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「たまさか人形堂物語」津原泰水(文藝春秋)tamasaka1_.jpg

この続巻が本屋の新刊棚に並んでいたのを見て面白そうだと思い、まずは先の巻を手に入れました。この作者を読むのは「ブラバン」「バレエ・メカニック」に続いて3作目となりますが、いちばん読みやすくストレートに面白い1冊でした。
人形というテーマが私にとってはとても魅力的で、いろいろな人形にまつわる物語というのはこたえられないものです。熊のぬいぐるみ、チェコの人形劇、ラブドール、文楽人形、村上の古雛、青い目の人形、話のなかには大好きな(一緒に写真も撮ってもらった)プリンプリンも出てきて、悦ばしいことこの上なく。
幻想小説のカテゴリーで活躍してきた津原泰水の作風は明るいものではなく、殺人がらみなど陰鬱な雰囲気もあるのですが、ラストは前向きで楽しめる小説でした。人形というものは愛らしくも不気味な、心に幻想を掻き立てるものでありましょう、あえて小説としての世界観を構築することなくとも、人形が動いたり喋ったりすることがなくても、そのまま幻想的な小説となり得るのかもしれません。

人形もさることながら、物語を面白くしているのは登場人物の魅力でもあります。祖父から老舗の人形店を受け継いだ女性、従業員の人形職人2人、ラブドール制作会社の職人社長、資産家のコレクター…、癖の強い人たちと人形が絡み合えば、いくらでも話が創れそうです。数年経ったとはいえ、2巻目が書かれ刊行されたのは必然でありましょう。
あえて主人公を三十路の独身女性にしたところが、ライトノベルと違う方向での面白さになります。物語的には「ビブリア古書堂の事件簿」な感じなのですが、古書を出汁にした若くて美しくてミステリアスなヒロインとのロマンスにならず、人形を主体にしたストーリーの中でちょっとくたびれたヒロイン?が右往左往する現実(非ロマン)という面白さです。いや、まったく魅力がないわけではなく、情の深い愛すべきヒロインではありますが。
とにかく面白かったため、この感想を書き上げる前に続巻を手に入れて読了してしまいましたので、感想の続きもそちらに記そうと思います。

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