいつまでも変わらない、いや、進化し続ける浩子さんであります。
今回は、自らの音楽人生を振り返るという自叙伝的な構成で、子供の時に作った歌から、最近の歌まで順々に21曲。王道曲が多いような気がしましたが、アンコールで2曲、さらに2度目のアンコールに応えてくれた時には、キワモノ的な「意味なしアリス」で締めて全24曲、ずっしりと聴き応えのある3時間となりました。
トークにおいては、いろいろと知らなかったこと、忘れていたことなども多く、アーティストとしての秘密にも迫る、貴重な内容を聞くことができました。作家としての側面も含めて敬愛する方ですが、常に自分の道を行くという姿勢に感銘します。それしかできないから、という言い様ではありますが、でもそれでここまで歌い続け作品を残し続けてきたのですから、常人のワガママを超越しているのだと。

1,500人収容のホールもチケット完売、年齢層はかなり高めと見受けました。なかには若い人もちらほら…ですが、このあたりはジャズのライヴ会場と似たようなものです。気になるのは、一人で来ている人が多いようなこと。私のところは夫婦ともに若い頃からの谷山ファンなので一緒に行きますが、実は万人受けする歌手ではないためでしょうか。
なぜ万人受けしないのか、それをこの日のコンサートを聴いて思えば、歌の濃密さゆえかと。1曲ずつに世界が詰まっている、どんなに軽快な曲調でも聞き流すことができない、哀しげな曲でも心地よく浸っていられない、そこがポップスの範疇からはみ出ていて、アートの分野となり感性の合わない人には居心地が悪いのかも。その濃密な音場を作るのは歌詞だけでなく、浩子さんのアルペジオで埋め尽くすピアノの弾き方にも表れているように感じます。
この日のバックはプロデューサーとしても関わってきた石井AQさんシンセ、山川恵津子さんコーラス、斉藤ネコさんバイオリン、そしてロック界から古川昌義さんギター、佐藤研二さんベース、高橋ロジャー和久さんドラムスの6人でしたが、いつも世界観をさらに深めるアレンジがされているので、人が増えても薄まることなくさらに密度を増していきます。そこが音楽好きにはたまらないのですが、音楽性の乏しい楽曲が多い世のヒットチャートの中で、耳が育っていない人にはよくわからない、のかもしれません。
一人で聴きに来ても居心地良い、感情的にも知的にも満ち足りる、ファンとしてはそんな空間を創り出し贈ってくれるのが、谷山浩子という存在であると思うのでした。

さて、この日心に残った曲を選べば、
「ほしのよる」…7歳で創った原点の歌、小さい頃からピアノをやってる子の中には、自分で作曲してみようと思う子もいます。でも、その後につながるのはごく少ない、そんな希少性。
「てんぷら☆さんらいず」…やっぱり、若き日に聴いていたオールナイトニッポンを思い出します、トークの後でしたので特に。
「ドッペル玄関」…まさに谷山浩子でしか作れない曲と詞の世界。しかしギャルゲーのテーマソングを意識して作られたとは。声優が歌ってもおもしろそうですね。
「さよならDINO」…CDで良い曲とは思っていましたが、歌詞を読み込んでなくて、恐竜の歌だったとは知らず。トークを聞いてから聴くと、また違った感触となりました。

★PRPGRAM★
  <FIRST STAGE>
1.「ほしのよる」 谷山ソロ
2.「クリスマスツリー」 谷山ソロ
3.「天使のつぶやき」 谷山ソロ
4.「お早うございますの帽子屋さん」 谷山&山川
5.「カントリーガール」 谷山&山川
6.「ねこの森には帰れない」 以下、谷山&山川&AQ&斉藤
7.「たんぽぽ食べて」
8.「恋するニワトリ」
9.「まっくら森のうた」
10.「てんぷら☆さんらいず」
11.「風になれ〜みどりのために」
   RECESS 15min.
  <SECOND STAGE>
12.「王国」 以下、谷山&山川&AQ&斉藤&古川&佐藤&高橋
13.「海の時間」
14.「ひとりでお帰り」
15.「カイの迷宮」
16.「ドッペル玄関」
17.「さよならのかわりに」
18.「電波塔の少年」
19.「よその子」
20.「さよならDINO」
21.「NANUK」
  <ENCORE>
22.「銀河通信」
23.「同じ月を見ている」
  <GRATITUDE>
24.「意味なしアリス」谷山ソロ


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ついでに、このブログでは公開していないので、35周年コンサートの時の感想も以下に記しておきます。もっと曲数が多かったのですね!

谷山浩子 創業三十五周年コンサート

15歳でデビューしてから35周年の浩子さん。そして私が彼女の素晴らしさを認識し、敬愛するようになってから25年。う~む。
今回のコンサートは、いつもとは違って彼女のアーティストとしての歴史を振り返るような構成と演出だったので、私のそんな25年が心に甦ってくる、そしてその時々の出来事や周囲に感じていた匂いのような感覚までが思い出される、不思議な感傷に捕らわれるステージでした。
35作以上のレコードやCDアルバムを手に入れ、初めの2年くらいはラジオ放送を毎週楽しみに聴取し、20冊近くの小説やエッセイの本を読み、30回前後のコンサートに足を運んできた…。う~む……。
毎年必ずアルバムを発表し続けている浩子さんの曲はいつも身近にあって、私の生きている時間と融合してしまっているのだとは、発表順を意識したメドレーを含めて歌われた全31曲を聴いて強く気づかされたことです。
谷山浩子抜きでは私の人生を語ることはできないと思いましたよ。尊敬する人物の一人でもあります。

コンサートとしては、浩子さんのピアノと石井AQのシンセの他に、古川昌義のギター、渡辺等のベース、山口とものドラムというバンド構成で音に生命感があふれていたし、さらにコーラスとして豪華にも岩男潤子と相曽晴日のふたりのシンガーソングライター、アンコールにはバイオリンの斎藤ネコも駆けつけて、厚みがあり楽しさが倍増するような演奏でした。
谷山浩子さんも年齢には見えないほど若々しくかわいらしいのですが(今日はけっこう遠目でした)、初めて生で見た元アイドルで人気声優の岩男潤子(遠目でしたが)、容姿も声もかわいかったです。得した気分。

場所は東京国際フォーラム、仕事関係ではよく訪れる場所ですが、コンサートでは初めて行きました。なかなか雰囲気も音も良いホールでした。

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