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つばめろま〜なから、なにかを知りたい貴方へ。
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51S2kZBz6jL._SL500_AA300_.jpg「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~」
 三上延(メディアワークス文庫)

巻が進むごとに、だんだん1つのエピソードが長くなってきたと感じていましたが、4巻めは1冊で1エピソード。構成の面白さも本への想いの深さも増して、読み応えがあります。

そういえば、子どもの頃から乱歩の作品を読んだ覚えがありません。「押し絵と旅する男」のはなしを読んで思ったのは、アニメで観た「魍魎の匣」の電車の中のシーンくらいで、これは乱歩好きな京極作品が原作でした。
乱歩的な世界と現実がクロスして、今までなかったほどミステリー色も強くなっていて、別にそれはどうでもいい私にしても謎解きやトリックに惹かれました。そこにはロマンがあります。おお、ロマンよ〜と言うのは猟奇王(川崎ゆきおのマンガ)の口癖で、彼もまたルーツは乱歩なのですが…まぁ、好きな世界なのではあります。栞子の母こそが、二十面相的な怪人の雰囲気をまとっていて、この巻での大きな展開とよくマッチしていました。

もちろん、舞台もかわらず私の地元、雪の下に大鋸に、と知った街ですので、また歩きに行きたくなるのでした。雪の下はまだ古いお屋敷もたくさんありそうですが、大鋸の古い洋館といえば、数年前に焼失してしまった旧モーガン邸がモデルでしょうか。
本作の刊行がはじまってからのたった数年でも、栞子さんがよく立ち寄っていた大船駅前の本屋がコンビニに変わり、大輔くんがお見舞いを買っていったレーズンウィッチの洋菓子店も閉まり、と街の風景は変化しています。
鎌倉の風致地区にもマンションが建ち、大船駅前にも24階建ての超高層複合マンションの計画があるなど(あまりにもこの街にそぐわない…)、街の歴史や文化、景観を守ろうというような意志は、主に経済主義の前では軽いものでしかないようです。
いま、ビブリアがこれほど多くの人に愛されているのは、そんな時代への郷愁もあるのかなと思っています。電子書籍時代の紙の書籍、大船〜北鎌倉〜鎌倉の歴史の中で生活感にじむ風景、その中での慎ましやかな恋、などが相まって、本作の味わいになっていると思うのでした。

前巻を読んだ時から、次巻では震災が起こるだろうしどんなことになるのかと思っていたら、いきなり震災後になっていました。大地震後に古書が動くというのは、よくわかるような感じです。そして、やはりいきなりな栞子母さん登場というのは、いよいよ物語が本題に入ったと身構えさせられる上手い構成でした。
これまで、また聴きの断片情報でしかなかった母が、予想以上に本にとりつかれた破綻者のようで、そうして比べることによって栞子さんもやはり、ただおとなしく可憐なお嬢様などではなく、異端者なのだと認識させられます。意地になって母と張り合おうとする姿は、今後の展開に不安を感じる一面でした。
そんななかで、大輔との進展もありましたが、なぜかあまり感情移入して祝福したい気にはなれず。この関係は、あまり微笑ましいものではないように思えます。それだけに、この二人のつき合い方を作者がどんなふうに書いていくのか、興味深く見守りたいと思うのでした。

さて、配役とイメージ写真を見た時点でまったく視聴する気を失ったテレビドラマ、ただ地元・大船の風景が映されているのかだけが興味あるところでしたが、聞けばほとんどスタジオセット、鎌倉の風景が少しくらいだそうで。ビブリア聖地巡礼のブログ記事を書きかけてましたが、ドラマで踏まえられてたならいいかと思ってたのですが、やはり書き上げたいと思います。

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