つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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以前のブログ「プリンセス・プリンプリンに会いに行く」を書いてから、ネットで調べて何年も前にCDが出ていたことを知ったのでした。放送していた当時から、CD化されないかと熱望していただけに、まったくもって不覚でした。
2枚組の1枚目には、番組で歌われてきた48曲が収録されています(ランカーのテーマ曲がないので、全部でないのは確か)。2枚目はシングルレコードやテープで発売された主要な歌が、番組用とは別の長いバージョンなどで録音されていました。ここまで充実したものまでは期待していなかったので、嬉しいこと限りなく。
夏に訪れた人形作家・友永氏の美術館で、深い静けさの中で気品をまといたたずんでいた膨大な数のキャラクターたちを見たとき、プリンプリン物語に惹かれていた理由を実感できましたが、こうして声を聴くと、また別の芝居としての番組が持っていた魅力を認識させられます。
DVDも出ているのだから、それを観れば一番良いではないかとも思いますが、たぶん違うのです。人形は人形として、歌は歌として向き合えたことで、本質が理解できたように思えます。
歌には不思議な魅力があります。歌手が本業ではない俳優や声優や、スポーツ選手までもがCDを発売しますが、その人(または役柄)の存在が込められていて、ファンにとってはその人の存在を手に入れられるような気がする、それはその人を撮った写真やその人の書いた文章以上に、心が繋がるように思える媒介物であると、私は考えているのですが。
さて、歌については、小六禮次郎のつくった曲のバラエティの豊かさ、古いものから当時の最新流行までを採り入れて、劇中のキャラクターや場所を表現していった的確さが際立っています。
そして、プリンプリン役の石川ひとみの歌唱力と楽しんで歌っている感じが素晴らしく、その他のキャラも一人何役もやりながら歌い分けているのが流石で(でもこれとこれは同じ人だったのだとわかるのも面白く)、音楽として聴くには多少耳障りなところもありますが、ファンとしては懐かしさだけではない発見も多くある、大満足なディスクでした。
ちなみに、付属ブックレットの石川ひとみのインタビューも、番組収録時の現場の様子が知れてたいへん興味深いものでした。歌は1度しか録音してなかったと…毎回、芝居の中で歌ってるのだとばかり思ってましたので。
私はまだアマゾンで新品を買えたので良かったですが、いずれ近いうちに品切れとなるでしょう。手に入れたい方はお早めに。
2枚組の1枚目には、番組で歌われてきた48曲が収録されています(ランカーのテーマ曲がないので、全部でないのは確か)。2枚目はシングルレコードやテープで発売された主要な歌が、番組用とは別の長いバージョンなどで録音されていました。ここまで充実したものまでは期待していなかったので、嬉しいこと限りなく。
夏に訪れた人形作家・友永氏の美術館で、深い静けさの中で気品をまといたたずんでいた膨大な数のキャラクターたちを見たとき、プリンプリン物語に惹かれていた理由を実感できましたが、こうして声を聴くと、また別の芝居としての番組が持っていた魅力を認識させられます。
DVDも出ているのだから、それを観れば一番良いではないかとも思いますが、たぶん違うのです。人形は人形として、歌は歌として向き合えたことで、本質が理解できたように思えます。
歌には不思議な魅力があります。歌手が本業ではない俳優や声優や、スポーツ選手までもがCDを発売しますが、その人(または役柄)の存在が込められていて、ファンにとってはその人の存在を手に入れられるような気がする、それはその人を撮った写真やその人の書いた文章以上に、心が繋がるように思える媒介物であると、私は考えているのですが。
さて、歌については、小六禮次郎のつくった曲のバラエティの豊かさ、古いものから当時の最新流行までを採り入れて、劇中のキャラクターや場所を表現していった的確さが際立っています。
そして、プリンプリン役の石川ひとみの歌唱力と楽しんで歌っている感じが素晴らしく、その他のキャラも一人何役もやりながら歌い分けているのが流石で(でもこれとこれは同じ人だったのだとわかるのも面白く)、音楽として聴くには多少耳障りなところもありますが、ファンとしては懐かしさだけではない発見も多くある、大満足なディスクでした。
ちなみに、付属ブックレットの石川ひとみのインタビューも、番組収録時の現場の様子が知れてたいへん興味深いものでした。歌は1度しか録音してなかったと…毎回、芝居の中で歌ってるのだとばかり思ってましたので。
私はまだアマゾンで新品を買えたので良かったですが、いずれ近いうちに品切れとなるでしょう。手に入れたい方はお早めに。
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音楽に限らないことですが、場所が心に与える影響というのはとても大きなものです。
好きなホール、好きなライヴハウス、初めての場所、めったに聴けない場所。くつろいで聴くのと、緊張して聴くのと、場の雰囲気に包まれて聴くのでは、同じ演奏を聴いてもまったく印象が異なるのは当たり前のことでしょう。
私が好きなホール、ずいぶんご無沙汰していますが、青山円形劇場。ステージを360度客席が取り囲むというスタイルは、観ながら観られるという緊張感がありますが、アットホームな雰囲気を生み出す、希有な劇場です。谷山浩子とさねよしいさこのコンサートで15回くらい聴きに行きましたが、芝居も5回くらい観ています。
音楽よりは演劇主体ですが、銀座小劇場は、狭いのに段状に設置された座席が見やすく、アングラ的なムードも漂う場所で、ここで聴いた津軽三味線ジャズの佐藤通弘やボイスの天鼓といったフリー系のミュージシャンの演奏が20年以上経った今でも心に残ります。
好きなライヴハウスは、関内のエアジン、吉祥寺のマンダラ2、外苑前の南青山マンダラ、新宿ピットインといったところ。好きなミュージシャンが出演するということが大きいのですが、常に既製でない音楽を聴かせようとする店の在り方と、それを信頼して聴きにくるお客さん、だから自由に演奏できるミュージシャンが三位一体となって、幸福な時間が生まれるような気がします。
エアジンにはじめて行った時、板橋文夫の演奏にはじめて出会った時でもあるのですが、すごく大人な空間だと思いました。酒とともに音楽を味わえる場所。一人で知らないバーに行くのはなかなかハードルが高いけれど、そこに音楽があれば気軽に足を運べるというものです。以前はタバコの煙がつらかったのですが、神奈川県の禁煙条例の恩恵で、原則禁煙になったのもうれしい限りです。
いろんな場所で聴けるということでは、横浜ジャズプロムナード。第一回から毎年通っているフェスティバル、年ごとに使用する会場も少しずつ変わって来ました。イギリス館やゲーテ座(初期の頃)、赤レンガ倉庫、開港記念館(今でも)などなど、歴史的な建造物で聴くジャズはそれだけで音の厚みが増すような気がします。演奏者の気持ちの入り方も違ってくるでしょうから。
都電ライヴというのも聴きました。都電1両を貸切の車内で、演奏者と観客が街中の走り去る景色を見ながら一体となって楽しめる、素敵な空間でした。屋外での音楽フェスティバルは行ったことがありませんが(演劇系の屋外公演なら、何度も体験してるのですが)、時々街角などでの演奏を目にすることもあり、閉じられた空間でない良さがあります。写真は大船観音寺の「ゆめ観音」というイベント、こんな感じも好きです。
レコードやCDやDVDも良いですが、やはり音楽は生が一番であるのは間違いのないところ。ステキな演奏との出会いとともに、ステキな場所との出会いも、記憶に深く刻まれて人生を豊かにしてくれるはずです。
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好きなホール、好きなライヴハウス、初めての場所、めったに聴けない場所。くつろいで聴くのと、緊張して聴くのと、場の雰囲気に包まれて聴くのでは、同じ演奏を聴いてもまったく印象が異なるのは当たり前のことでしょう。
私が好きなホール、ずいぶんご無沙汰していますが、青山円形劇場。ステージを360度客席が取り囲むというスタイルは、観ながら観られるという緊張感がありますが、アットホームな雰囲気を生み出す、希有な劇場です。谷山浩子とさねよしいさこのコンサートで15回くらい聴きに行きましたが、芝居も5回くらい観ています。
音楽よりは演劇主体ですが、銀座小劇場は、狭いのに段状に設置された座席が見やすく、アングラ的なムードも漂う場所で、ここで聴いた津軽三味線ジャズの佐藤通弘やボイスの天鼓といったフリー系のミュージシャンの演奏が20年以上経った今でも心に残ります。
好きなライヴハウスは、関内のエアジン、吉祥寺のマンダラ2、外苑前の南青山マンダラ、新宿ピットインといったところ。好きなミュージシャンが出演するということが大きいのですが、常に既製でない音楽を聴かせようとする店の在り方と、それを信頼して聴きにくるお客さん、だから自由に演奏できるミュージシャンが三位一体となって、幸福な時間が生まれるような気がします。
エアジンにはじめて行った時、板橋文夫の演奏にはじめて出会った時でもあるのですが、すごく大人な空間だと思いました。酒とともに音楽を味わえる場所。一人で知らないバーに行くのはなかなかハードルが高いけれど、そこに音楽があれば気軽に足を運べるというものです。以前はタバコの煙がつらかったのですが、神奈川県の禁煙条例の恩恵で、原則禁煙になったのもうれしい限りです。
いろんな場所で聴けるということでは、横浜ジャズプロムナード。第一回から毎年通っているフェスティバル、年ごとに使用する会場も少しずつ変わって来ました。イギリス館やゲーテ座(初期の頃)、赤レンガ倉庫、開港記念館(今でも)などなど、歴史的な建造物で聴くジャズはそれだけで音の厚みが増すような気がします。演奏者の気持ちの入り方も違ってくるでしょうから。
都電ライヴというのも聴きました。都電1両を貸切の車内で、演奏者と観客が街中の走り去る景色を見ながら一体となって楽しめる、素敵な空間でした。屋外での音楽フェスティバルは行ったことがありませんが(演劇系の屋外公演なら、何度も体験してるのですが)、時々街角などでの演奏を目にすることもあり、閉じられた空間でない良さがあります。写真は大船観音寺の「ゆめ観音」というイベント、こんな感じも好きです。
レコードやCDやDVDも良いですが、やはり音楽は生が一番であるのは間違いのないところ。ステキな演奏との出会いとともに、ステキな場所との出会いも、記憶に深く刻まれて人生を豊かにしてくれるはずです。
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小学校の1年から5年まで、ピアノを習っていました。ちょうどバイエルを終了したところでやめたのですが、練習が嫌いでなかなか身につかない子どもでした。一緒に3歳の時から習い始めた妹は、ずっと続けてきてかなりの弾き手になっているのと比較すると、才能なのか根性なのか、私に足りないものがあることを思い知らされるのですが。
ただ、無理して続けるのは良くない、音楽は自発性が大切であるとは、今になって思うことです。幸いにも、私には次のステージがありました。
まずは、ケーナ。フォルクローレに使われる葦の縦笛で、南米の音楽にはまっていた高校生の頃、最初の1本を楽器店で購入しました。その後2本を楽器店で、ほかは路上販売やワールドバザールなどの場で見つけてはほしくなり、今では大小7本を持っています。最近買ったのは牛の骨で作ったもので、とても力強い音が出るのですが…長くやっている分、いちばん自由に吹き鳴らせる楽器なのです。
ケーナをきっかけに、世界の民俗楽器を鳴らしてみたいと思った私は、収集癖にとりつかれました。笛を中心として、弦楽器や打楽器にも手を伸ばし・・気づくとかなりの数です。今のようにネット通販で手に入る環境がなかったので、輸入雑貨店をずいぶんと回りました。楽器としての音の魅力とともに、実用民芸品としての素朴な美しさも魅力ですから、やはり通販ではなく実物を見た時に欲しいと感じるインスピレーションが大切な気がします。
もう一つのきっかけは、高校の時にブラバン部を作ろうかという話に加わったことでした。すぐに頓挫したし良い思い出もあまりないのですが、ここでフルートに出会えました。その後、大学の合格祝いとして父にフルートを買ってもらうと、レコードに合わせて吹くということで演奏に慣れていきました。民俗楽器ではうまく音程が合わないけれど、やはり西洋楽器は表現の幅が広くなると思います。
その後は、MIDI系の電子楽器(鍵盤、打楽器、ウィンドなど)をいろいろと買ったり、うまく弾けないのに弦楽器を買ったり(ギター、バイオリン、ベースなど)クラリネットもトランペットも。
かつてはDTMにも挑戦しようと思ってちょっと高いソフトも買いましたが、これはもう、まったく使い方がわからず、そもそも楽器を即興で自由に鳴らすのが楽しいわけで、私のMACはせいぜい録音したものをCDに焼くくらいしか音楽との接点を持ってきませんでした。
そんなふうに楽器を集めてきた私は、人前で演奏するような機会はなく、たまに録音したものを作品として聴いてもらうためにカセットブックやCDブックにすることで発表の場としてきました。しかし、いつかはライヴをしてみたい、その野望は常にもち続けているのです。楽器の技術は下手でも、私にしか演奏できない音楽世界がある、それは絶対に確かなことなのですから。
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ただ、無理して続けるのは良くない、音楽は自発性が大切であるとは、今になって思うことです。幸いにも、私には次のステージがありました。
まずは、ケーナ。フォルクローレに使われる葦の縦笛で、南米の音楽にはまっていた高校生の頃、最初の1本を楽器店で購入しました。その後2本を楽器店で、ほかは路上販売やワールドバザールなどの場で見つけてはほしくなり、今では大小7本を持っています。最近買ったのは牛の骨で作ったもので、とても力強い音が出るのですが…長くやっている分、いちばん自由に吹き鳴らせる楽器なのです。
ケーナをきっかけに、世界の民俗楽器を鳴らしてみたいと思った私は、収集癖にとりつかれました。笛を中心として、弦楽器や打楽器にも手を伸ばし・・気づくとかなりの数です。今のようにネット通販で手に入る環境がなかったので、輸入雑貨店をずいぶんと回りました。楽器としての音の魅力とともに、実用民芸品としての素朴な美しさも魅力ですから、やはり通販ではなく実物を見た時に欲しいと感じるインスピレーションが大切な気がします。
もう一つのきっかけは、高校の時にブラバン部を作ろうかという話に加わったことでした。すぐに頓挫したし良い思い出もあまりないのですが、ここでフルートに出会えました。その後、大学の合格祝いとして父にフルートを買ってもらうと、レコードに合わせて吹くということで演奏に慣れていきました。民俗楽器ではうまく音程が合わないけれど、やはり西洋楽器は表現の幅が広くなると思います。
その後は、MIDI系の電子楽器(鍵盤、打楽器、ウィンドなど)をいろいろと買ったり、うまく弾けないのに弦楽器を買ったり(ギター、バイオリン、ベースなど)クラリネットもトランペットも。
かつてはDTMにも挑戦しようと思ってちょっと高いソフトも買いましたが、これはもう、まったく使い方がわからず、そもそも楽器を即興で自由に鳴らすのが楽しいわけで、私のMACはせいぜい録音したものをCDに焼くくらいしか音楽との接点を持ってきませんでした。
そんなふうに楽器を集めてきた私は、人前で演奏するような機会はなく、たまに録音したものを作品として聴いてもらうためにカセットブックやCDブックにすることで発表の場としてきました。しかし、いつかはライヴをしてみたい、その野望は常にもち続けているのです。楽器の技術は下手でも、私にしか演奏できない音楽世界がある、それは絶対に確かなことなのですから。
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私が幼少の時から、家にはオープンリールのテープレコーダーがありました。カセットテープより音質が良いとオーディオマニアに人気だったようなものではなく、まだカセットテープも誕生していない頃のモノラル録音機でありました。赤ん坊の私の泣き声や、童謡を歌う天使のような声が残されていましたが、やがて重く大きな機械とともにテープもなくなってしまいました。
誰もが気軽に録音できてしまうカセットテープというのは、本当に凄い発明だったと思います。ラジカセを買ったのは、中学3年くらいの時だったか。アニメ「けいおん!」の軽音部の部室にあったのと同じミキシングができる機種です。中学1年の時からBCLという、海外のラジオ放送を受信して聴くという趣味にはまり、それ用のラジオを買ったりしていましたが、録音可能な機種(まだモノラル録音機でしたが)は後からになりました。
当時は、エアチェックというものが当たり前でした。すなわち、FMの音楽番組で放送される曲をテープに録音して聴くというものです。そのために、2週間分の番組表が載っているFM雑誌を買って、聴きたい曲が放送される日をチェックするということを多くの人がやっていました。
私が主に聴いていたのは、映画音楽です。そんなに映画自体を見るわけではなかったのに。それでも、NHKFMで月に一回放送されていた関ミツオさんの放送が楽しみで、映画の筋を聞いて、その音楽を聴くだけでとても夢が広がるものでした。それと同時に、映画音楽と一括りにして聴いていましたが、中にはクラシックもジャズもロックもイージーリスニングも民謡も・・ありとあらゆるジャンルの音楽があって、私になんでも聴ける感性を与えてくれました。
当時はNHKも民放FMも、しっかりと音楽を聴かせてくれて、文化を発信するという気概にあふれていた気がします。今の民放FM曲は、文化としての音楽を壊しているとしか思えませんし、NHKもマンネリな感じで非常に憂慮すべき事態だと思えるのですが。そのあたりはまたの機会に。
次にラジカセが大活躍したのは、大学生の頃、谷山浩子のオールナイトニッポンを毎週録音していた時です。当時のラジカセはオートリバース機能などなく、深夜3時から始まる2時間番組を120分テープで録るために、スタートは電源タイマーで、4時前に目覚ましをかけて時計が鳴る、起きる、テープを裏返して録音ボタンを押して、また寝る、ということを毎週木曜日に番組終了までの1年くらい続けていました。当時のAM放送も、モノラルでした。
CDが登場した時、レコードと違ってディスクを裏返さないで聴けるのが便利だと思いましたが、カセットテープからMDになった時にも同じことを思いました。今では小さなカードメディアに何時間でも録音できてしまう、それはすごいことです。(かさばらない、音が良い、耐久性が良い、というのも素晴らしい)
でも、裏返す行為にも意味がありました。自分でカセットブックを作った時、A面とB面という大きな括りでのコンセプトを考えるため、全体としての流れが構成しやすかったということがあります。それはプロのミュージシャンがレコードアルバムを作る時にも言えたことです。あのアルバムのA面よりB面のコンセプトが好き、とかは、よくあったことです。
音楽がデジタル化されてから、多くの曲をシャッフル機能を使ってランダムに聴くようなことも増えたと思いますが、それはやはりBGMとしての聴き方であって、アーティストの作品を鑑賞するという形ではないように思えてしまいます。とはいいつつ、私も最近では腰を据えてじっくりとアルバムを聴き込むようなことがなくなっていて、喪失感があるのですが。
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誰もが気軽に録音できてしまうカセットテープというのは、本当に凄い発明だったと思います。ラジカセを買ったのは、中学3年くらいの時だったか。アニメ「けいおん!」の軽音部の部室にあったのと同じミキシングができる機種です。中学1年の時からBCLという、海外のラジオ放送を受信して聴くという趣味にはまり、それ用のラジオを買ったりしていましたが、録音可能な機種(まだモノラル録音機でしたが)は後からになりました。
当時は、エアチェックというものが当たり前でした。すなわち、FMの音楽番組で放送される曲をテープに録音して聴くというものです。そのために、2週間分の番組表が載っているFM雑誌を買って、聴きたい曲が放送される日をチェックするということを多くの人がやっていました。
私が主に聴いていたのは、映画音楽です。そんなに映画自体を見るわけではなかったのに。それでも、NHKFMで月に一回放送されていた関ミツオさんの放送が楽しみで、映画の筋を聞いて、その音楽を聴くだけでとても夢が広がるものでした。それと同時に、映画音楽と一括りにして聴いていましたが、中にはクラシックもジャズもロックもイージーリスニングも民謡も・・ありとあらゆるジャンルの音楽があって、私になんでも聴ける感性を与えてくれました。
当時はNHKも民放FMも、しっかりと音楽を聴かせてくれて、文化を発信するという気概にあふれていた気がします。今の民放FM曲は、文化としての音楽を壊しているとしか思えませんし、NHKもマンネリな感じで非常に憂慮すべき事態だと思えるのですが。そのあたりはまたの機会に。
次にラジカセが大活躍したのは、大学生の頃、谷山浩子のオールナイトニッポンを毎週録音していた時です。当時のラジカセはオートリバース機能などなく、深夜3時から始まる2時間番組を120分テープで録るために、スタートは電源タイマーで、4時前に目覚ましをかけて時計が鳴る、起きる、テープを裏返して録音ボタンを押して、また寝る、ということを毎週木曜日に番組終了までの1年くらい続けていました。当時のAM放送も、モノラルでした。
CDが登場した時、レコードと違ってディスクを裏返さないで聴けるのが便利だと思いましたが、カセットテープからMDになった時にも同じことを思いました。今では小さなカードメディアに何時間でも録音できてしまう、それはすごいことです。(かさばらない、音が良い、耐久性が良い、というのも素晴らしい)
でも、裏返す行為にも意味がありました。自分でカセットブックを作った時、A面とB面という大きな括りでのコンセプトを考えるため、全体としての流れが構成しやすかったということがあります。それはプロのミュージシャンがレコードアルバムを作る時にも言えたことです。あのアルバムのA面よりB面のコンセプトが好き、とかは、よくあったことです。
音楽がデジタル化されてから、多くの曲をシャッフル機能を使ってランダムに聴くようなことも増えたと思いますが、それはやはりBGMとしての聴き方であって、アーティストの作品を鑑賞するという形ではないように思えてしまいます。とはいいつつ、私も最近では腰を据えてじっくりとアルバムを聴き込むようなことがなくなっていて、喪失感があるのですが。
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【つばめ☆音楽随考:音楽についてもろもろ体験してきたことや
考えることなどを、まにまに書き綴ってまいります。
対するご意見や、新たなお題なども頂戴いたしたく存じます。】
私の子供の頃から話しをはじめましょう。
家には、立派なステレオがありました。当時、金持ちでもないのにそんな音響機器がある家はあまりなかったかと思います。クラシック音楽が好きな父は、学生時代からレコードを集めて、友達と鑑賞会を開いたりしたと聞いていましたが、まだ戦後復興期といえる時代。だから家にあるレコードは半分くらいがモノラル盤でした。
父が聴くレコードを、私も赤ん坊の時から耳の端で聴いていたことになります。大人になってから尋ねると、一番好きなのはチャイコフスキーの悲愴だと言っていました。私がロシア的な感性を愛するのは、そこから始まったのかもしれません。そんなわけで父の葬儀の時には会場に悲愴のCDをかけてもらったのですが、あまりにも重々しい曲で場が暗くなり過ぎると配慮してくれた葬儀社の人が、途中で別のCDに変えてしまいました。音楽のTPOはなかなか難しいものです。
父の死後、家を住み変えることになった時、半分以上のレコードを廃棄処分しました。ネットオークションにも出してみましたが、なかなか売れるものではなく。今になって、惜しかったという気持ちもあるのですが、かさばるので仕方ありません。
父の遺産として一番の宝物は、立派な本にLPが2枚ずつ付いているクラシック全集です。バッハからショスタコーヴィチまで、作曲家ごとにまとめられた全集は、中学生の頃に貰い受け、聴き込みました。ビクターが出していたため、提携していたソ連のメロディアレコードの録音が多く、これも私にロシア的感性を植え付けた要員の一つになっていると思います。ロシアの作曲家も、演奏家も、ずっしりと大地に根を下ろしたような重厚さが、今でも大好きなのです。
私も中学から大学2年くらいまでは、ずいぶんとレコードを集めました。音楽的な好奇心が旺盛だったあの頃、レコード屋は夢のつまった場所でした。ロシアの音楽家のレコードも買いましたが、最初に買ったのは、マンボの王様と呼ばれるペレス・プラード。その情熱的な音楽は少年期の私の心にエネルギーを与えてくれました。
それを入り口にラテン系のレコードを集め、フォルクローレから世界の民族音楽へも広がり、アメリカではなく第三世界のジャズミュージシャンに行き着きました。すべては、レコード屋でジャケットを見て帯の文を読んで買って行ったもので、試聴も何もなく本当に賭けみたいなもの、当たり外れもありましたが、自分の音楽耳を育てるのに良い経験だったと思います。
自分でCDプレーヤーを買うまでの間に、ずいぶんといろいろな分野のレコードを買いました。井上陽水も、谷山浩子も、途中まではレコードです。CDが全盛になってからも、ソ連直輸入のレコード店ではまだアナログの方が多かったので、ソ連のロックやジャズも買いました。希少なコレクションであると、自分では思っています。
レコードを聴くのは、CDなどとは違う独特の間があります。ジャケットから大きな盤を取り出して、両手でプレイヤーにセットし、スプレーを噴射してその香りを嗅ぎながらクリーナーでくるっとひと拭き、針を盤面の端っこにそっと下ろす。その瞬間のブツッという音、そしてパチパチいう雑音の中から沸き上がってくる深い音色。一連の手順は、音楽を聴くための儀式のような感じです。今ではごくたまにしか聴きませんが、古い大切な記憶を掘り起こすような想いでいっぱいになり、至福の時間を味わうことができるのです。
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考えることなどを、まにまに書き綴ってまいります。
対するご意見や、新たなお題なども頂戴いたしたく存じます。】
私の子供の頃から話しをはじめましょう。
家には、立派なステレオがありました。当時、金持ちでもないのにそんな音響機器がある家はあまりなかったかと思います。クラシック音楽が好きな父は、学生時代からレコードを集めて、友達と鑑賞会を開いたりしたと聞いていましたが、まだ戦後復興期といえる時代。だから家にあるレコードは半分くらいがモノラル盤でした。
父が聴くレコードを、私も赤ん坊の時から耳の端で聴いていたことになります。大人になってから尋ねると、一番好きなのはチャイコフスキーの悲愴だと言っていました。私がロシア的な感性を愛するのは、そこから始まったのかもしれません。そんなわけで父の葬儀の時には会場に悲愴のCDをかけてもらったのですが、あまりにも重々しい曲で場が暗くなり過ぎると配慮してくれた葬儀社の人が、途中で別のCDに変えてしまいました。音楽のTPOはなかなか難しいものです。
父の死後、家を住み変えることになった時、半分以上のレコードを廃棄処分しました。ネットオークションにも出してみましたが、なかなか売れるものではなく。今になって、惜しかったという気持ちもあるのですが、かさばるので仕方ありません。
父の遺産として一番の宝物は、立派な本にLPが2枚ずつ付いているクラシック全集です。バッハからショスタコーヴィチまで、作曲家ごとにまとめられた全集は、中学生の頃に貰い受け、聴き込みました。ビクターが出していたため、提携していたソ連のメロディアレコードの録音が多く、これも私にロシア的感性を植え付けた要員の一つになっていると思います。ロシアの作曲家も、演奏家も、ずっしりと大地に根を下ろしたような重厚さが、今でも大好きなのです。
私も中学から大学2年くらいまでは、ずいぶんとレコードを集めました。音楽的な好奇心が旺盛だったあの頃、レコード屋は夢のつまった場所でした。ロシアの音楽家のレコードも買いましたが、最初に買ったのは、マンボの王様と呼ばれるペレス・プラード。その情熱的な音楽は少年期の私の心にエネルギーを与えてくれました。
それを入り口にラテン系のレコードを集め、フォルクローレから世界の民族音楽へも広がり、アメリカではなく第三世界のジャズミュージシャンに行き着きました。すべては、レコード屋でジャケットを見て帯の文を読んで買って行ったもので、試聴も何もなく本当に賭けみたいなもの、当たり外れもありましたが、自分の音楽耳を育てるのに良い経験だったと思います。
自分でCDプレーヤーを買うまでの間に、ずいぶんといろいろな分野のレコードを買いました。井上陽水も、谷山浩子も、途中まではレコードです。CDが全盛になってからも、ソ連直輸入のレコード店ではまだアナログの方が多かったので、ソ連のロックやジャズも買いました。希少なコレクションであると、自分では思っています。
レコードを聴くのは、CDなどとは違う独特の間があります。ジャケットから大きな盤を取り出して、両手でプレイヤーにセットし、スプレーを噴射してその香りを嗅ぎながらクリーナーでくるっとひと拭き、針を盤面の端っこにそっと下ろす。その瞬間のブツッという音、そしてパチパチいう雑音の中から沸き上がってくる深い音色。一連の手順は、音楽を聴くための儀式のような感じです。今ではごくたまにしか聴きませんが、古い大切な記憶を掘り起こすような想いでいっぱいになり、至福の時間を味わうことができるのです。
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プロフィール
HN:
つばめろま〜な
性別:
男性
趣味:
絵・音・文・歩
自己紹介:
長年、同人誌で創作漫画を発表してきましたが、本当は小説が主な表現手段。職業はコピーライターで、趣味は楽器を鳴らすことなど。
下記に作品等アップ中です。よろしくお願いします!
■マンガ作品 COMEE
http://www.comee.jp/userinfo.php?userid=1142
■イラスト作品 pixiv
https://www.pixiv.net/users/31011494
■音楽作品 YouTube
https://www.youtube.com/channel/UChawsZUdPAQh-g4WeYvkhcA
■近況感想雑記 Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100005202256040
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■マンガ作品 COMEE
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